THE RETURN OF THE KING (何を偉そうに…)

とりあえず仕事と住む家が見つかったんで、ブログを再開しますです。更新してない間にでも1日に20件くらいヒットがあったようで、閲覧してくれた方・トラックバックを送ってくれた方、どうもありがとうございました。以前のように毎日更新はできないだろうけど、なるべく中身を新鮮に保ちたいと思う次第です。 しかしカナダから帰ってからもうすぐ4ヶ月になるけど、なんか就職活動にやたら時間がかかったなあ、という感じ。初の転職だし、映像業界という狭い分野での職探しだったので、容易ではないことは想像してたけど、それでも長かったと思う。この業界の会社ってオープンでは人材募集してないものの、人材紹介会社なんかには結構求人募集が来てるんだけど、その大半が「小売り業界でのマーケティング経験者希望」という、俺とはいまいち関連のない職種だったため、箸にも棒にもかからない毎日を過ごしていたわけです。でもさ、靴とか化粧品とか売ってた連中に映画やテレビ番組の売り方が分かるものでもないだろうと思うのだけど。そんなところまでハリウッドのマネしてどうすんだろう。

あといろんな人材紹介会社に赴いていったけど、ああいうところもピンからキリまであるもんですね。それなりに親身になって職を紹介してくれるところもあれば、偉そうなこと言ってるわりには何1つ職を紹介してこないとこもあるし。意外にもいちばんダメだったのが業界大手のリクルートエイブリックで、まず診断をするっていうから経歴書を送ったら、「ご経歴に沿うものがございませんでした」と言ってきたから、まあ特殊な業界だから仕方ないかな、と思ってたら後にグダグダと言い訳を書き連ねてて、「うちは即戦力になる人を探してますから…」といったことを書いてたから、即戦力にならなくて悪かったな、とムカついた次第です。しかも「うちで扱ってる情報は全体のほんの数パーセントでして…」みたいなことも書いてたけど、じゃああれだけ偉そうに宣伝してるのは何なの?と思ってしまうし、しまいには「求人紹介を希望の方はアンケートに返答ください…」なんて最後に書いてきてたけどさ、アンケートなんかよりも何倍も詳しい情報の載った経歴書を送ったってのに、あんたら何を基準にして求人紹介してるわけ?
就職については他にも言いたいことがあるけど、愚痴ばかり書いてても仕方ないのでやめます。

ちなみに就職中はホシガリマセンカツマデワ、ということで映画もDVDも鑑賞を自粛してました。海外に比べると日本の映画館の入場料が詐欺のように高く感じられるってのもあるけど。「宇宙戦争」なんかは早速DVD化されるそうで、こうなるともう劇場に行くのやめて、3ヶ月くらい待ってDVDを買った方がずっと得なんじゃないかと思ってしまう。ちなみに「ファンタスティック・フォー」は…見とくべきなのかなあ。あれって俺が読んで育ったFFとは別物のように思えるのですが。「シン・シティ」はヒットしてるようで、その一方で「銀河ヒッチハイク・ガイド」は誰も観てなさそう、というのは予想通りか。しかし韓流ブームがここまで長続きするとは思わなんだ。個人的にはまるで興味ない分野だけど、今じゃどこの会社もハリウッドより韓国作品、という風潮のようで。今年のハリウッド映画にろくなヒット作がない、というのも影響してるのだろうけど。

それでもってスランプ続きの劇場映画と、販売の伸び率が落ちてきたDVD市場というダブルパンチにあえいだメジャー・スタジオが次なる資金源として目を向けているのがオンラインでの映像送信で、これはここ数ヶ月の間にアメリカだけでなく日本でもいろんな会社が動きに動きまくっているという感じ。多くのスタジオが映画関連のドットコム会社を買収したり、楽天がTBSの株を取得したり。マイクロソフトも参入してくるというから、来年あたりは競争が本格的になるかなあ…と考えてたら、なんとアップルが今週からABCのテレビドラマの配信を始めてしまった。最初はミュージックビデオだけの販売かと思ってたけど、うまくピクサーとの契約をちらつかせて、ジョブスがディズニーに言い寄ったんだろうなあ。俺もそういった系統の会社に就職したのだけど、こんなに多くの会社が参入してる市場で生き延びれるのか実に不安なところです。ちなみになんかアメリカの会社はライブラリ、つまり過去の作品の権利確保に力を入れるのに対し、日本の会社は番組の制作能力に力を入れているような気がするんだけど、これって見当違いでしょうか。

