一部でカルト的な人気を持つ、アンディ・ラウ主演の映画「マッスルモンク」をDVDで観る。 いやー。こういう作品だったとは。冒頭では肉じゅばんをまとって筋肉ムキムキのラウの姿には一瞬引くものの、アクション描写は相変わらず一流だし、サスペンスの醸し出し方なんかも上手でなかなかストレートに楽しめる。でも謎のインド人が逮捕されてからズルズルと話がすべっていくというか、プロットが徐々に破綻していき、冒頭の展開からずっと離れたところに着地して終わるラストが、まあ、なんというか、といった感じ。このユルさ加減を楽しめるかどうかが、この作品を観るときの最大のポイントなんだろう。
ストーリーを逆にたどっていくと辻褄が合わない点がいくつもある、というのはカンフー映画では決して珍しくないことだけど、この「マッスルモンク」も、ありそうで実はない伏線とか、印象的なくせに途中から出なくなるキャラクター(上記のインド人だ)とか、なんか行き当たりばったりな展開がてんこ盛り。そもそもよく考えてみると、主人公が筋肉男である必要性もあまり感じられなかったりする。ここまで話が破綻してると、普通は脚本の段階で気づきそうなものだけど、それがそのまま大金をかけた映画になってしまうところがスゴイなあ。
でもやっぱり、ヒロインのあの運命はちょっと…。前世が日本兵だと、ロクなことがないんですね。