「PERSONS UNKNOWN」鑑賞

NBCの新作シリーズで、主人公たちが意味不明の状況におかれて、ゆっくりゆっくり謎が明かされて行くという、いわゆる「LOST」的な作品。数年前はこうした「LOST」をパクった番組が山ほど作られてたんだけど、ことごとく失敗して、昨年の「フラッシュフォワード」も撃沈したから、もはやサマーシーズンにこういう番組は追いやられるようになったんだろうか(尤も今秋には「THE EVENT」というのが来るみたいだけど)。

話の主人公となるのは、アメリカ各地から何者かによって誘拐されてきた6人の男女。彼らは古風なホテルのなかで目を覚まし、外に出てみるとそこは閑散とした小さな町だった。しかも彼らは足に何かのデバイスを埋め込まれ、町から出ることができないようにされていたのだ。そして彼らの行動はすべて監視カメラによってモニターされていた。彼らをここに連れてきたのは何者か?そしてその目的は?…というのが大まかなプロット。

いかにもセットであることが分かる町のなかで主人公たちがウロウロするだけの話なので、安く作られたんだろうなあ…というのが第一印象。「ユージュアル・サスペクツ」の脚本家であるクリストファー・マッカリーが企画した番組らしいが、あの映画並みのクオリティを期待してはいけません。舞台が小さな町、という点では「プリズナー」にちょっと似てるかな。あと町にはいちおう住人がいるんだが、主人公たちにご飯をふるまうのが何故か中国人の集団で、「英語を話さない不気味な奴ら」として描かれているのが不快。これが黒人とかヒスパニックの集団だったら放送できてなかったと思うよ。

もとから13話しか作られない予定らしく、その点では「ハーパーズ・アイランド」みたいなミニシリーズ的な扱いになるのかね。あれよりかは謎の盛り上げ方とかも巧いし、ずっと面白いとは思うけど、次も観たいという気にはならなかったな。ウィキペディアであらすじだけ追ってればいいや、という感じの作品だった。

「HOT IN CLEVELAND」鑑賞

俺はよく知らなかったんだけど、アメリカにベティ・ホワイトという88歳(!)になる大ベテランのコメディエンヌがおりまして、最近でもSNLの史上最高齢のホストを務めたり、「デイリーショー」に出演したりと精力的に活動している人なのですよ。そんな彼女がレギュラー出演することになった新シットコム。放送局はTV LAND…ってどこだそれ。なんか過去のシットコムを専門に流してるケーブル局らしい。

話の主人公となるのは売れない女優、離婚した作家、眉毛専門の美容師という40〜50代のオバさん3人組。憂さ晴らしにパリに行こうとした彼女たちは飛行機のトラブルでクリーブランドに到着し、そこで一夜を過ごすことに。そしたらそこは男性たちがみんな優しくて彼女たちのような中年にも色目を使ってくれるうえ、物価も安くてメシもうまいという最高の場所でした。すっかりクリーブランドが気に入った彼女たちはしばらく滞在しようと家を借りるものの、そこにはちょっとおかしな老婆(これがホワイト)が住んでいて…というような内容。

本国での評判は良くないみたいだけど、俺はけっこう楽しめたよ。ジョークのキレもいいし、80年代のシットコムの再放送と言われても十分通じるようなレトロさが逆に斬新に感じられたというか。若者のドタバタが中心の最近のシットコムと違い、主人公たちが年増だというのもいいんじゃないかと。雰囲気的には「フレイジャー」に似てたかな。ジェーン・リーヴスも出てるし。しかしクリーブランドって本当にこんないいところなのか?

俺もこのまま年とって、ティーンよりもオバさんの出てくる番組にどんどん共感してくようになってくのかな…。

「WARREN THE APE」鑑賞

MTVの新作シリーズ。結構前にフォックス(とIFC)でやってたコメディ「グレッグ・ザ・バニー」のスピンオフだそうな。

内容的には「グレッグ〜」と同じで、パペットたちと人間が普通に共存してる世界を舞台に、売れない俳優である猿人形のウォーレンのドタバタを描いたもの。演出とかは意外と手堅いんだが、「可愛いけど口の悪いパペット」とか「自分の才能のなさに気付いてない俳優」なんてネタはもう使い古されてるのよ。あとドキュメンタリー風の手ぶれカメラによるスタイルで撮影されてるけど、これって最近みんながやってるからいいかげん飽きてきたな。「グレッグ〜」にはセス・グリーンやユージン・レヴィといった役者が出てたのが取り柄だったが、こちらはせいぜい「GLEE」の新聞記者君くらいしか知ってる顔が出てないのもどうかと。

