「ウォッチメン」トレーラー


だからあの作品をアクション大作にしてどうするんだよ。まあトレーラーだから派手なシーンばかり集めてるんだろうけど。上の写真もそうだけど、相変わらずオズマンディアス(右端)が非常にカッコ悪いのが気がかりではある。ストーリーの最重要人物なのに。

ちなみにこの場を利用して「ウォッチメン」に対する俺の見解を述べさせてもらうと、念密に練られた物語を持った作品であり、アメコミの金字塔であることは間違いないものの、いかんせんボリュームがありすぎて頭でっかちになっている感があることは否めない。アラン・ムーアの作品だったら「V・フォー・ヴェンデッタ」のほうが話がストレートなぶん好きなんだよな。あとソ連のアフガン侵攻を背景にしているなど、今となってはやや時代遅れになったところもあるかな。

日本人のライターとかで「アメコミはウォッチメンさえカバーしてればOK!」みたいなことを書いてる奴をたまに見かけるけど、アメコミってそんな底の浅いものじゃねえよなあ。

「コルベア・レポー」にラッシュ登場

カナダの国民的ロックバンド、ラッシュが「コルベア・レポー」に登場したそうな。こないだもREMとかが出てたし、バンドがゲスト出演することは珍しくないのですが、驚いたのはラッシュがアメリカのテレビに出演するのは何と33年ぶりだということ。

33年前って俺が産まれて間もない頃じゃん。それまでに全米ツアーなどを何回もやってるわけで、なのにアメリカのテレビに出たことがないというのは凄いな。何か理由があるんだろうか。33年前にものすごい失態をやらかして今まで放送禁止になってたとか。ニール・パートのドラムセットを動かすのに33年かかったというオチだったりして。

ロックスターは高級料理の夢を見るか?

こないだ「ニューヨーク・ドール」を観たときからずっと頭に残ってるシーンが1つ。ドールズの再結成ライブのためにロンドンへ向かったアーサー・ケインが、ライブ前日のランチョン(昼食会)で出された料理を「今まで食べた料理のなかで最高にうまい」といって喜んで食べていたという場面。それなりに高級なホテルでのランチョンだったんだろうが、報道陣を含めた大勢の人々が出席し、バンドのお披露目も兼ねた騒々しい場でふるまわれる料理なんてたかが知れてるはず。それでも最高の料理だったと言うことは、ドールズでの現役時代も含めて今までよほどロクなものを食べてなかったんだろうなあ、と深い印象を受けた次第です。

これに関連して思い出したのが、日本でも知られたシェフ兼TVパーソナリティーのアンソニー・ボーデインが、昔ジョニー・サンダースにメシを奢っていたという話。非常に面白かった「AVクラブ」でのインタビューから引用すると:

AB:(…)俺らはライブのチケットとかがタダで欲しかったんで、ジョニー・サンダースをレストランに招いて食事を奢っていた。彼らはレストランではとても居心地悪そうにしてたね。いつもひどくビクついてたんだ。どのフォークを使えばいいのかとか、赤ワインと白ワインを両方飲んでいいのか、といったことにね。まあ18歳でヤク中だったらそんなもんだろう。俺も18のころはレストランのことなんて何も知らなかった。
(…)彼にはいろいろ用意してやった。フォーマルな、ロック流のタキシードで正装して彼は来店したんだ。教会のネズミのごとく静かでね。いろんなグラスや飲み物をどうすればいいのか分からなくて、ひどくオドオドした彼の姿は面白かった。

他愛もない話かと言えばまあそうなんだが、有名なロックスターだからって高級レストランでの食事に慣れているとも限らないわけで、食事に関するこういう話を聞くと、とても微笑ましい感じがせずにはいられないのです。

「Dr. Horrible’s Sing-A-Long Blog」鑑賞

「バフィ」も「エンジェル」も「ファイヤーフライ」もろくに観たことないけど、ストーリーを担当したコミック「Astonishing X-Men」の出来が良かったことなどもあって、ジョス・ウィードンはそれなりに好きなライターなのであります。

そんな彼が製作した短編映像「Dr. Horrible’s Sing-A-Long Blog」を観た。ニール・パトリック・ハリス演じる悪の科学者ドクター・ホリブルはその天才的な頭脳を使って銀行強盗を繰り返すような人物だが女の子にはオクテで、コインランドリーで見かけた女の子に惚れるもののうまく声をかけられないでいた。ある日彼は再び強盗を計画していたところ、ランドリーの女の子にバッタリ出会う。強盗を成功させ、女の子ともいい仲になろうとするドクター・ホリブルだが、そこに宿敵のヒーロー、キャプテン・ハマーが現れて…というのが第1回目のおはなし。全部で3話あるらしい。

まあ内容は他愛のないスーパーヒーローもののスプーフだが、「Sing-A-Long」というだけあってミュージカル仕立てになっているところがミソ。キャプテン・ハマーが参上するなり歌を歌ったりする。まあ「バフィ」でもミュージカル仕立てのエピソードがあったし、これは完全にウィードンの趣味だよな。

それなりに楽しめるけど、非常に面白いというわけでもない作品。公式サイトで無料で視聴可能ですので、興味ある人はどうぞ。

「スピリット」新トレーラー

おいおい、これは「スピリット」じゃないだろうよお。少なくともウィル・アイズナーのスピリットではない。確かにあのコミックにはファム・ファタールがいろいろ出てきたとはいえ主人公のスピリットは女たらしみたいな奴ではなかったし、ナチのコスプレをしたサミュエル・L・ジャクソンなんぞも出てこなかったぞ。

フランク・ミラーの暴走ぶりは本当に非道くなってしまったなあ。彼の師匠のニール・アダムスは電波な人(地球空洞説)になってコミック業界から殆ど引退してしまったけど、ミラーもなんかこのまま変な世界に逝って帰ってこれないような気がする。