NY滞在記 その1

朝っぱらからトロントを出て一路ニューヨークへ。列車はそんなに広くないが、まあいい。
2時間ほどしてアメリカ国境を越えたところで(ナイアガラの滝なんぞはまるで見えず)入国管理局の連中がドカドカ乗り込んできて入国審査を受けさせられる。俺のパスポートを見た若造はワーキングホリデーについて何も知らないらしく、俺が失業中の外国人だと知るや必死に列車から追い出そうとしてモメる。一応そいつの上司が出てきて治まったものの、「何で仕事してないんだ」とその上司にも怒鳴られる。失業中で悪かったな。クソッ。 そのあと列車は延々と遅れて2時間遅れでニューヨークに到着。14時間以上列車に乗ってた計算になるか。幸運にも座席に電源プラグが付いてたので、PowerBookを接続してリッピングしといたDVDを見る。おかげで「ARRESTED DEVELOPMENT」シーズン1を殆ど観てしまった。しかもこれだけ遅れてんのに、車掌なんかはひと言も謝らないでやんの。クソッ。

結局ホステルにチェックインしたのは真夜中すぎ。疲れてたんですぐ寝る。

更新休止のお知らせ

明日(5/12)より一週間ほどニューヨークに旅行に行ってくるので、更新を休みます。 一応PowerBookを持っていくものの、ホステルにホットスポットがあるか不明です。更新できそうだったらやります。

とりあえず新築MOMAに行って、あとはブラブラしてきます。
「SPAMALOT」観に行きたいけど、チケット手に入るのかね?

誕生日です

ダラダラと生きてきたら31歳の誕生日を迎えてしまった。
自分が30代であるということを1年かけてやっと自覚したような気がする。
今年は海外にいることもあり、とりあえず1人で誕生日を迎えてます。
毎年そうだけど。 まあ普通に生きてれば年はとるもんだし、31になったからって物事が大きく変わるもんでもないか。
幸か不幸か、結婚願望やマイホーム願望なんてのは全然ないので、自分にとって楽しいことやってればそれでいいかな、と思います。

ただカナダでのんびり暮らして、映画を観にいったり、家でDVDを観てんのはそれなりに楽しいのだけど、このまま長居するわけにもいかないので、来月にでも日本へ帰国する予定です。

よって何かいい仕事を知ってる人がいたら、非公開でコメント欄に書いておいてくださいませ。自分は一応映像/放送業界の出身で、権利交渉・営業・制作の一通りの知識はあります。
人に言わせると協調性に欠ける性格だそうです。

「FREAKONOMICS」と大相撲

「麻薬の売人は大金を得てるはずなのに、なぜ親と一緒の家に住んでいるのか?」とか「水泳プールと銃はどちらが危険か?」といった日常の素朴な(?)疑問を斬新な視点から解説し、その裏にひそむ社会性や経済力の意外な真実を解説して話題になっている本「FREAKONOMICS」を書店でパラパラ読む。 「犯罪率が減ったのは胎児中絶が認可されたからではないか?」という部分がアメリカで論争を呼び(ろくでもない環境で育つ子供が減った、という論旨らしい)、これを書いてる段階ではアマゾンで売上第3位のベストセラーになってる本だが、第1章の題が「学校教師と相撲力士の共通点は何か?」だったのには驚いた。

これはつまり「教師は自分のクラスが落ちこぼれの集まりだと思われたくないので、ズルしてテストの点数を水増しする。そして勝ち越しのかかった力士は、相手の力士とズルをして八百長勝負で勝たせてもらう。つまり教師も力士も、自分の利益に関わるところでズルをしてるのである」ということらしい。きちんと読んでないので賛成も反論もできないが、作者は千秋楽で7-7、つまりあと一勝で勝ち越しの力士が実際に勝つ確立が異様に高い(特に人気のある力士)というデータを挙げ、大相撲には八百長があるんじゃないかと書いている。

大相撲の八百長疑惑は今に始まったことじゃないが、アメリカでベストセラーになってる本にこんなことが書いてあるとは思わなんだ。個人的に相撲は大好きだが、ただでさえ人気が低迷してるってのにこんなことを書かれたんじゃ、外国人の観客も減ってしまうんじゃないか?

「月世界の女」を観る

フリッツ・ラング監督のサイレント映画「月世界の女」をDVDで鑑賞する。以前に六本木の俳優座で上映してたのを観そびれたので。

このブログで映画について偉そうなことをいろいろ書きこんでるわけだが、俺が今まで観た映画のなかでナンバー1の作品は、実はラングの「メトロポリス」だったりする。色や音がなくても壮大なスケールの物語を見事に描ききったたあの映画はまさしく「失われた芸術」であり、現在の製作者がどんなに金をつぎ込もうともあの雰囲気をだすことは不可能だと思うのだけど、どうだろう。サイレント映画はセリフがない(もしくは少ない)ぶん、内容を頭の中で勝手に補完できるところが魅力ですね。

でも本作は3時間近くあるので(完全版?)、途中でずいぶんダラけるところがあったのは否めない。月ロケットが発射されるまで、1時間半も悪役との押し問答が続くのは何なんだ?
そして内容そのものは意外なくらいにハードSFしている。メリエスの「月世界旅行」みたいなファンタジーかなと思っていたら、ロケットの打ち上げや無重力状態などが(1920年代年当時としては)綿密に描写されているのが興味深い。ちなみにロケットの打ち上げにカウントダウンを用いたのはこの映画が初めてだとか。まあ月面に空気があるのはご愛嬌ということで。
あと当時の作品にしては珍しく(サイレント映画の女性ってみんな美人じゃありません?)ヒロインがあまり魅力的ではないような気がしたけど、ラストにはちょっと感動した。

「メトロポリス」だけでなく「M」や「ニーベルンゲン」といったラングの他の作品に比べれば明らかに劣る映画だけど、当時の科学観などが分かって面白い。一見の価値はある映画かと。