まあそんなこんなで、映画や海外ドラマやアメコミの話などをダラダラと書き連ねていきたいと思うので、今後ともよろしくお願いします。

Ex- FBI official was ‘Deep Throat’

ニクソン大統領とウォーターゲート事件の関係をワシントン・ポスト紙がすっぱ抜くのに貢献した最重要人物であり、その正体が30年ものあいだ謎となっていた内部告発者「ディープ・スロート」の正体が突然公表されていたので仰天する。当時FBIのナンバー2であった人物、マーク・フェルトが自ら認めたとか。 ディープ・スロートの正体についてはブッシュ親父とかキッシンジャーとかも候補に挙がっていたわけだが、30年もの謎というと途中でいろいろ尾ヒレがついてきて、実際の話よりも大きなものに感じられてしまうわけで、それがいざ解明されてしまうと、どうしても肩すかしをくらったような気分になってしまう。「JFK狙撃の真犯人判明」とか「火星人発見」なんてことが将来あったとしても、実際は意外とショボく感じるのかもしれない。

彼はアメリカの歴史の中でも1度しかない「大統領の任期中の退任」の原因となった人物だが、ニュースを見る限りでは「国のヒーロー」的な見方をされているようだ。これが日本だったらどう扱われるんだろう。「反日分子」とか?

「KINSEY」鑑賞

約1万8000人もの男女にセックスについてインタビューして性科学の分野の地平を開き、1960年代のいわゆるセックス革命のきっかけをつくったアルフレッド・キンゼイ博士の伝記映画「KINSEY」こと「愛についてのキンゼイ・レポート」をDVDで観る。邦題は大ウソなので、デートムービーと勘違いして恋人と観に行ったりすると非常に気まずくなると思うのでご注意を。日本ではボカシかけるのか? 1894年に生まれ、厳格なキリスト教徒である父親のもとで育ったキンゼイは、野生動物の生態に興味を抱き、やがてタマバチの研究で名を馳せるようになる。しかし結婚したときに妻とのセックスに失敗したこと(両者とも初だったのだ)などをきっかけに性科学に興味を抱くようになり、アメリカで一般的に考えられている「普通で正しいセックス」と実際に人々が抱いている性的嗜好がいかに大きくかけ離れているかをまとめた通称「キンゼイ・レポート」はアメリカ社会に大きな衝撃を与える。しかし彼の研究は議論の的となり、彼は保守系グループからの激しい批判にされされるのだった…というのが大まかなストーリー。

個人的にはこの映画が公開されるまでキンゼイ博士のことをまったく知らなかったのだけど、強い信念を持って研究を達成しようとする彼の姿をリーアム・ニーソンが好演。最近では「お師匠様」の役ばかり演じてる感の強いニーソンだが、むしろ「マイケル・コリンズ」とか「シンドラーのリスト」みたいな、苦悩する男性の役のほうがこの人には似合ってると思う。そして彼の研究に困惑しながらも(そりゃそうだろう…)、彼を陰で支える妻を演じるローラ・リニーもいい感じ。他にもオリバー・プラットやディラン・ベイカー、ジョン・リスゴーにウィリアム・サドラーといった実に濃いオヤジたちが続出します。そしてキンゼイの弟子を演じるピーター・サースガードに至っては、文字通り体を張った怪演を見せつけてくれる。

