ジャド・フェアー ライブ鑑賞

唯一無二のバンド、ハーフ・ジャパニーズの中心人物であるジャド・フェアーのライブを観てきた。渋谷に行くのなんて2年ぶりくらいだから、えらく道に迷ったぞ。

ジャドといえば黒髪のモジャモジャ頭と牛乳瓶メガネがトレードマークだったような気がするけど、今回はメガネなしで髪の毛が亜麻色になり、中年太りも少し入ってまるで別人のようだった。ステージに上がってきたときなんか、外人の前座バンドが登場したのかと思ったくらい。やがて喜々として歌いだす姿を見て、あれってもしかしてジャド?と分かった次第です。チンチクリンな体型だとも思ってたけど、実際は肩幅が広くて身長もそこそこあったかな。全体的に年とって垢抜けた感じがしてたみたい。

そしてハーフ・ジャパニーズが基本的にギター・バンドなのに対して、今回はブームボックス兼ダンサーの男性と、その細君らしきパワーブック使い(アダルト・ロデオというバンドの人たちらしい)を従えたトリオで、ジャドはボーカルのみという実に不思議な編成。それでハーフ・ジャパニーズやダニエル・ジョンストンの曲を歌ったり、客席に入ってアカペラで歌ったりと、文字通り歌って踊るライブだったのでした。最近のジャドはこの手の音楽に興味があったのか。例のチューニングをバラバラにして弾くギター演奏(彼はコードをまるで知らない)も1曲披露してくれたけどね。才能やテクニックとはまた別の次元において、実に楽しそうに歌うジャドの姿がよかったなあ。最後にはしっかりハイタッチしてもらって、Tシャツも買ってきました。

ちなみにライブの客層がずいぶん若かったような気がする。最近の若者もハーフ・ジャパニーズを聴いたりするのかな。

「フラッシュ・ゴードン(1954)」鑑賞


こないだの「MR.MOTO’S LAST WARNING」同様、トロントのウォルマートで1ドルで買った「フラッシュ・ゴードン」のDVDを観る。子供の頃イギリスで1930年代のシリアル(映画館で上映された連続シリーズ)をテレビで観たことがあるんだけど(モンゴ星でミン皇帝様と戦う、砂時計型の時限爆弾とかが出てくるやつ)、このDVDに収められてるのは1954年に製作されたTVシリーズのやつだった。

とりあえず最初のエピソードを観てみたら、公明正大すぎて面白みのない主人公フラッシュ・ゴードンをはじめ、すぐ窮地に陥るヒロインや何の研究をやってるんだかよく分からない博士、安っぽいマスクをかぶった悪党に、ただのハリボテみたいな「邪神の像」などなど、チープなSFドラマのステロタイプが次々と登場してきてお腹いっぱい。基本的に一話完結になってるみたいなので、クリフハンガーが毎回続いたシリアルに比べて緊張感がないのが欠点かな。

観てて別に面白くはないシリーズなんだけど、こうした作品がベースにあったからこそ「スタートレック」や「ギャラクティカ」といった傑作が後に生まれることになったのでしょう。たぶん。

キャラクター巡り村上隆さんとナルミヤ和解

相変わらず村上隆ってシケたことやってんなあと実感。

テメエだってアニメ・オタク文化の上澄みだけ掠りとった、オリジナリティのカケラもないゲージュツを海外で売って金儲けしてんのに、他人が自分のデザインをパクったと思うや法に訴えるんですかい。しかも勝訴して数千万もさらに儲けたってのがひどく癪だなあ。

こんな奴は、「シンプソンズ」の海賊版Tシャツを収集して喜んでいたマット・グレーニング大人の爪のアカでも飲んで死んでしまへ。

「BURDEN OF DREAMS」鑑賞

鬼才ヴェルナー・ヘルツォークの名作「フィッツカラルド」の悪夢のような製作過程を追ったドキュメンタリー「BURDEN OF DREAMS」のクライテリオン版DVDを観る。かつて南米のジャングルで「アギーレ 神の怒り」という大傑作(観ろ!)を撮るのに成功したヘルツォークだが、同じく南米の奥地を舞台に「フィッツカラルド」を作るのにあたり、さすがに今回は映画が完成できないかもしれないと危惧して、ドキュメンタリー作家のレス・ブランクに製作過程の一部始終を撮らせたのがこの作品になったらしい。

そんなヘルツォークの不安は現実のものとなり、アマゾンの先住民からの反発や天候の影響、備品の不足などによって製作はズルズルと延びていく。当初は主役を務めるはずだったジェイソン・ロバーツとミック・ジャガーが撮影途中で降板したり、蒸気船が浅瀬に座礁したために撮影が何ヶ月も遅れるなど、映画を作る者にとっては悪夢のような出来事が次々と続いていくわけだが、それでも淡々と(半ば放心状態で)自分のヴィジョンを語るヘルツォークの姿が印象に残る。ストーリーの山場となる蒸気船の峠越えにおいても鉄のフックがちぎれるといったトラブルが頻発するわけだが、先住民を大量動員して船を動かそうとするヘルツォークの姿が、そのまま劇中のフィツカラルドとダブっているのが興味深い。ちなみにヘルツォーク自身はフィッツカラルドと違って先住民を搾取するようなことはせず、自然と共に暮らす彼らの文化を賞賛し、それが西洋文化によって消えていっていることを嘆いている。そして結局映画が完成されるまでに4年かかったとか。

全体的に盛り上がりに欠けるのでドキュメンタリーとしては凡庸なんだけど、自然の極限の地において夢を追い求めるヘルツォークの姿には強く惹き込まれる。あとDVDの特典に収められている、スタッフに対して激しく怒り狂う一方で、チョウを肩に乗せて無邪気に笑うクラウス・キンスキーの映像がとても印象的だ。

J.J. Abrams To Direct New ‘Star Trek’ Film

「スタートレック」 の次の劇場作は「ロスト」や「エイリアス」のJJ・エイブラムスが監督で、カークやスポックの若かりし日々が描かれるんだそうな

はぁぁああぁぁんん。

「ロスト」も「エイリアス」もろくに観てないし、エイブラムスにも大して興味はないのですが(バーマン&ブラガよりはマシかな)、そもそも過去を舞台にした話をやってもつまらん、ということで「エンタープライズ」は打ち切られてんじゃなかったっけ。フランチャイズを存続させたい気持ちは分かるのですが、なんか迷走状態が続いているような感じ。

じゃあこれからのスタトレはどうすればいいのか、というのは正直言って自分も分からないのですが、一般のファンが熱意と情熱だけで「Star Wreck: In the Pirkinning」のような傑作を作れるようになってしまった現在、金儲けを目的にしたメジャースタジオからは、あまり面白そうな作品が生まれてきそうにないな、と思わずにはいられないのです。