HBO MAXのオリジナルムービー。SXSWに出品されたものを買い付けたらしい。
アメリカ名物となった学校の銃撃事件をテーマにしたもので、高校生のヴァダは学校のトイレにいたところ、何者かが学校で銃を乱射するのを耳にする。同じトイレにいたインフルエンサー女子のミア、そして逃げ込んできた男子生徒のクイントンたちと一緒に個室に逃げ込み、彼女たちは難を逃れるものの、クイントンの兄を含む多くの生徒たちが犠牲になってしまっていた。そしてヴァダたちは事件のトラウマを抱えながらも日常生活に戻ろうとする…というあらすじ。
学校の銃撃事件を扱った映画といえばガス・ヴァン・サントの「エレファント」などがあるが、あれが事件に至るまでの過程を描いていたのに対し、こちらは銃撃事件が冒頭で(画面外で)起き、題名通りその後遺症(fallout)を描いたものになっている。
いちおうヴァダはセラピストのもとに通ったり、破裂音に対して過敏になったりしているものの、事件に対して真正面から向き合うようなことはなく、ミアの家に遊びに行ったりクイントンと遊んだりしてまったり過ごし、家族も気を遣ってくれるもののやっとこさ学校にまた通うようになったら勉学に力が入らず、ドラッグやってラリったり、といった展開が長々と続く。90分ほどの短い作品だがそれでも冗長に感じられるかな。ある意味でヴァダたちは現実逃避をしているわけで、それがリアルといえばリアルな描写なのかもしれない。
監督のミーガン・パークって若者向けのテレビ番組に出ていた女優でこれが初監督作になるそうな。ヴァダ役のジェナ・オルテガも「ジェーン・ザ・ヴァージン」などに出ていた若手女優で、こうした若い女性たちがどんどん映画業界で活躍していくんだろうなあ。自分が知ってる役者ではジュリー・ボーウェンとかシェイリーン・ウッドリーなどが出ていました。
ヘビーなテーマを扱ってる一方で、それを直視してないような感じもしたけど、それは人によって受け取り方が違うのかもしれない。ちょっと残酷な終わり方が記憶に残る作品。