でもまあ何も考えずにダラッと観ることができる内容ではあるので、このほうが「The Hard Times of RJ Berger」よりもMTVの視聴者には向いてるのかも知れない。

「PRETTY LITTLE LIARS」鑑賞

LAのあちこちで宣伝をしていた夏の新作ドラマ。AMCの作品かと思ったらABCファミリーのシリーズだったんですね。

舞台となるのは片田舎の小さな町ローズウッド。そこでは主人公のアリアを含む5人の少女たちが友達付き合いをしていたが、仲間のなかでもリーダー格だったアリソンがある晩に失踪するという事件が起きる。それから1年たち、海外に行っていたアリアがローズウッドに戻ってきたところから話は始まる。アリソンの失踪のショックが癒えぬまま、普通の暮らしをしようとするアリアたちだったが、彼女ら4人は人に言えない秘密をそれぞれ抱えていた。そしてその秘密に関するメッセージが「A」という人物から彼女たちに届けられるようになる。その秘密を知っているのはアリソンだけだった。果たして「A」はアリソンなのか?そんな矢先、アリソンの遺体が発見されたというニュースが伝えられる…というような話。

ライトノベルが原作らしいんだけど、そもそもそのラノベはTVシリーズ化を念頭に書かれたものらしくて、明らかに「デスパレートな妻たち」とか「ゴシップ・ガール」とかを意識したような内容になっている。カメラワークとかはしっかりしているし、ちゃんとした演出があれば手堅いミステリータッチの作品になったかもしれないが、バーでねんごろな仲になった男が自分の学校の先生だったとか、ビッチな姉の恋人に横恋慕する妹といったクリーシェが満載になっていて、ありきたりなティーン作品になっているのが残念なところ。役者の演技は下手だし、音楽の使い方は大げさだし、使われている歌も適当に流行ってるものを揃えただけという感じが強い。まあABCファミリーの視聴者層が求めている番組ってこの程度のものかもしれないが、もうちょっと工夫してもよかったんじゃないですかね。

それにしても登場人物がみんないい家住んでるんだよなあ。でっかいキッチンつきの。

「The Hard Times of RJ Berger」鑑賞

音楽と無縁になって久しいMTVによる新作ドラマ。MTVがリアリティーショーでなく脚本つきのドラマやるのって初めてだっけ?昔は「イーオン・フラックス」とか「THE MAXX」とかのアニメをよく観てたんだけどな。

主人公のRJ君はさえないオタクの高校生で、学校ではろくに彼女もできずジョックたちにいじめられる日々を送っていた。そんなある日、たまたま出場させられたバスケの試合でパンツがずり落ちてしまい、じつは彼は非常に大きなイチモツの持ち主であることが皆の前で明らかになってしまい…というような話。

こういう設定だと「ポーキーズ」みたいなお色気コメディとか、日本のエロマンガみたいな「全校の女をモノにしてやるぜ!」的な展開が期待できそうなものだけど、そんなことはなくて単なるオタクの高校生ドラマになっている点がものすごく物足りない。「高慢と偏見とゾンビ」の作家が脚本を書いてるようだけど、全然面白くないんですよ。出演者の演技は下手だし、主人公の友人が口の達者なデブというのも典型的すぎるし、日本人の生徒の描写も実にステレオタイプ的で不快。

せめて主人公がデカチンであることで校内のヒエラルキーが一変する、くらいの展開にしてくれないと作品として面白くならないんじゃないですかね。こういうの観るといかに「GLEE」が高校の日陰者たちを巧く描いてるかがよく分かるな。あと主人公がデカチンのドラマだったらHBOの「HUNG」のほうが良い出来なんじゃないでしょうか(未見だけど)。製作や監督をジェフリー・カッツェンバーグの息子が手がけてるので親のコネで少しは長続きするかもしれないが、とりあえず観る価値のない作品。

あとこれ観てていちばん不思議に思ったのが、いまのMTVを観てる人たちって何歳くらいなの?俺らくらいの年齢層がよくMTV世代と言われたものだけど、MTVで高校生ドラマを放送することって意味があるのかね?