「THE COLBERT REPORT」 放送開始

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コメディ・セントラルの看板番組「THE DAILY SHOW WITH JON STEWART」(日本じゃCNNでやってんだって??)のスピンオフ番組「THE COLBERT REPORT」がこないだ始まった。番組のホストは「デイリーショー」の人気特派員の一人だったスティーブン・コルベアー。「COLBERT」を「コルベアー」と発音するのにひっかけて、番組名も「コルベアー・レポー」と発音するのが正しいんだとか。 基本的な内容は「デイリーショー」と同じで、政治風刺が主体の構成なんだけど、「デイリーショー」ではジョン・スチュワートが地のままでリベラル寄りのホストをしているのに対し、「レポー」ではコルベアーが「横柄で自己中心的な右寄りのホスト」というキャラクターを演じている点が大きく違う。どうもフォックス・ニュースの保守コメンタリー番組「オライリー・ファクター」なんかのパロディになっているらしいんだけど、幸か不幸かフォックス・ニュースはまともに観たことがないので分かりません。

番組の大まかな構成は、まず前半に「THE WORD」という、その日のキーワードを取り上げて論じるというセグメントがあって、後半は「デイリーショー」同様にいろんな分野からのゲストが登場してコルベアーと語る、というもの。「ゲストを常に論破する」というのがコルベアーの趣旨になっているため、度肝を抜くような質問を相手に投げかけてるのが面白い。普通なら怒りそうな質問を、ほとんどのゲストがうまく受け止めてるのを見ると、事前に何かしら打ち合わせをしてるのかな。

役になりきったコルベアーが右寄りのトンチンカンなコメントを発し続ける、というのが番組の基本的なスタイルであるため、その過激な発言に観客がちょっと驚いて、そのあとジョークだと理解して笑うことが多く、「デイリーショー」に比べると観客のレスポンスがいまいち悪い感じがする。あと特派員のレポートなどが多い「デイリーショー」に比べて「レポー」ではコルベアーが最初から最後まで喋りっぱなしなんだけど、ベテランのコメディアンにしては台詞の言い間違いが結構多いのが気になるかと。まあ始まったばかりの番組なので、徐々にこなれていくでしょう。

‘Star Trek’ Actor George Takei Comes Out

「スター・トレック」のヒカル・スールー操舵士ことジョージ・タケイがカミングアウトしたとか。なんかちょっと意外。 幼少時は日系人だということで差別されて戦中は強制収容所に入れられ、若者の頃はゲイに対する差別の脅威を感じながら育ったらしい。それでもって現在はオタクの崇拝の対象だったりする。波乱の人生だなあ。

iTMSでドラマを観る

こないだアップルがミュージック・ストアを介してテレビドラマの配信を始めたので、とりあえず「Desperate Housewives」の1エピソードをダウンロードして鑑賞してみる。 ファイルのサイズは200メガバイトほど。楽曲に比べれば当然ダウンロードに時間がかかるものの、ADSLではそんなに長く感じられるほどではなかった。画面のサイズは320X240で、コーデックはMPEG4で24fps。アップルご自慢のH.264を使ってないのは、意図的に画質をダウンさせているような気がする。デフォルトのサイズ(iPod Video向け)で観る分には非常にきれいなんだけど、それじゃ小さすぎるから12インチPowerBookでフルスクリーンにしてみると、やはり画質の荒さが目についてしまう。どうも中途半端なクオリティのような気がするけど、画質にはこだわらないから、とりあえず観れればいいや、という人向けの設定なのかもしれない。

ちなみに値段は1エピソードが1.99ドルだけど、23エピソード入ったDVDのボックスセットがアマゾンでは39ドルで販売されているわけで、値段の面では実はDVDを買った方がずっと得だったりする。特典映像もあるし。でもこれってiTMSが登場したときにも指摘されたことであって(曲をダウンロードするよかCDを買った方が得じゃん、というやつ)、それでもiTMSが大成功したことを考えると、やはり今後は映像配信ビジネスが伸びてくるんだろうなあ、と思わずにはいられないのです。

「HARVEY BIRDMAN, ATTORNEY AT LAW」

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カートゥーン・ネットワークの15分アニメ「HARVEY BIRDMAN, ATTORNEY AT LAW」のシーズン1をDVDで観る。 数年前にカートゥーン・ネットワークは深夜帯に日本のアニメや「フューチャラマ」や「FAMILY GUY」といった他局のアニメ、およびオリジナルのアニメで編成された「ADULT SWIM」という大人向け(エロに非ず)の番組枠を設けてみたわけだが、これが大ヒットしてジェイ・レノやデビッド・レターマンのトークショーに匹敵するくらいの視聴率を稼ぎだし、ちょっとした社会現象になってしまった。

「HARVEY BIRDMAN」はそのオリジナル・アニメの1つで、他にも「THE BRAK SHOW」「SPACE GHOST COAST TO COAST」「SEALAB 2021」などが製作されている。これらの作品の特徴はハンナ・バーベラの昔のマイナーなアニメを今風にアレンジして使っているところで、例えば「SEALAB 2021」は70年代のアニメ「SEALAB 2020」のパロディだし、「HARVEY BIRDMAN」も「BIRDMAN AND THE GALAXY TRIO」というアニメの主人公を流用しているが、内容とか設定はまったく別物。ヒーローだったはずの主人公ハーヴェイ・バードマンは現在なぜか法律事務所で弁護士として働いていて、才能はゼロに等しいものの、訴訟されたキャラクターたちのために裁判で熱弁をふるうのだった…というのが各エピソードの大まかなパターン。

