ターミネーターを買おう!

「ターミネーター」フランチャイズの映像化権を持っているハルシオン・カンパニーが、破産法申請をしたことで映像化権を売りに出すんだそうな。2007年にマリオ・カサールに大枚はたいて映像化権を買って、サエない映画を一本作ってすぐに売りに出すというのはね、もうヴァカというかアホというか。強気にも7000万ドルくらいの値をつけるらしいが、ジョス・ウィードンは「100010000ドルくらいなら買ってもいいよーん」なんてことを言っております

ここは他の映画スタジオが映像化権を購入したとして、どのようなフランチャイズが出来上がるか考えてみる:

MGM:ロボコップvsターミネーター
フォックス:エイリアンvsプレデターvsターミネーター
ワーナー:スーパーマンvsターミネーター
ディズニー:マーヴェル・スーパーヒーローズvsターミネーター
東宝:ゴジラvsターミネーター

…などなど。実は上の3つは既にダークホース・コミックスからコミック作品が出ていたりする。ここらへんは大きなバジェットのいらないコミックの強みですかね。ちなみにハルシオンってフィリップ・K・ディックの小説の映像化権も持ってるはずなんだが、あれも売りに出されてるんだろうか。誰かこれらの権利を一緒に買って「ブレードランナーvsターミネーター」を作ってくれないかな。

「アンヴィル!夢を諦めきれない男たち」鑑賞

カーマイン・アピスって既に他界してたかと思ったんだけど、俺の勘違いだったのね。

バンドの努力と挫折を描いた非常に素晴らしいドキュメンタリー。ラーズ・ウルリッヒも冒頭でちょっと言及しているけど、アンヴィルが成功できなかった理由は彼らが「カナダ人であった」ような気がしてならない。国民性としてアクが弱いというか、リップスもロブも基本的にいい人すぎて、生き馬の目を抜く音楽業界で成功することは出来なかったんじゃないだろうか。でも成功したバンドの人なんてのは多くが家庭を崩壊させたり酒や麻薬で死にかけたりしてるわけで、そういう意味では暖かい家庭に恵まれた2人はそれなりに幸せなんじゃないでしょうか。

国民性といえば「日本人はコンサートに早く来る」ことも重要なファクターになっていることも見逃してはならない。あちらでは前座のバンドを律儀に最初から見るなんてことはあまりないですからね。あとアメリカでのライブの光景が1つも紹介されないけど、この作品の撮影時に彼らはどのくらい人気があそこであったんだろう。

それと多くのバンドが抱える悩みである、アルバム製作の資金の工面やアルバムの売り込み、そして配給の問題といった音楽業界の事情についてもそれなりに詳しく取り上げられているのが興味深い。作品中に彼らが仕上げたアルバムはレーベルが見つからず結局自分たちで配給することになったわけだが、そうしたことでバンドの手元に入る利益はどう変わったのかとか、インターネットによって配給の仕組みがどう影響されたかなんて話も聞きたかったな。

日本でのライブで終わる最後は「スパイナル・タップ」そのまんまで感動的。日本政府はこういう年取ったメタルの人たちが安泰に暮らせる保養地のようなものを作って、地方をドサ回りさせたりすればいいんじゃないでしょうか。定年退職したスコーピオンズのファンとかにとってのいい娯楽になりそうなもんだが。

「BEING HUMAN」鑑賞

昨年から始まったBBCのドラマ。吸血鬼のミッチェルと狼男のジョージ、幽霊のアニーがブリストルにある家に同居して、なるべく普通の人間らしい生活を送ろうとするのですが、彼らの忌まわしい過去や仲間の怪物たちがそれを邪魔することになって…というようなファンタジー色の強い作品。

これをコメディとして紹介しているサイトもあるんだけど、第1話を観た限りでは笑えるところはあまりなくて、むしろ現代社会で怪物として生きることの苦悩を描いたストレートなドラマになっていた。全体的な雰囲気は「トーチウッド」に近いものがあるかな。禁欲生活を送る吸血鬼とか生前の恋人を懐かしむ幽霊とかといった描写にはあまり目新しさを感じないけど、まかりなりにもBBCだけあって特殊効果とかも含めて手堅い作りにはなっている。もうちょっと怪物もののクリーシェを打破するような内容になってても良かったんだけどな。

本国ではシリーズ2が製作中のほか、アメリカでもリメイクされることが決まったらしいので、とりあえず今後もっと面白くなることに期待。