アカデミー賞

近所の2番館へ「Life Aquatic with Steve Zissou」を観に行く。日曜の午後だからか子連れ客でごったがえしてた。ほのぼのしてていい雰囲気である。菓子を食う音とかがうるさかったけど。
個人的にはウェス・アンダーソンはアレキサンダー・ペインと非常に近い一に存在していて、アンダーソンの方が常に一歩リードしてるような感じだったけど、今年は「Sideways」でペインが一気にスポットライトを浴びたような気がする。まだ見てませんが。で「Life Aquatic 」自体はアンダーソン監督見事に失速、という内容だった。詳細はまた今度書きます。 んで夜はオスカー。「ミリオンダラー・ベイビー」が「アビエーター」をノックアウトした夜、という感じ。あの映画のどこがいいんだか俺には分からないんだが。個人的には「インクレディブルス」が「シュレック2」を打ち負かしたのが嬉しい。クリス・ロックの司会は面白いじゃん。露骨なブッシュ批判をやって拍手喝采を受けるのはさすがハリウッド。

賞といえば今年のラジー賞はスゴかったらしい。「キャトウーマン」で最悪女優賞を穫ったハリー・ベリーが何と自ら受賞に行き、「チョコレート」でのオスカーのスピーチをパクったスピーチをやって「こんなクソ映画をやらせてくれたワーナーに感謝します」とか言ったり、エージェントを呼びつけて説教したりと大活躍だったとか。さらには「いい勝者になるためには、いい敗者になれとママに言われて育ったの」なんて名ゼリフをきめて会場は拍手喝采だったらしい。見直したぜハリー・ベリー。

ヤフーのブログ

昨年の末から使用してる「ジオログ」(つまりこのページ)だが、一般のブログに比べて使い勝手が悪いのでどっか別のサービスに切り替えようかな、と考えていたらヤフーがブログのサービスを開始していたことを知る。まだβ版のせいか推奨環境が「Windows 98/NT/Me/2000/XP」と実にマックユーザーを無視した状態になってるものの、試しにアカウントを取ってみたら十分に動作できるようだ。ただブログの欠点は毎日情報を更新してかないといけないことで、映画を見た当日でなくしばらく後に感想を載せる、という今のスタイルが保てないことにある。まあ普通のホームページとブログの違いですかね。切り替える前にもうちょっとよく考えてみよう。

History Of Violence

カナダを代表する映画監督デビッド・クローネンバーグの新作「History Of Violence」の試写が行われたとか。去年の10月くらいにクランクアップしてたという話は聞いてたが、ついに完成間近か。クローネンバーグ作品であることに加え、原作が「ロード・トゥ・パーディション」と同じパラドックス・プレスの作品(つまりコミック)なので非常に興味がある。かなりグロいシーンのあるコミックだけど、どのようにクローネンバーグは映画化してるんだろう。,’923742′); return false;”>トラックバックする(会員専用) [ヘルプ]

HOUSE, M.D.


2004年度に始まったテレビシリーズとしては個人的に最も気に入っている作品(見たことないシリーズも沢山あるが)。製作はNBC/ユニバーサルでチャンネルはフォックス。ニュージャージーの診療病院を舞台に、人間嫌いの天才医グレゴリー・ハウスと彼の下で働く3人の若き医師たちが、原因不明の症状を抱えて担ぎ込まれてくる患者を救うために数多くの謎に立ち向かっていく…というのが主な内容。要するに医療&ミステリー・ドラマ。製作にはブライアン・シンガーが関わっていたりする。

