「ザ・ブリッジ」鑑賞

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半月に1人が飛び降りるという世界有数の自殺の名所、ゴールデンゲート・ブリッジでの自殺者たちを追ったドキュメンタリー「ザ・ブリッジ」を観る。「AVクラブ」でのレビューを読んで結構期待してた作品なんだけど、実はあまり面白くなかった。

この作品は長期にわたる橋の撮影によって収められた複数の自殺の瞬間と、そうした自殺者の家族や友人たちのインタビューによって構成されている。これに加えて自殺を阻止した人の話や、橋から飛び込んで奇跡的に助かった人たちのインタビューもあるんだけど、結局のところなぜ彼らが自殺を試みることになったのかについては、何ら明確な答えが出ないままに作品は進行していく。飛び込んで生還した人にとっても、なぜ自分が橋から飛び降りたのかについて明確な説明ができないでいる。まあ当然といえば当然のことなんだろうけど、要するに答えのない問いかけがずっと続いているわけで、観ている側としては居心地が悪くなるのは確か。映像もインタビューの場面と自殺の瞬間が交差して映し出されるだけで、やや単調かも。自殺の場面は確かに衝撃的なんだが、観てて楽しいものでもないし。

ゴスの格好をして橋の上をうろついている人がいたら、とりあえず声をかけてあげましょうね、というのがこの映画からの教訓なんだろうか。うむ。

「リブート」再起動!

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パソコンの中の世界を舞台にした、カナダ製の大傑作CGアニメ「REBOOT」がDVDムービーとなってリメイクされるそうな。リメイクの度合いがどんなものになるか分からないけど、そもそも前回のシリーズって話が未完のまま終わってたんじゃなかったっけ…?

製作会社はレインメーカー・エンターテイメントというところで、何故メインフレーム社ではないのかと思ったらメインフレームはここに買収されたみたい。脚本にはファンが参加できる仕組みになるみたいだけど、とりあえずブレンダン・マッカーシー大先生には引き続きキャラクターデザインを担当して欲しいところです。

ちなみに「REBOOT」って日本では10年くらい前に3日間だけ深夜に放送されてたんだよね(しかも吹替版)。あれを観て俺はすぐファンになったんだけど、さすがにあの時間帯では反響が少なかったらしく、その後の放映がなかったのが残念。当時にしてはCGの出来が素晴らしいし、笑える小ネタが満載の素晴らしい番組だったのに。

「Justice League: New Frontier」近況

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ダーウィン・クックの素晴らしすぎる傑作コミック「DC: the New Frontier」のDVDアニメ「Justice League: New Frontier」の画像が公開されていた。こんど開催されるサンディエゴのコミコンではさらに最新の映像が公開される予定らしい。当然ながらブルース・ティムのタッチが強い絵柄になっているが、もともとティムとクックの画は似ているのでなかなかいい感じ。

そうなると肝心のストーリーはどうなるのか気になるところだが、このインタビューによると、やはりあれだけの分厚いコミックを70分の映画にするために多くの部分を削ることになったらしい。脚本の草稿ではワンダーウーマンもロイス・レーンも登場しなかったというんだから、その削除の度合いが伺える。ワンダーウーマンなんて準主役じゃん。ロイス・レーンも終盤のスーパーマンを想う姿とかがすごくいいのに。個人的要望としてはチャレンジャース・オブ・ジ・アンノウンは必ず登場させて欲しいところです。

ちなみに声優陣は「JLU」から一新されて、ワンダーウーマンにルーシー・ローレス、スーパーマンにカイル・マクラクラン(!)、ザ・フラッシュにニール・パトリック・ハリス、グリーン・ランタンにデビッド・ボレアナス、ロイス・レーンにブルック・シールズと、なかなか豪華な面子を揃えている。早く発売されないかな。

「マーク・トゥエインの大冒険/トム・ソーヤーとハックルベリーの不思議な旅」鑑賞

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カート・ヴォネガットの影響でマーク・トゥエインの本はよく読んでいたのですが、そのトウェイン自身を主人公にしたクレイメーション映画「マーク・トゥエインの大冒険/トム・ソーヤーとハックルベリーの不思議な旅」(1985)を観る。

これはクレイメーション(登録商標だったのか!)としては世界初の劇場長編で、トム・ソーヤーやハック・フィン、ベッキー・サッチャーといったおなじみのキャラクターたちがトゥエイン自身と奇抜な飛行船に乗り込み、ハレー彗星に向って旅をする…といったファンタジー風の作品になっている。旅の途中の小話として「その名も高きキャラヴェラス郡の飛び蛙」や「不思議な少年(第44号?)」、そして俺の大好きな「アダムとイブの日記」といったトゥエインの作品の物語が語られていく。「アダムとイブの日記」の最後の一文はいつ読んでも(聴いても)感動するなあ。俺の人生観に大きな影響を与えた「人間とは何か」も含まれてればなお良かったんだろうけど、あれはエッセイだからね。

クレイメーションの出来も優れており、細部の描写まで凝っていて観る人を飽きさせない。ただ「ウォレスとグルミット」とかに比べて人間の加尾の造形がリアルなので、ちょっと生々しすぎるところがあるかも。また「不思議な少年」のサタンの描写がグロテスクだということで欧米では問題になったらしい。Youtubeにおいては「放送禁止アニメ!」なんて紹介がされていたりする。

完璧ではないにしろ、野心的で面白い作品。ちなみにハック・フィンがトロい奴として描かれているのが気になるんだけど、奴ってもっとストリートワイズなキレ者じゃなかったっけ?

朝青龍は凶器を使え

いよいよ千秋楽。朝青龍と琴光喜の直接対決は済んでしまっているし、琴光喜の相手が稀勢の里ということを考えると優勝決定戦にもつれこむかどうかは微妙だが、ベビーフェイスの白鵬とヒールの朝青龍という対比がやはり面白いと思うので、ここは朝青龍に優勝決定戦でもヒールに徹してもらいたいところです。定番としては塩を使った目つぶしともいいが立ち会いの際にバレるかもしれないので、いっそマワシに隠したナイフで琴光喜の腹をズブリと…くらいのことをやってくれると面白そうではある。

これなら相撲を八百長呼ばわりする奴もいなくなりますぜ北の湖理事長(プロレスみたいだけど)。