冒頭からギャリー・シャンドリングが出てきたのには萎えたが、やはりウォー・マシンがカッコいいなあ。ミッキー・ロークのウィップラッシュは相変わらず微妙だが、まあ悪役が必要なのだから許す。むしろスカーレット・ヨハンソンのブラック・ウィドーが何やってんだかよく分からず。まあでも面白くなりそうなので大いに期待。
月: 2009年12月
「CAPRICA」鑑賞

「バトルスター・ギャラクティカ」のプリクエルとなるTVシリーズ(来年放送開始)のパイロット・ムービー。「ギャラクティカ」の出来事から約60年前の時代を舞台に、サイロンがいかに自我を持ち、人類に対する脅威になっていったかが語られる作品になっている。
12の植民惑星に暮らす人類は繁栄していたが、その一方で植民惑星同士の関係は緊迫したものとなり、一神教を信じる過激派が暗躍するようになっていた。そしてその過激派によるテロで家族を失った男が2人いた。1人はロボット工学の天才であるダニエル・グレイストーン、もう1人はウィリアム・アダマの父ジョセフ・アダマである。テロにより娘を失ったダニエルは、娘が仮想現実の空間に彼女の人格をコピーしていたことを知り、開発中の戦闘ロボットにその人格を移そうと試みるが失敗。しかしそのロボットは抜群の戦闘能力を持ち、ダニエルはそれを「サイロン」と名付ける。そしてそのサイロンのなかでは、移送できなかったかと思われたダニエルの娘の自我が目覚めようとしていた…というのが大まかなあらすじ。
全体的に「ギャラクティカ」と比べると非常に地味で派手な戦闘シーンなどはなく、人間とロボットの違いを問うような、むしろ哲学的なトーンをもった作品になっている。かといって話が退屈というわけではなく、最近では珍しい本格的なSFの雰囲気を持った内容になっているかな。まあ「ギャラクティカ」のノリを期待していると少し肩すかしをくらうかな。
前にも書いたように俺はプリクエルが好きではなくて、特に「ギャラクティカ」で人類の歴史の真実が明かされてしまった今となっては「60年前の話なんか語る必要あるの?」という気がするのは否めないが、サイロンがどう進化して独自の自我を持つようになったかは今まで詳しく語られたことがなかったので、今後のストーリーがどう展開していくのかには興味あるところです。プロットの監修には相変わらずロナルド・ムーアが関わるようなので期待はできそうだな。
「デイトリッパー」鑑賞

「スーパーバッド」や「Adventureland」のグレッグ・モットーラ監督のデビュー作(1996)。プロデューサーはスティーブン・ソダーバーグ。
ロングアイランドに住むイライザは夫のルイスと幸せな夫婦生活を送っていると思っていたが、ある日夫の服のポケットにラブレターらしき手紙が入っているのを発見してしまう。これに驚いた彼女は実家の両親に相談したところ、直接ルイスに会って真相を問いただすのが最良だと説得され、イライザとその両親、および妹とその婚約者の5人はステーションワゴンに乗り込み、ルイスが働くニューヨークへやってくるのだったが…というような話。
ニューヨークの郊外ロケを多用した撮影や、変にインテリな会話が始まる展開なんかはいかにも90年代のインディペンデント映画という感じだけど、1日の旅において家族の絆と価値観が見直され、家族みんなが何かしらの形で成長していくさまが手堅く描かれていて面白い。またキャストが異様に豪華で、ホープ・デイビスやリーヴ・シュレイバー、パーカー・ポージー、スタンリー・トゥッチ、キャンベル・スコット、マーシャ・ゲイ・ハーデンなど後に主役級の役者となる面々が揃っているのが結構凄い。母親役のアン・メアラ(ベン・スティラーの母親)がいちばん熱演してたかな。
全体的に少し古めかしい気がするのは否めないが(ワールド・トレード・センターが出てくるだけで時代を感じるようになってしまった)、よく出来た小品。個人的には「Adventureland」よりもお薦めかも。
「Outer Space Astronauts」鑑賞

Sci-Fi改めSyfyチャンネルの新番組。上の写真のように生身の人間の顔にCGの胴体がくっついているという趣向のアニメで、グータラな船長の率いる宇宙船のクルーがさまざまなドタバタに巻き込まれて…というコメディなんだけど、ものすごくツマらない…ギャグは最初から最後までお寒い限りだし、CGはショボいし、登場人物は無駄に多いし、観ていてクスリと笑うこともできないような代物だった。
これがウェブ用の番組とかだったらまだ許せたかもしれないが、ケーブル・チャンネルの30分枠で流すようなものじゃないよ。「バトルスター・ギャラクティカ」と同じチャンネルの番組とは思えないですね。変なCGに金をかけるんだったら、段ボールの宇宙船とかアルミホイルの宇宙服とか使ったほうがまだ趣きは出るんじゃないのかなあ。
アメリカでも酷評されてるようなのですぐに打ち切られるだろうけど、「スリー・キングス」のデビッド・O・ラッセルがプロデューサーに名を連ねてるのが謎ではある。あの人相変わらず訳わかんないことやってんな。