「Fargo」シーズン5鑑賞

前シーズンから3年ぶりの新作。新シーズンのたびにこれが最終章だ、みたいなことを言われてる気がするがこれが最後になるかは分かりません。

時代設定がグッと前に遡って1920年代だったシーズン4に対し、今度はグッと時代が進んで2019年のミネソタが舞台。弱気なカーディーラーの夫と結婚しているドロシーは、自宅で暴漢ふたりに襲われて誘拐される。しかしドロシーはサバイバルの達人であり、暴漢の車が警官に職務質問を受けている際に脱走し、そのまま警官を巻き込んでガソリンスタンドで銃撃戦を繰り広げる。暴漢を撃退した彼女は自宅に戻り、夫の前では何事もなかったような素振りをするのだった…というあらすじ。

まだ2話しか観ていないので話の展開がこれからどうなるかとんと分からないのだが、登場人物はドロシーとその夫と子供に加え、地元の有力者でドロシーを敵視している義理の母、悪徳の限りを尽くしている保安官、ドロシーを誘拐しようとした暴漢、ドロシーと銃撃戦に巻き込まれた警官といった、実にひねくれたキャラクターたちが揃って、自分たちの私欲のために行動している。

どうもドロシーは保安官の元妻で、彼女を誘拐した暴漢はその保安官が雇ったらしいことが明らかになるのだが、ふたりにどんな過去があるのか、またなぜ主婦のドロシーが銃火器や罠の扱いに熟練しているのか、などは説明されていない。また保安官が仕事をしくじった暴漢を殺そうとしたことから、逆上した暴漢が保安官たちに反撃するなど、三つどもえの血生臭い争いが繰り広げられていく。

シーズン4は時代設定が昔過ぎたというか、アイリッシュと黒人のギャングの話とかどうも響かないところがあったけど、今回はお馴染みのミネソタ訛りのキャラクターたちが、田舎の寒い夜のなか撃ち合いをするあたり、初期コーエン兄弟のノワールさがあって原点回帰した感があってよろしい。

主人公のドロシーをジュノー・テンプルが演じるのに加え、保安官をジョン・ハム、ドロシーの義理の母をジェニファー・ジェイソン・リーが演じるなどキャストは相変わらず豪華。シーズン4だけ登場しなかった聾唖の殺し屋ミスター・レンチも今回は登場するんじゃないかと勝手に期待している。