「THE GRAVEYARD BOOK」読了

ニール・ゲイマンによるジュブナイル向け小説。ゲイマンの小説ってデビュー作の「ネバーウェア」が(彼のコミック作品に比べて)凡作だったのでちょっと敬遠してたんだけど、これはとても楽しめる一冊だった。

キップリングの「ジャングル・ブック」を下敷きに、悪者によって両親と姉を殺された赤ん坊が、偶然にも魔の手を逃れて墓場にたどり着き、そこに住む幽霊たちによってノーボディ・オーウェンズ(通称ボッド)と名付けられた赤ん坊は墓場で育ちながらさまざまな冒険を経験していくのでした…というのが主なプロット。各章がノーボディの成長にあわせた冒険譚になっており、ゲイマンの得意とするホラーとサスペンスとユーモアが絶妙にミックスされた文章のおかげで、読んでいてどんどん話に引き込まれていく。デイヴ・マッキーンによるイラストも数は多くないものの話の雰囲気を伝えるのに役立っている。

墓場にはいろんな時代からの幽霊が出てくるほか、魔女や狼人間や屍食鬼なども登場。その一方で「人間界」におけるノーボディ少年の冒険も描かれ、どの話も展開が速くて飽きさせない。幽霊たちの能力を身につけたノーボディと、彼の後見人であるサイラスがちょっと万能すぎるかなという気もしなくはないが、それでも最後の悪者との対決などはスリル満点の内容になっている。

児童文学の権威あるニューベリー賞を受賞したほか、ニール・ジョーダン監督で映画化も決まったとのことなので、日本でもいずれ訳書が出るだろうから多くの人に薦めたい傑作。原書も難しい英語では書かれてませんよ。

栗本薫 死去

わたくしこれでも小学生の頃は「グイン・サーガ」を読んでおりまして、個性的な登場人物による波乱に満ちたストーリー展開を楽しんでいたのでありますが、やがて作者の耽美趣味というかやおい趣味のようなものが幅をきかせてきたのが嫌になって30巻のちょっと前あたりで読むのを止めたんだよな。そのあとはヒロイック・ファンタジー(死語)を求めてマイケル・ムアコックの諸作品に移っていったわけです(こないだR・E・ハワードの「コナン」シリーズを読んだら非常に面白かった)。

あの頃は「100巻なんて行くわけねーやな」とか考えていたわけですが、いつの間にか到達していたばかりか、勢いに乗って126巻まで出てたんですね。でも結局未完で終わってしまったんだったら、あんた何やってんのかと。過ぎたるは及ばざるが如しという言葉を、今日はとても実感した次第です。

作家としてのスタンスは尊敬できるところがなかったのも事実だが、もう何も言うまい。

給付金受領

4月に申請していた給付金がお上より振り込まれたので、さっそくニール・ゲイマンの「The Graveyard Book」(もちろんイラストがデイヴ・マッキーンのほう)とアラン・ムーアの「The League of Extraordinary Gentlemen: Century 1910 」をアマゾンに発注。他にもDVDとか買ってパーッと使っちゃっても良かったんだけど、週末に靴を買おうかと思ってたところなので残りはそちらにまわします。

あとアメリカで絶大な人気を誇るジョージ・フォアマン・グリルみたいな、肉や野菜を挟み込んで焼く電気グリルって日本では売ってないのか?ホットプレートとかワッフルメーカーではなくてさ。あれって便利そうなので買いたいんだが。

ちなみにこうした金をもらっても与党に投票する気は毛頭ないのであしからず。

Study Ballなる代物

勉強しようと思っていざ机に向かっても、集中できずについ席を立ってテレビとかを観てしまう子供たち(あとまあ自分自身)への対処として、Study Ballなる9.5キロの鉄球がついたタイマー付き足枷が発売されたそうな。いいのかこれ。急にトイレとかに行きたくなったらどうするんだ。

販売サイトではロックの緊急解除が可能であることと、セキュリティ的に4時間以上のタイマー設定はできないと書かれているけど、この場合のセキュリティというのは一体何を指してるんだろう。

しかし俺も学生時代に一日何時間も勉強をやらされた記憶があるけど、そうした勉強が社会人になってから役立ったことって殆どないよな、と実感せずにはいられないのです。