とにかくギャグがシュール。ひたすらシュール。突然キャラクターが踊りだしたり、ビルから落ちたりするし、ストーリーと何の脈絡もなくピエロが現れて風船人形を作ってそのまま消えたりする。よく考えて作ってんだかどうか実に分からないアニメなのだ。しかもバードマンのところにやってくる顧客はハンナ・バーベラ作品の常連たちで、みんな変にパロディ化されているのが最高に笑える。例えばフレッド・フリントストーンはマフィアのボスだし、シャギーとスクービーはマリファナ所持の疑いで逮捕されるし、スーパーフレンズのアパッチ・チーフは熱いコーヒーを股間にこぼして「巨大化できなくなった!」と駆け込んでくるし…。日本でもCMとか同人誌なら「グレたタラちゃん」とか「風俗にハマったのび太」くらいのパロディはありそうだけど、実際にシリーズ化してしまうところがすごい。よくハンナ・バーベラも許可したよなあ。ちなみにあるエピソードに「SHOYU WEENIES」という日本人のポップグループが登場して、ちゃんと(カタコトの)日本語で吹替えがされてるんだけど、これって何か元ネタはあるんでしょうか。

よっぽど予算が少ないのか、アニメのクオリティはとってもショボいのだけど、逆にそのチープさが話の内容とマッチして、実に何ともいえない雰囲気を醸し出している。そうかと思えば突然実写になって着ぐるみのバードマンが登場したりと、変なところで凝ってるのもナイス。「ADULT SWIM」の視聴者はラリッた学生が大半だという話を聞いたことがあるけど、確かにビール片手に何も考えずにダラーッと見るのには最適な、脱力感に溢れた怪作になっている。

あと「ADULT SWIM」のオリジナル・アニメには、ミートボールとミルクシェイクとフレンチフライが主人公の「AQUA TEEN HUNGER FORCE」があるけど、これはあまりにも内容がシュールすぎてついてけませんでした。こんなのが大ヒットしてるっていうんだから、アメリカのアニメ事情は侮りがたい。

「THE DAILY SHOW with Jon Stewart」

通称「真実を伝えるウソのニュース番組」。コメディ専門チャンネルの「コメディ・セントラル」で放送されているニュース番組…ということはつまりコメディ番組なのだけど、最新のニュースを分かりやすく説明したうえで痛烈に風刺するスタイルが人気を呼び「普通のニュース局よりもためになる」とまで言われるようになった番組。以前はクレイグ・キルボーンが司会をキャスターを務めていたが、1999年にジョン・スチュワートに代わってから人気がグングン上がっていくようになった。 番組の形式はまず最新のニュースをスチュワートが伝えることから始まり、話題の政治家や芸能人のクリップに彼が絶妙なツッコミを入れて徹底的に風刺していく。また他局のニュース報道もよくコケにして、特に極右で知られるフォックス・ニュースなんかは格好のえじきにされているようだ。それから世界各地の“特派員”たち(本当はスタジオのブルースクリーンの前にいるだけ)とのやりとりが行われ、ここでも政治や芸能、宗教といった幅広いネタが風刺されていく。政治家のウソやメディアの偽善に鋭くツッコミながらジョークを入れるスタイルは、観てて爆笑するとともに胸をスカッとさせてくれる。真面目なニュース局と異なり、あくまでもコメディという立場をとっている「デイリーショー」のほうが、変に信用性とか確実性にこだわらずに事の真相を突くことができるというのはちょっと皮肉。

番組の後半にはゲストが登場してスチュワートと談話するのだけど、このゲストが実に多様で、ハリウッドの芸能人をはじめポール・クルーグマンのような学者やコリン・パウエル、ジョン・ケリー、はてはビル・クリントンといった政治家たちまでがやって来て興味深い話を聞かせてくれる。ここで感心するのは、元来コメディアンであるスチュワートがきちんと政治や経済情勢について下調べをしてきて、ゲストの専門的な話にもちゃんとついていっているところ。彼の明晰さはかなりのものがあり、特にCNNの討論番組に出演して司会者2人と真っ当に議論したことは語り草になっている。俗っぽいニュース番組でおざなりの司会をやってる日本の漫才師たちとはケタが違うのだよ。

番組では民主党も共和党も関係なくコケにするものの、そのスタイルは明らかにリベラル寄り。これは観客も同様で、ブッシュ批判のジョークが決まると大きな歓声を上げたりする。日本ではいまだに「電波の公共性」なんて唱えて放送内容の公平さを求める人がいるけど、放送局なんて結局は視聴者よりもスポンサーや政治家の顔色しかうかがってないんだから、むしろどの局も政治色・スポンサー色をハッキリと打ち出し、視聴者に腹の内を見せたほうがいいんじゃないでしょうか。まあアメリカでも地上波ネットワークでは報道の縛りがキツいのかもしれないが。

この番組の面白さをうまく文章で説明できなくて申し訳ないが、このサイトに過去のクリップがいろいろ置かれているので、興味があれば観てみてください。

ちなみにテーマ曲「火のついた犬(DOG ON FIRE)」はボブ・モールドが作曲で演奏がゼイ・マイト・ビー・ジャイアンツという、ちょっと意外な組み合わせによる軽快な曲になっている。