「THE AFFAIR」鑑賞


Showtimeの新作シリーズ。

ノアはニューヨークの公立学校の教師で、初めての小説を出版し第二作に取りかかろうとしていた。彼は妻と4人の子供を持ち、それなりに充実した生活を送っていたものの、子供たちにジャマされて妻とセックスできないことや、妻の裕福な両親に経済的に頼っていることなどに漠然とした不満を感じていた。そんな彼は夏の旅行で家族を連れて妻の実家のあるロングアイランドに行ったとき、カフェテリアのウエイトレスであるアリソンと出会う。遊び人の夫を持ち、子供を4年前に亡くしていたアリソンは日々のしがない生活に嫌気がさしていたが、ノアを一目見て惹かれるものを感じる。そして彼らはノアの妻の実家の近くで再び出会い、親密な関係になっていくのだが…というプロット。

題名のとおりノアとアリソンの不倫関係を軸にした内容だが、ストーリーの語り方が少し変わっていて、ノアとアリソンのそれぞれの観点から出来事が語られ、それでいて事実が微妙に食い違っていたりする(誰が最初に誘ったか、など)。しかも彼らは数年後に別々に、警察の尋問係らしき人物に物事の顛末を語っていることが示唆され(これっちょっと「トゥルー・ディテクティブ」に似ている)、いったい彼らの間に何が起きたのか?ということが徐々に明かされていくスタイルをとっている。決してサスペンスとかではないのだけど、単なるメロドラマにならずに面白い味付けをしているといえよう。

ノア役がドミニク・ウエストで、アリソン役がルース・ウィルソン。イギリス人の役者はここでも活躍してんなあ。ノアがやけにモテることが冒頭から描写されてるんだけど、ドミニク・ウエストってそういうタイプなのかなあ。「ザ・ワイヤー」のマクノルティもスケコマシだったし。ルース・ウィルソンは「刑事ジョン・ルーサー」のサイコなアリス役が強烈に印象に残ってるけど、こちらでは演技が控え目。でも子供の命日に墓前で泣きながら本を読んであげるあたり、やはりキリキリした感じが伝わって結構怖いです。あとはノアの妻をモーラ・ティアニーが演じて、アリソンの夫をジョシュア・ジャクソンが演じているなどキャストは比較的豪華。あとノアの妻の父親を「ザ・ワイヤー」のロールズ署長ことジョン・ドーマンが演じているのだが、こんなところで「ザ・ワイヤー」の犬猿コンビの復活が拝めるとは思ってもいなかったよ。いちおう仲のいい義理の親子を演じているのだけど、「ザ・ワイヤー」での2人の役を知ってるとちょっとドキドキしてしまった。

海外ではかなり高い評価を得ているようだけど、そのストーリーの語り方の特異性もあり、もうちょっと話が進まないとどういう番組になるかが全く分からんな。でも手堅く作られた作品だと思う。

「THE FLASH」鑑賞


今期のアメコミ原作の新シリーズ第2作目。放送局はThe CW。

原作のライターを長年務めたジェフ・ジョンズが脚本に関わっていることもあり、第1話は手堅いオリジン話になっている。主人公の母親がリバース・フラッシュに殺されたという設定って、ジョンズが考案したものだっけ?主人公が雷にうたれて薬品棚に突っ込んだことで驚異的なスピードを身につける設定は原作と同じだが、そもそもその雷はS.T.A.R.ラボの実験が暴走して生じたものであり、主人公以外にもメタヒューマンを多数生み出すことになった、という話になっている。第1話の悪役はウェザー・ウィザードでした。

主役のバリー・アレンを演じるのは「glee」のグラント・ガスティン。妻殺しの疑惑で投獄されている彼の父親を、90年代のシリーズでザ・フラッシュを演じたジョン・ウェズリー・シップが演じるという粋なキャスティングもされてます。The CWの番組ということもあり主人公の年齢が少し若めに設定されていて、彼の父親代わりの刑事を演じるのがジェシー・L・マーティン。彼のシーンだけどうしても「ロー&オーダー」っぽくなるのはご愛嬌。彼の娘がアイリス・ウエストで、よって原作と違って黒人の設定になっている。あとS.T.A.R.ラボの実験を企画した博士の役をトム・カヴァナーが演じてるのだけど、彼っていままでニコニコ笑ってる役が多かったので、シリアスな役はちょっと向いてないかも。

「アロー」の主人公がお約束といった感じでちょっと登場したり、コミックの(必ずしもフラッシュとは関係ない)キャラクターがあちこちに出演してたりと、かなりコミックを意識した内容になっていくのかな?まあ「アロー」よりもSFっぽいキャラクターが出しやすいということかな。ファイアーストームなんかも登場するらしいぞ。

「とにかく速く走れる主人公」というネタでどこまで話を引っ張れるか分からないけど、次も観たくなるような出来であった。でもフラッシュが走るたびに周りの車のガラスが割れてるので、街の住人にとっては迷惑なヒーローだと思う。

知られざるアメコミ原作のTVシリーズたち

この秋は「コンスタンティン」「ザ・フラッシュ」「ゴッサム」「iZombie」といったアメコミが原作のTVシリーズが次々と放送開始されて、既に放送中の「アロー」や「エージェント・オブ・シールド」といった作品に加わることになる。さらには「スーパーガール」や「プリーチャー」などのTVシリーズ化も予定されているわけで、アメコミファンにとっては面白い時代ではあるのですが、コミックがTVシリーズになった例って過去にも沢山あるわけで、そのすべてが成功したわけではないんだよな。というわけで過去に放送されたものの(たぶん)よく知られてないアメコミ原作のTVシリーズをいくつか挙げてみる:

