俺くらいの世代の人だと、80年代に日テレでやってた「V」のミニ・シリーズを熱心に観てた人も多いんじゃないでしょうか。あの頃のテレビの影響力は大きかった。「V2」はビデオ屋でレンタルするのが面倒で観なかったけど。そしてこれはABCによるそのリメーク。
第一話の展開はまあ典型的な異星人訪問ものをなぞっており、世界各地の都市に突如あらわれた異星人(ビジター)たちの巨大宇宙船は下部が巨大ディスプレイになっていて、そこに友愛のメッセージが各国の言語で放映されるという実に素晴らしい気配りをみせてくれる。宇宙船を見て『「インデペンデンス・デイ」みたいだ!』と言う奴がいるんだけど、あれ観てたら普通は宇宙船の下には行かないよな。
もちろんビジターたちが友愛の人たちでないことは最初からバレバレなわけで、彼らが怪しい目的を持っていることと、前回同様に人間の皮をまとったトカゲであることは比較的早めに明らかにされる。しかもビジターたちは昔から地球に侵入しており、政府や金融機関を乗っ取っていたことが明かされるんだけど、それじゃ「訪問者」じゃなくて「間借人」じゃん。そんなんだったらもっと人間をフヌケにしてから宇宙船を送り込めばいいのに。彼らの正体を知った人間側のレジスタンスが倉庫で会合を開いたり、それをビジター側が襲撃する描写などは「ゼイリブ」そのまんま。地球侵略に反対するビジターたちによるレジスタンスも存在するという設定は面白かったけど。
物語に登場する人間たちはシングルマザーのFBI捜査官とその反抗的な息子(とそのデブでマヌケな相棒)や、ビジターの訪問によって信仰心が揺らぐ神父、ビジターへのインタビュー権を手にするジャーナリストなどなど。全体的に話が型にはまっているような気がして、あまり続きを観たいという気にはならなかったかな。せめてレジスタンス側にマイケル・アイアンサイドがいればなあ。でも視聴率はずいぶん良かったみたいなので当分シリーズは続くんじゃないでしょうか。
というかビジターたちの服がグレーを基調としているためか、
俺には彼らが「ギャラクシー・クエスト」の人たちに見えてしまうのです。