アレをアレしてゴニョゴニョすることでHBO MAXに加入できたので、話題の新作を鑑賞。
60年代後半にブラックパンサー党のリーダーであったフレッド・ハンプトンを扱った伝記映画で、マーティン・ルーサー・キングやマルコムXが暗殺されたあとの時期において、ハンプトンはその持ち前の雄弁さとカリスマ性を活かしてブラックパンサーの主導者として頭角を現し、ほかの黒人グループはおろかヒスパニックのグループや白人至上主義者たちとも組み、反権力・反警察を訴えていく。ハンプトンの台頭に危機感を抱いたFBIは、しがないチンピラのビル・オニールを逮捕し、ブラックパンサーに内偵として送り込む。FBIに情報を流しつつも、ハンプトンのそばにいることで彼に感銘を受けるオニール。ハンプトンが収監された際にパンサー党の役職にまで就いた彼は内偵を辞めようとするものの、FBIに今までのことをバラすと脅されてしまう。そしてFBIはオニールにあることを命じるのだった…というあらすじ。
ハンプトンを演じるのがダニエル・カルーヤで、オニール役がラキース・スタンフィールド。フレッド・ハンプトンって亡くなったのがなんと若干21歳のときだそうで、そのときオニールに至っては17歳ほどだったとか。よって役者たちは10歳くらいモデルと年が離れていることになるが、実際のハンプトンってやはり貫禄があったようで、変に若い役者に演じさせるよりも良かったのでは。ダニエル・カルーヤは「WIDOWS」のときもそうだったが、ドスの効いた怖い演技のほうが似合いますね。一方のスタンフィールドは例の泣きそうな目が、オニールの不安な心情を表していて良い感じ。
あとはFBIの職員をジェシー・プレモンズが演じているほか、マーティン・シーンがルディ・ジュリアーニみたいなメークをしてエドガー・フーバーを演じています。プロデューサーにライアン・クーグラー。監督のシャカ・キングはこれ以前にコメディを1本撮っただけの人のようだが、この作品における演出は大変良かったですよ。
プロット自体は比較的シンプルかもしれないが、ハンプトンのカッコいいスピーチとブラックパンサー党の抗争が全編に渡って描かれ、かなり熱い内容になっている。主役ふたりの演技が大変素晴らしくて見応えのある作品だった。