「キリストの生涯を茶化している」という理由から世界各地で上映禁止となった、モンティ・パイソンの映画「ライフ・オブ・ブライアン」にまつわる騒動の裏話を描いたBBC4のTVムービー。
パイソンズの面々を他の役者が演じているということで前から話題になっていた番組だが、内容はかなりおふざけが入ったものになっており、マイケル・ペイリンの奥さんは女装したテリー・ジョーンズだし、ジョン・クリーズもカメラに向かって「僕はクリーズ本人よりも(「フォルティー・タワーズ」の)バジル・フォルティーに近いキャラクターです」なんて自己紹介する始末。ちなみに上の写真を見ても分かるようにキャストは本物たちによく似ていて、テリー・ジョーンズだけは似てないかと思ったけど女装したらよく似ていたよ。
ストーリーも内輪ネタというかメタなジョークが満載で、登場人物がテリー・ギリアム風のアニメになったり人形になってライトセーバーで闘ったり、歴史検証に間違いがあることに気付いた(架空の)視聴者がBBC4にクレームを入れたりとやりたい放題。ただしこうしたナンセンスさが全て成功しているとは言い難くて、特にパイソンズを陥れようとするTVプロデューサーたちも間抜けにしてしまったことで、最後の見せ場であるキリスト教の僧侶とのテレビ番組での討論への盛り上がりに欠けてしまったのが残念。別に「フロスト X ニクソン」みたいなのを期待してたわけではないが、抗議運動などはもうちょと真面目に描いてもよかったのに。でも話の主人公を「世界でいちばん良い人」ことマイケル・ペイリンにしたのは正解だったな。視聴者がいちばん感情移入しやすい人だろうから。
というわけでどこまでがフィクションでどこまでが実話かよく分からない怪作でしたが、かつてこんなに論議を呼んだ映画があったんだよと知るのには適した番組ですかね。ちなみにアイルランドでは「人生狂騒曲」さえも公開禁止にされたんだよな。
早くも全編をyoutubeにアップした猛者がいた: