自分にとっては90年代前半最高のバンドの1つであるワンダースタッフが、今度トロントでライブをやることを知り狂喜するものの、彼らのホームページを見てみたら「現在ワンダースタッフとしてツアーしてる連中は、ボーカルのマイルス・ハントと彼のバンドが勝手にそう名乗ってるだけです」といった書き込みがドラマーとバイオリニストの連名で乗っけられてた。90年代後半にケンカして解散し、そのあと再結成していたものの、いつの間にかまたケンカ別れしてたのかい。マーティン・ギルクスのドラミングが間近で見れるかと期待していたのに残念。マイルス・ハントが嫌いというわけではないが、なんか昔の夢が壊されるような気がするので行くのはやめにする。 その代わり、と言っては何だが、ウエディング・プレゼントもライブをやりに来るらしい。こっちはボーカルのデイヴ・ジェッジさえいれば十分ですからね。当然見に行きます。最近のアルバムはどんな感じなのか全然知らないけれど。俺の音楽趣味は90年代前半で停止しているのだ。
投稿者: Kingink
ハンター・S・トンプソン死去
朝っぱらから、カウンターカルチャーのジャーナリズムの先駆者であるハンター・S・トンプソンが死んだことを知って気が滅入る。しかも自殺だとか。クスリと銃に密接したライフスタイルで有名な人だったから、銃による自殺というのはある意味で彼らしい死に方ではあるのだが、大変残念なことである。自殺の理由はまだハッキリしてないらしい。ここ最近は全盛期(ニクソン時代)に比べて明らかに「枯れた」感があったとはいえ、まだ多大な人気と発言力を持っていた人だから、せめて次の大統領選挙までは生きていて欲しかったものだ。 俺が大学生のときに彼の代表作「恐怖と嫌悪のラスベガス(別名「ラスベガスをやっつけろ」「ラスベガス★70」)」をケタケタ笑いながら読んだのも今となっては懐かしい思い出だ。ラスベガスでの狂乱をコミカルに描きながら、ときに真剣な内容になるところ、特にモハメド・アリの徴兵拒否に対する懲役判決を知って唖然とするところが強く印象に残っている。映画版はダメ作品だったが。そういえば彼の小説「ラム酒日記」も現在映画化中じゃなかったっけ。人気コミック「Doonesbury」のアンクル・デューク、および「Transmetropolitan」のスパイダー・ジェルサレムは彼がモデルのキャラクターである。それだけ影響のある人物だったのだ。合掌。
夜は映画教室。ニック・ゴメスの低予算映画「Laws Of Gravity」を見せられる。低予算とはいえ撮影がかなり見事。ただストーリーに起伏が乏しく、かなり間延びした感じがするのも事実。若かりし頃のイーディ・ファルコが出演していた。
There’s Something About Marrying
テレビで「シンプソンズ」をつけたら、前から話題になってた同性愛結婚のエピソードをやっていた。観光客獲得のためにスプリングフィールドで同性愛結婚が承認されることになったら、マージの姉のパティがカミングアウトして…という内容のもの。この番組では初めて「事前の注意」が付けられたそうだが、カナダでは付いてなかったような?番組中にも「ここに2人の結婚を認める。カナダでは法的効力があるかもしれないが、テキサスには近づかないように」なんてジョークがあった。 パティがカミングアウトする、ということは前から聞いてたので驚きはしなかったが、内容が徹底的にリベラル一色なのは面白かった。同性愛結婚に賛成の立場をとっときながら、身内の結婚になると難色を示すマージの描写がよく出来てたと思う。でもやっぱり全盛期の頃に比べると、何か物足りないんだよなあ。同じ社会問題を扱った内容でも、外国人の不法労働が問題になってアプーが窮地に立たされるやつのほうが面白かったと思う。
ちなみに妄想の中でホーマーが自分自身と熱いキスをする、なんてシーンもあった。そんなの見て喜ぶ奴がいるのか?
United Kingdom Leads the World in TV Downloads
インターネット上で違法にテレビ番組をダウンロードしてる連中はイギリス人が1番多く、2番目はオーストラリア人だとか。要するに自国のテレビがアメリカの番組にどっぷり浸されていて、英語を理解する人々のいる国ですね。アメリカで放送された新しいエピソードを見たいがためにインターネットにすがるわけで、極端な例だとエピソードの放送直後に動画がネットに流されてるとか。アメリカやカナダでのダウンロードが少ないのはリアルタイムで新エピソードが見れるからなのだが、イギリスで世界初放送されてるはずの「Battlestar Galactica」がイギリスでもダウンロードされてるのは、このシリーズが有料チャンネルで流されてるかららしい。 こうしたことを考慮すると、iTunes Music Storeのように「ドラマをネット上で切り売りするサービス」が本格的に開始されるのも遠い話ではないかもしれない。みんなタダで入手してるのに、有料のサービスなんか成功するわけないと思う人もいるだろうが、iTMSも違法ダウンロードがまかり通ってたときに「合法なサービスを提供しない限り、不法なダウンロードは減少しない」という概念のもとで登場して大成功を収めたわけだ。
もっとも現在のところ製作側はテレビシリーズのDVDでボロ儲けしてるわけで、その儲けに影響するようなサービスは始めたがらないかもしれない。特典映像などでDVDとうまく差分化して、ダウンロードとDVD両方で儲かる仕組みにもっていければ一番いいんだろうけど。
そしてこうしたサービス(海外ドラマ限定で)が日本でも成功するかというと、やっぱり言語の壁は厚いなあと感じる次第である。インターネットのおかげで海外にあるファイルも容易に入手できるようになったとはいえ、「SIX FEET UNDER」を熱心に収集してる日本のファン、なんて聞いたこともない。せいぜい日本語版をリップしたファイルや、お世辞にも上手いとはいえない手製の字幕が付いたデータが流されてる程度だ(ちなみにフランスには、日本のアニメにせっせと字幕を付けて流してる連中がいるとか)。
もっとも日本はiTMSさえ開始されてないんですけどね。
ジャーナリズム対ブログ
気に入らないジャーナリストやマスコミをネット上でバッシングする連中がいるのは別に今に始まったことではないが、最近(?)ではそれが団体のホームページとか掲示板とかじゃなくて、個人のブログ上で行う動きが活発化しているため、新たなジャーナリズムの形としてのブログに注目が集まっているようだ。 日本でもよく特定のメディアを叩いてる連中とかがいるけど、これはアメリカでも同じことで、最近ではブログのすっぱ抜き&圧力によってCNNのディレクターが辞職に追い込まれたとか。こうしたブログの風潮について、こないだ「The Daily Show With Jon Stewart」が絶妙な特集をやっていた。動画は こちら 。
一応コメディ番組のはずなんだけど、その鋭い観点には感心することしきり。「レポーターのことをレポートするヒマがあったら、政府のやってることについて書くべきなんだ」というコメントは一理あると思う。ジャーナリストをコケにするブロガーをコケにする連中がテレビに出たりしてるのが、アメリカの奥の深いところか。