「THE TICK」
これはよく知られているほう。ベン・エドランドのコミックが原作のコメディで、アニメ版もあったな。アマゾンが復活させようとしてるなんて話も最近ありましたね。


「BIRDS OF PREY」
DCコミックスのTVシリーズの黒歴史的な作品。バットマンが去ったあとのゴッサムシティを護ることになった女の子ヒーローたちの物語なのだが、速攻で打ち切られていた。


「SABLE」
マイク・グレルの「John Sable Freelance」が原作。絵本作家のヒットマンの話だっけ?7話しか製作されなかったが、レネ・ルッソが出ている。


「NIGHT MAN」
マリブ・コミックスの同名コミックが原作。シンジケーション番組(日本のローカル局番組みたいなもの)なので全体的にチープだな。しかし44話も製作されたのか!


「HARSH REALM」
これ日本でもVHS出てたね。J.D.ハドナルの同名コミックが原作だが、仮想現実が舞台であることを除けば内容は別物だったとか?しかしきちんとしたクレジットが与えられてないとかでハドナルはフォックスを訴えてましたね。そこそこ面白い作品だったので短命に終ったのが残念。

あとはマーベルの「ジェネレーションX」などもあったけど、あれはTVムービーだけで終ったんだっけ?とまあこのように長続きしなかったTVシリーズも過去にはたくさんあるのだけど、今度の新シリーズには健闘を期待したいところです。

「TRANSPARENT」鑑賞


なんかハズレが多い米アマゾンのオリジナルシリーズのなかで、唯一高い評価を得ている作品。

ロサンゼルスに住むサラとアリとジョッシュの3人の兄弟はそれぞれの家族や仕事に没頭していたが、離婚してから一人暮らしをしている父親のモートにある日突然呼び出される。ガンの告知でもされるのかと心配して実家に戻った3人だったが、モートが話したことは他愛のない話だけで、彼女たちは安心して家に帰る。しかしモートは実はトランスジェンダーの男性であり、自分が女性として生きていくことを3人に伝えようとしたのだった…というようなプロット。

30分番組でコメディ扱いされてはいるものの、内容はかなりダウナー系の家族ドラマであった。トランスジェンダーである父親に加えて、3人の子供たちもみな複雑なセクシュアリティを抱えていることが示唆され(長女が元レズビアンとか)、そこらへんがいろいろ絡み合ってくるのだろうけど、第1話を観た限りではずべてが消化不良という感じであった。見せ場になるかと思った父親のカミングアウトのシーンさえもないのだもの(子供たちに告白することができず、最後に長女にバレる)。でも全体的に高い評価を得ているようなので、今後の展開は面白くなるのかな…?

モートを演じるのは「アレステッド・ディベロップメント」のジェフリー・タンバー。齢70にして女装して頑張ってます。あとは知った顔だとジェイ・デュプラスなんかが出ている。露骨に裸が出たりするので、もし日本で放送されるとしても修正が必用になるだろうな。アマゾンのオリジナルシリーズは概してアダルトな内容のものが多い気がするのだけど、地上波局の番組との差別化を意識的に狙ってるのかな?

もしかしたらネットフリックスの番組に対抗して、何かしらの賞を受賞しそうなくらい高い評価を得ている作品なのだが、内容が暗すぎて個人的にはあまりピンときませんでした。

「GOTHAM」鑑賞


フォックスの新シリーズで、「バットマン」のゴッサムシティを舞台にした前日譚的な作品。

バットマンことブルース・ウェインの両親が射殺されるシーンから始まるものの、いわゆるオリジンものではなく、若き日のブルースのまわりの人物たちを描いた犯罪ドラマになっている。主人公はまだ若手刑事であるジェームズ・ゴードン(ヒゲなし)で、彼の相棒がハーヴェイ・ブロック。他にもセリーナ・カイル(後のキャットウーマン)とかオズワルド・コブルポット(ペンギン)とかエドワード・二グマ(リドラー)とか、コミックの登場人物の若かりしバージョンがいろいろ出てきます。普通に計算するとバットマンのヴィランはみんな彼より10歳から20歳くらい年上なのか、ということになるけどそこにツッコむのは野暮でしょう。

コミックを知ってるといろいろニヤリとさせられるキャラクターが出てくるわけだが、知らなくてもそれなりに楽しめる内容になってるんじゃないかな?汚職がはびこる街のなかで、孤軍奮闘するゴードンを主人公にした刑事ドラマとして観ることもできるかと。あとは各キャラクターがゴードンにどう絡んでくるかだな。正直なところブルース・ウェインは当分登場しない方が面白くなるかもしれない。

第1話の監督はスタローン版「ジャッジ・ドレッド」のダニー・キャノン。ゴードン役を演じるのがベンジャミン・マッケンジーで、ブロック役がドーナル・ローグ。ブルースの執事アルフレッドをショーン・パートウィーが演じてるのだが粗野なコックニー親父という性格になっていて、彼がいちばん原作と違うかも。あと番組のオリジナルキャラとしてフィッシュ・ムーニーという暗黒街のマダムをジャダ・ピンケット・スミスが演じていて、彼女がかなり重要なキャラクターになってくるのかな?

これからもサラ・エッセンとかハーヴィー・デントといったキャラクターも登場してくるらしいが、どのくらい原作に沿った形になるのだろう。別にコミックや映画とリンクしてるわけでもないし、好き勝手やっても構わないと思うけどね。レネー・モントーヤとかクリスプス・アレンも登場してるので、いっそザ・クエスチョンとかスペクターとかも出して何でもありな展開にしてくれると面白そうなのだが。