「INIFINITE CRISIS」開始

DCコミックスの今年の(ここ数年の?)大イベントである「INIFINITE CRISIS」がやっと始まった。#1を読んだ感想は…20年前の作品(CRISIS ON INFINITE EARTHS)の続きを突然やられてもなあ、という感じ。それでも多くの読者が普通に話についてってるのを見ると、彼の国のコミック・ファンの年齢層がどれだけ高いかがよく分かる。「CRISIS 」でマルチヴァースをなくしたけど、やっぱり復活させましょう、という展開はまるで原理主義者の革命論のようだ。 マーヴェルの今年のイベント「HOUSE OF M」がかなりダメダメだったので、「INIFINITE CRISIS」がもうちょっとマシなものになってくれるのを願うばかりです。

100 BULLETS vol.8: THE HARD WAY 評


そいでもってもう1冊はブライアン・アザレロ&エデュアルド・リッソのクライム&ミステリー作品「100 BULLETS」第8巻。個人的には現在月刊ベースで発行されているシリーズの中では間違いなく最高のものなんだけど、この巻に収められているストーリーも非常に出来がすばらしく、読んでて背筋がゾクゾクしてくる。 ニューオリンズ(洪水前だよ)を舞台に、様々な登場人物の思惑が交差し、暴力が暴力を呼ぶプロットが陳腐にならないまま展開していき、一方では今までの謎のいくつかが解明されながらも、さらに大きな陰謀の渦へとストーリーが巻き込まれていく流れが実にいい。また過去と現在の出来事が錯綜しながら起きていっているのに、話がまるで複雑にならず読者の興味をかき立て続けるスタイルをとっていることも特筆すべきだろう。

ストーリーもさることながら、アルゼンチン出身のアーティスト、エデュアルド・リッソのアートがまた相変わらず見事で、ニューオリンズの街の雰囲気や登場人物の不穏な内面なんかを完璧に描き出している。

前巻は中規模のストーリーが2つ収録されていたせいで、やや散漫な感じがあったものの、今回は大きなストーリーがガツンと1つあってとても引き締まった内容になっている。最重要人物の一人が意外な死を迎えるラストも衝撃的だ。

やはり現在のアメコミの中では最高のシリーズ。買え。

PLANETARY vol.3: Leaving The 20th Century評

一週間くらい前に注文した、アメコミのペーパーバック2冊が到着した。アマゾン早すぎ。
簡単にレビューします。 まずはウォーレン・エリス&ジョン・キャサデイの「PLANETARY 」第3巻。全6話収録されているうちの3話までを既に読んでいたので、あまりスリルは味わえなかったかな。それでもこのシリーズは1話完結のスタイルをとっていることが幸いしてか、エリスのここ数年の悪癖である「話の展開の遅さ」があまり感じられず、ストーリーがそれなりにスピーディーで面白い。

ただしシリーズ最大の魅力であった、著名なアメコミ・ヒーローたちが絶妙にデフォルメされて登場すること(例えば主人公たちの宿敵はファンタスティック・フォーが露骨にモデルになっている)が減り、シャーロック・ホームズとかターザンみたいな古典的ヒーローが出るようになってきたのは何か残念。

ちなみにあと10話ほどで完結するそうな。

古本漁り 2


こないだに引き続き、古本市でアラン・ムーアが執筆してた頃の「Wild CATs」やマーク・ウェイドの「Flash & Green Lantern: The Brave & The Bold」、および「Nightwing: The Target」や「World’s Funnest」といった小品群を購入。どれも傑作というほどのものではないんだけど、なんといっても安いのです。 彼の他の作品にくらべると、ムーアは「Wild CATs」を露骨に手を抜いて書いてんなー、と思うのは俺だけでしょうか。逆にそのB級っぽさが新鮮に感じられるんだけどね。

古本漁り

職場のあるビルの地下街で古本市をやってたのでぶらっと入ってみたら、なんと奥の方でアメコミが大量に販売されていたので狂喜する。 90年代のタイトルが中心のリーフレット作品(月刊の薄っぺらいやつね)も結構いいのがあったけど、何といっても比較的コンンディションのいいペーパーバックが破格の値段で売られていたのがもう最高。バットマンやJLAの作品をはじめ、「トップ10」とか「ゴールデン・エイジ」「アンクル・サム」といった傑作が数百円で売ってるんだから凄いことです。でも俺はそのうちの大半を既に持ってるのでした。

とりあえず今日買ったのは、伝説のマキシ・シリーズ「キャメロット3000」と、「ダークナイト・リターンズ」の10年記念版、バリー・ウインザー・スミスの「ウエポンX」に、マーシャル・ロジャースとスティーブ・エングルハートが担当してたバットマンのコレクション本。これだけ買って1000円いかないからね。来週もまた何か買ってこよう。

ちなみにああいった所で必ず現れるのが、アメコミを適当にパラパラとめくってバカにする連中ども。今日もどこぞのカップルが「こんなの子供向けだよねー」などと偉そうに語りながら去っていった。テメーらにアメコミの奥深さが分かってたまるかい。