「テラ・ノヴァ」鑑賞


鳴り物入りで始まったフォックスのSFドラマ。世間的には「スティーブン・スピルバーグ製作のドラマ」として宣伝されてるけど、実際のショウランナーは「スター・トレックをダメにした男」ことブラノン・ブラガであることにご留意。主演はアメリカ版「ライフ・オン・マーズ」のジェイソン・オマラで、他には「アバター」のスティーヴン・ラングが「アバター」そのまんまのタフなリーダー役で出演している。

2149年の地球は人口増加による環境汚染により人がまっとうに住める星ではなくなっており、食料が足りず出産制限が設けられる状態であった。そんななか8500万年前の白亜紀の時代に通じるタイムポータルが発見され、人類は生存の望みをかけて白亜紀への移住を行い、新たな地球である『テラ・ノヴァ』の設立を計画する。そして元警官で3人目の子供を持ったために投獄されていたジムは、妻で医師のエリザベスがテラ・ノヴァへの移住者に選ばれたことから監獄を脱走し、家族とともに8500年前の地球へと向かうが、そこは恐竜たちが跋扈する、さまざまな危険に満ちた世界だった…というようなストーリー。

普通に考えればタイムポータルで19世紀くらいに戻ってその時代の人たちに「お前ら資源の無駄遣いはヤメろよ」と説教すればいいんじゃないかとか、白亜紀で恐竜を殺したりすると「いかずちの音」みたいに未来が変わってしまうんじゃないかとか思うんだけど、タイムポータルは「行き先は8500年前のみ、しかも一方通行」という設定で、しかも未来の地球とテラ・ノヴァは異なる時間軸に存在しているらしい!それでもどうやら過去から未来にメッセージは送れるようなので、どうも強引な設定だよなあ。

製作には相当な費用がつぎ込まれたようだけど、なんか全体的に安っぽいんですよ、これ。未来の地球で新鮮なオレンジを入手して喜ぶ家族とか、子供が3人いるために当局の捜査を受けるところとか、クリーシェ満載でまるでジュブナイルSFを読んでいるような感じ。地上波ネットワークの作品とはいえ、もっとハードSFの要素を入れても良かったと思うんだけどね。さらにファミリードラマやティーンドラマの要素も入ってるんだけど、どうもそれらがプラスになってるとは言い難いな。恐竜もCGであることがバレバレだし。

この手のドラマって、主人公たちが立ち向かう脅威や謎の存在が重要だと思いまして(サイロンやドミニオン、LOSTの島など)、いちおう居住者の反乱分子とか謎の落書きとかが出てくるんだけど、反乱分子の連中はなんかヘタレだし落書きについても殆ど言及がないので、「次はどんな冒険が待ち受けてるんだろう」というようなワクワク感がどうも抱きにくいんだよな。アメリカでも視聴者の評判はあまり良くないみたい。とはいえ大きなセットとかを作ってしまったために最初の13話くらいは意地でも放送されるんでしょうが、そのあともちゃんと続くことができるのかな?

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