「The War Between the Land and the Sea」鑑賞

今年はクリスマス・スペシャルが放送されない「ドクター・フー」に代わってのスピンオフ・ミニシリーズ。こないだ打ち切られたディズニーとのパートナー契約には含まれるようで、日本では来年ディズニープラスでやるんかな。クリエーターはラッセル・T・デイビス。

「ドクター・フー」本編でこないだ十数年ぶりに登場した、深海に棲む種族シー・デビルズを中心にした内容で、イギリスの漁船によってシー・デビルズの一人が捕獲されたことから話は始まる。軍の監視下に置かれた同胞を救出するなかで他のシー・デビルズたちが世界中の海から姿を現し、一触即発の危機を感じた人間側は、ケイト・レスブリッジ=スチュワート率いるUNITの統率のもとでデビルズたちとの対話を試みる。しかしデビルズたちはUNITの選んだ代表を無視し、手違いから一連の作戦に同行することになった、UNITの下っ端職員バークレーを交渉相手に任命するのだった…というあらすじ。

ドクターについては言及はされるものの(今のところ)登場はなし。ごく普通の人間たちが異種族とコンタクトして交渉を試みるという、比較的硬派なSFドラマになっている。異種族とのコンタクトということで「トーチウッド」の傑作ミニシリーズ「CHILDREN OF EARTH」を彷彿させる中身になっているが、あそこまでシリアスではないかな。でも政府の建物のなかでシー・デビルズたちと会話するためにでっかいパイプと水槽を組み立ててサンダーバードの秘密基地みたいに水を流すところとか、冒険活劇っぽい描写がいろいろあって面白いのよ。

今のところ全5話のうち2話が放送されて、人間(陸)とシー・デビル(海)の駆け引きが繰り広げられていて大きなアクションは少ないが、これからシー・デビルズたちの魂胆や、なぜバークレイが人類代表に選ばれたのかなどが明かされていくのかな。

バークレイ役にはラッセル・トーヴィー。オリヴィア・コールマンに次いで、イギリスのどんな番組にでも出ている役者ではないだろうか。当然過去にも「ドクター・フー」に出ているのだが、今回はそれとは異なる役みたい。彼と交渉する、人語を理解する新型のシー・デビル役をググ・バサ=ローが魚メイクして演じています。ストーリーはこれから佳境を迎えるところなので、まあオチでガッカリする可能性もなくはないけれど、「CHILDREN OF EARTH」に匹敵するような出来になることを期待します。