
母方の実家である長野へ行ってきた。日帰りだったのでえらく疲れたぞ。
久しぶりに訪れると、子供の頃にはやたら大きく見えた家や湖がやたら小さく感じられることに驚いたことよ。

母方の実家である長野へ行ってきた。日帰りだったのでえらく疲れたぞ。
久しぶりに訪れると、子供の頃にはやたら大きく見えた家や湖がやたら小さく感じられることに驚いたことよ。

イギリスはITVのTVシリーズ「PRIMEVAL」の第1話をiTunesストア経由で鑑賞。本国ではこんど第3シーズンが作られるという人気番組らしいけど、まあ平凡な作品といった感じ。
イギリスの各地に異次元に通じる空間の歪みが発生し、そこから恐竜やら巨大生物が飛び出して人を襲うので、古生物学者のカッター教授率いるチームがそれを退治していく…というような設定の内容。一瞬「それって恐竜探検隊ボーンフリー?」と思ったけど、全体的な雰囲気は「トーチウッド」によく似ているかな。こっちはストレートの白人しか出てきませんが。
話の展開は先が読めるし、セリフも陳腐なのでドラマとして目新しさはなし。恐竜のCGは見事だけど所詮CGだというのはバレバレだし、そもそもロクな知性のない恐竜たちを相手にしても大して怖くないどころか、むしろ我々の次元にさまよい出たおかげで退治されてしまう恐竜には同情の念まで湧いてくる。
まあ第2話以降は面白くなるのかもしれないけど、「ドクター・フー」があるのならこっちは観なくてもいいでしょ、と思わずにはいられない作品。

サミュエル・ベケットが脚本を担当した唯一の映像作品「Film」(1965)を観た。その存在を知って以来ずっと観たいと思っていた作品だが、ついに目にすることができるとは。やはりインターネットで俺の人生は大きく変わったなあ。ここで観ることができるよ。
20分ほどのモノクロ映画で、音楽もセリフも一切なし。ベケットの話にあらすじなんて殆どないんだけど、黒づくめの男が通りを小走りで進み、立ってた人にぶつかるもそのまま進み、アパートに入って自分の部屋に戻ると、そこには犬や猫がいて…。といった感じ。まあ意味不明だわな。雰囲気的には「アンダルシアの犬」に通じるものがあるかな。主人公の男を演じるのは、なんとあのバスター・キートン。死ぬ1年前に68歳という老齢で出演したわけだが、冒頭の小走りのシーンとか犬と猫とのドタバタなんかは、往年の喜劇王としての貫禄を十分に感じさせてくれる。
特筆すべきはカメラワークで、最後のほうになるまで男の顔は映されず、後ろ姿しか観ることができない。男の後ろ姿を軸にしてまわるカメラの動きは、意外にも「GTA」のようなビデオゲームを彷彿とさせる。ときたま男の視点がとらえた映像が挿入されることや、男が「見られる」ことを徹底的に嫌っていること、カメラに意思があるような動きをすることなどから、「目」や「見ること」が重要なテーマであることは明らかなんだが、それ以上のことは俺には難解すぎて分からないのです。
意味不明なようで滑稽なところがあり、時にはちょっとゾッとさせてくれる非常に興味深い作品。ぜひご覧あれ。

観たよ。俺の愛する「オニオン」とはまったく別物の映画だと割り切って観れば、まあまあの作品といった感じ。
プロデューサーにZAZのデビッド・ザッカーがいることからも分かるように、風刺新聞というよりも「ケンタッキー・フライド・ムービー」のようなコメディ・スケッチ集のノリをもった映画になっている。各スケッチに出てくる人物が他のスケッチにもクロスオーバーして出てくるところなんかは、アルトマンの「ショート・カッツ」や「シンプソンズ」の「スプリングフィールドに関する22の短いフィルム」を連想させるかな。
いちおうプロットらしきものもあって、人気ニュース局「オニオン・ニュース」では「露骨に性的なティーン歌手」とか「アルツハイマー患者の行進」などといったシュールなニュースを流していたが、週末に公開されるスティーブ・・セガール主演の映画「コック・パンチャー」の宣伝が過剰に挿入されることにキャスターのノームは苛立ちを感じていた。重役にそのことを訴えるものの相手にされず、ついにノームの我慢は限界に達するが…。というもの。でもまあプロットなんて関係ない作品だけどね。
そもそも新聞版&ウェブ版の「オニオン」の魅力は「ヤンキーズ、呪いを避けるためにバーニー・ウィリアムズを埋める」などといった非常に鋭い時事ネタや風刺にあるはずなんだけど、今回のは映画という「作るのに時間がかかる媒体」であるがために、時事ネタがなくなって全体的にベタなジョークで埋め尽くされてしまったのは残念。「オニオン」をこの映画で判断してしまってはいけませんよ。このサイトにもリンクを貼ってあるので、本家の面白さをちゃんと理解するように。

かつて中島らもが希有のカルト作品であるかのように取り上げてた記憶があるが、グレゴリー・ペックとローレンス・オリヴィエという2大俳優の共演作というだけあって、すくなくとも欧米ではそれなりに知られた作品、のはず。
ナチス・ドイツの敗北後にブラジルで潜伏していた「死の天使」ことヨーゼフ・メンゲレによる、ヒットラーのクローンを世界各地で育てようとする計画と、それを暴こうとする老ナチ・ハンターを描いたストーリー。しかし演出がタルいうえにメンゲレが何をしたいのかが終盤までよく分からないうえ、メンゲレを演じるペックの演技は大げさすぎ。オリヴィエのナチ・ハンターもヨボヨボの老人でどうも頼りないし、正直なところ観てて面白い作品ではなかった。カルトというよりも単なるB級の映画。
もちろんヒットラーの生物学的なクローンを作っただけでは彼と同じ性格の人間が出来るわけではないから、なるべく彼のものと似た生活環境の家庭に送り込んで同じような人格形成を行うという設定がされており、おかげで小ヒットラーたちはみんな立派なクソガキに成長しているんだが、そんな簡単に同じ性格の人間って作れるのか?レゲエにはまって黒人と仲良くなるヒットラーとか、朝からビールばかり飲んでるホワイトトラッシュのヒットラーとかになるほうが確立は高いと思うんだが。
ちなみにこの映画が公開された時点では本物のメンゲレは存命だったそうな。つまり現代でいうとオサマ・ビン=ラディンがサダム・フセインのクローンを作ろうとする映画をビン=ラディンに無断で作っちゃったようなものか。こういう場合の肖像権とかってどうなるんだろう。