監督と脚本は「ゴッド・アンド・モンスター」のビル・コンドン。あの映画と雰囲気はよく似ているけど、密室劇だった「ゴッド〜」に比べ、こちらの作品はより幅の広いテーマを扱っている。文句があるとすれば、時間の都合のために、長年にわたるキンゼイの研究の光景をずいぶん省略したような感じがすることか。そのためキンゼイ博士が深い洞察力を持って入念に研究をした人なのか、むしろ猪突猛進的に進んでいった人のか、どうも分かりにくいところがあったかな。
あと題材が題材だけに、「真面目なジョン・ウォーターズ映画」(そんなものがあればだが)のように見えてしまうシーンもあって、ついゲラゲラ笑ってしまうこともあった。これも監督の意図か?

性がずいぶん開放された現在においても「キンゼイ・レポート」は論議の対象になっており、この映画が公開されるにあたってキリスト教団体からクレームが来たらしい。それだけ性と文化のタブーは密接に繋がっていると言うことか。でも観る人全員にとって何かしらの関連性をもった作品なので、観て損はしないと思う。

ちなみに観たDVDは2枚組で特典が大量に付いていて、キンゼイの研究をもとにしたテストなんてものも含まれている。それによると俺は「あんまり性的に興奮せず、(妊娠や性病とかの)リスクを考えてしまうと萎えるタイプ」だそうだけど、本当なんでしょうか。

更新停止の予告

カナダで映画ばっかり観てのんびり暮らしてるのはいいんだけれども、いずれは日本に帰ってサラリーマン暮らしを再開せねばなるまい、ということで来月の23日に帰国のフライトを予約しました。 帰国したら職探しやら部屋探しなどで相当ゴタゴタすると思うので、当ブログは不特定期間停止することになるでしょう。実家暮らしではロクにネットに接続できない環境になると思うので、当ブログに対するコメント等ありましたら、今のうちに書いておいてくださいませ。

トロントにいられるのもあと1ヵ月か…。

フライシャー版「スーパーマン」鑑賞

アメコミ・アニメの金字塔として名高い、フライシャー・スタジオ製作のカートゥーン「スーパーマン」全17エピソードをDVDで観る。 これは1941年に製作された古典的シリーズであり、当時としては破格の1話あたり10万ドルという製作費をもって作られたエピソードの数々は、21世紀になってから観ても十分に面白い。公開時はテレビじゃなく劇場で放映したんじゃないかな?
1エピソード10分という短い時間ながら、「あれは鳥か?飛行機か?」というおなじみのフレーズから始まり、最後に「スーパーマン、悪人を逮捕する」といった新聞記事の見出しで終わるまでがスリルとアクションに満ちていて楽しい。マッド・サイエンティストやハイテク強盗団、あるいは自然災害といった様々な脅威にさらされる人々を見て、「これはスーパーマンの出番だな」という決めゼリフとともにスーパーマンに着替えるクラーク・ケントや、特ダネを追うためにいつも危険にさらされるロイス・レーンなどの描写も非常にいい感じ。戦時中に作られた作品ということで、丸メガネに出っ歯の日本人が悪役として登場するのはご愛嬌。

アニメーションの出来も60年以上も前に作られたとは思えないほど滑らかで、口しか動かないような日本の紙芝居アニメとは大違いだ。最近では3次元アニメが主流になってしまって、天下のディズニーも2次元アニメ映画の製作をとりやめたようだけど、人間の微妙な表情なんかは2次元アニメのほうがまだまだ優れてると思うんだよなあ。人物の影を効果的に使ったショットとか、黒煙を吐く船の煙突が火山にオーバーラップする場面転換のシーンなんかはとても斬新に感じられる。あと宮崎駿が「ラピュタ」とかに転用した飛行ロボットをはじめ、メカのデザインがずいぶんカッコいいのもこの作品の特徴か。

せっかくのDVDとはいえ何の特典も付いておらず、映像や音声のクオリティもあまりよくないのは残念だが、歴史的にとても貴重な作品だろう。