病院を舞台にしたドラマなんて今まで山のように放送されてきたけど、このシリーズの魅力は主人公であるドクター・ハウスの毒々しさに尽きる。片足が不具で鎮痛剤の常習者である彼は上司に強制されてイヤイヤながら病院に出勤してる毎日だが、最先端の医学でも解明できないような謎の症状を持った患者が来れば途端に目をきらめかせ(強制される場合もあるが)、周囲が唖然とするくらい非常識な手法で原因を突き止めていくのだ。
「患者はウソをつくもの」が信条である彼はろくに患者と合おうともせず、必要とあればウソまでついて自分の治療法を試し、患者の家族にブン殴られたり、部下に呆れられながらも患者の命を救っていく。普通なら医療過誤ですぐさま訴えられそうなものだけど、「患者の手を握りながら死ぬのを看取ってくれる医者と、患者が回復してるときに彼を無視する医者のどちらがいい?」というセリフが彼の態度を明確に表している。医者が聖人扱いされてきた従来の医療ドラマとは違ってとにかくブラック・ユーモアに満ちたシリーズで、患者を適当にあしらいながらも治療をしていくハウスの言動が最高に面白い。 下手をすれば単なるイヤな奴になりかねないハウスを絶妙に演じているのはヒュー・ローリー。イギリスではスティーブン・フライとのコンビや人気シリーズ「ブラックアダー」などで知らない人はいないくらいに有名なコメディアンだが、アメリカでは「スチュアート・リトル」のパパ役で知られているくらいか。このシリーズでは従来の(イギリスでの)陽気なイメージをかなぐり捨て、時には滑稽で、時には偏執的なくらい真剣になれるハウスを好演している。

このシリーズに欠点があるとすれば、多くの人が指摘していることだけど、どのエピソードも完全にパターン化してしまっていることか。冒頭にまず患者が発症して倒れ、ハウスが3人の部下をコキ遣いながら原因の解明に励み、当初の診断が間違っていたことで患者の症状が悪化するものの、意外な解決策を思いついたハウスのおかげで患者が回復する、というパターンが番組開始から毎回繰り返されているのだ。一応ハウスや部下たちの過去が明かされていくようなストーリー上の進展はあるものの、どのエピソードも似たり寄ったりだという感は否めない。ただ型にはまっているとはいえ、あまりにもハウスの姿が面白おかしいので見ていて飽きはしない。問題はこのパターンでどれだけ人気が持続できるかだけど、とりあえずハウスは今のままの毒々しい奴でいてほしい。

大いなる期待

日本の知人と連絡をとるとたまに感じるのだが、どうも俺がトロントで「デカいこと」をやっていると思い込んでる人が多々いるような気がする。具体的に何が「デカいこと」なのかは当の本人も漠然としたイメージしか持ってないんだろうが、俺がこちらではごく平凡な生活をしていて、特に職についてるわけでもないことを伝えると、それは「ダメ」なことであるかのような言い方をされてしまうのだ。もちろんハッキリそんなことを言われた訳ではないが、どうも「俺は単身で海外に渡り成功する」という勝手な期待を抱いているようで。期待に添えることができず大変申し訳ありません。 でも一応言い訳をさせてもらうと、ここ数ヵ月は日本から持ってきた仕事が非常に忙しく職探しなんかやってるヒマはなかったし、週に2日は大学に通って授業を受けている。またカフェなんかで働くよりかは自分の趣味と合っていると思い、美術館でボランティアをしたりしている。決してブラブラしてるわけではなく、むしろ非常に忙しい毎日を過ごしているのだが、これでも「ダメ」なんでしょうか。

確かにまっとうに金になる職に就いてるわけでもないし、キャリアの階段を確実に上ってるわけでもないのだが、日本で毎日会社に通ってた時にくらべれば、とても自分のためになる生活を送っているつもりである。日本で定年になるまで働いて海外にでも行くよりかは、まだ若いうちに経験を積んどこうと思ってトロントに来たわけだが、海外に住むのなんてこれで4回目ですからね。海外で何が期待でき、何が期待できないのかなんてとっくの昔から承知しているわけです。元リプレイスメンツのポール・ウェスターバーグが「成功するためにはLAに移らないといけないと思ってる奴はどうせ成功できねえ」なんて言ってたが、別に海外にいるからって「デカいこと」がやれるとは限りませんよ。

俺もカナダに住んでたって何かしらの限界に突き当たることを理解してるつもりだから、5月くらいに帰国して就職活動をまた行う予定である。日本は就職時の年齢制限が厳しい(こちらでは違法)という現実を考慮すると、あまりこちらに長居できないわけで。傍目には「海外でブラブラしてきただけ」と映るかもしれないが、これが「ダメ」なことだと思うなら勝手に思っててくれよ、という感じである。

でもまた日本での生活がイヤになったら、今度こそはどっかの国に移民申請するかもしれない。