09年、そして00年代のベスト

「AVクラブ」で2009年のベスト・アルバム25作品が選出されていた。どれも聴いたことないアルバムばかり…。去年も一昨年も同じこと書いたが、もう音楽シーンの動きにに完全についていけてないですね。最近は新しいアルバムとか殆ど買わず、図書館で昔のアルバムを漁ってるような生活してるから当然といえば当然なんだが。

加えて今年は00年代の最後の年ということでいろんな批評家がいろんな00年代のベストを選出していて、まあ個人的には特に映画のリストに目がいくんだけど、有名どころでも実は未見の作品が多いことに気づいて唖然とさせられる。「ウォーリー」とか「ゼア・ウィル・ビー・ブラッド」とか俺まだ観てないんだよな。いったい自分はこの10年のあいだ何をやってたのかと。ひねくれたドキュメンタリーとか観てるヒマがあったら、先にこういう有名どころの作品を観とかないと偉そうなことは言えないすね。

「SUGAR」鑑賞

野球が題材のアートハウス・シネマなんて初めて観た。

ドミニカ共和国の野球クラブでピッチャーをしていたミゲル・”シュガー”・サントスは、スカウトに教えられたナックル・カーブが認められてカンサス・シティーのメジャーリーグ・チームのキャンプへと招かれる。家族を離れてフェニックスのキャンプ場にやってきたシュガーはそこでも実力が認められ、アイオワのド田舎に拠点を置くマイナー・リーグのチームでプレーすることに。慣れない環境に戸惑いながらも徐々に力をつけていき、勝利を重ねるようになったシュガーだが、足を怪我したことでスランプに陥ってしまい…というのが大まかなプロット。

話の前半はそれなりのサクセス・ストーリーなんだけど爽快感などはまるでなく、レストランのメニューも読めないような選手が異国のマウンドに立つことの壮絶な孤独感がうまく描かれている(全体的に撮影が巧い)。成績が出せなければ即刻で解雇される環境のなか、周囲の人間とろくに意思疎通もできずにプレッシャーに押しつぶされていくシュガーの姿が哀愁を誘っていた。

そしてシュガーやその代わりのピッチャーがどれだけ活躍したとしても所詮はマイナー・リーグでの話であるわけで、アメリカの野球界の選手層がどれだけ分厚いかを実感させてくれる映画であった。前に「フープ・ドリームス」を観たときもNBAの選手層の厚さに驚いたけど、メジャー・リーグの場合は海外にも太いパイプを持っているぶんさらに選手の層は厚いんじゃないかな。故郷にいてもろくな職につけないなか、アメリカン・ドリームを夢見てアメリカにやってくる選手たちは数多いんだろうけど、そのなかで大成できるのは本当にごく限られた一部なんだろうな。

「My Wrongs 8245–8249 & 117」鑑賞

愉快なテロリストたちを描いた映画「Four Lions」がついに完成して今度のサンダンスで公開されるらしいクリス・モリスが、脚本と監督を手がけた2002年の短編映画。

ある男性が友達の家で留守番をして犬の面倒を見ていたところ、犬が自分に命令しているように感じるようになり、彼は犬にうながされるまま手綱を持って犬と外出することに。そして手綱を自分の首にかけたとたんに犬が暴走して彼は公園の池に飛び込んでしまう。そしてついに犬は男性に語りかけるようになり、自分は男性が犯した罪に対する弁護士だと主張するのだが…というような内容。

ひたすらシュールな展開が続く作品で、男性が犬に引き回されて公園やバスや教会に連れてかれる展開が非常にスピーディだし、レジデンツのPVを彷彿させる実験映画っぽい特殊効果もあってなかなか面白い。ワープ・レコーズの映画部門が関わっているということでオウテカっぽい音楽もなかなかいいぞ(音楽もモリスによるものだとか)。BAFTAの短編部門賞を受賞したというのも頷ける。

なお主役の男性を演じるのはパディ・コンシダイン。彼って無骨な役柄のイメージがあったけど、こういう困惑した人物の役も似合うんですね。

グラント・モリソンの伝記映画


「インビジブルズ」や「ファイナル・クライシス」などで知られるアメコミ作家グラント・モリソンの伝記映画が来年のコミコンで公開されるそうな。伝記映画といっても彼が自分の経歴や思想を語るのをインディペンデント系の監督が撮ったという規模のもので、「The Mindscape of Alan Moore」に近い出来になるのかな。

今や大魔術師のような存在になって寡作になってしまったアラン・ムーアよりも、トリックスター的に作品を乱発しているモリソンのほうが個人的には好きでして、この映画により彼の作品や思想がより多くの人に伝わって欲しいところです。最大の難点は、前にも書いたが、あのコテコテのスコットランド訛りでは彼がなに言ってるんだか全然分からないことで、上のトレーラーのように字幕をつけてくれないと観るのは大変シンドいことになりそうだなあ。

「アイアンマン2」ポスター

ウォー・マシン来たっ!後ろの黒いアーマーのことだよ。俺はアイアンマンよりもウォー・マシンのデザインのほうが好きなのです。「2」ではウォー・マシンの中の人の役がテレンス・ハワードからドン・チードルに代わってしまったり、スカーレット・ヨハンソンやミッキー・ロークといった微妙な面子が出演してるのが弱冠不安ですが、まあウォー・マシンが出るならいいや。