「JANE BY DESIGN」鑑賞


ABCファミリーの新作ドラマ。ABCファミリーの対象年齢層が自分と大きくかけ離れてることは承知してるのですが、第1話がよく無料提供されてるのでつい観てしまうのです。

高校生のジェーンは父親を早くに亡くし母親も失踪したという不遇な環境で育ち、幸せそうに着飾った同級生たちを見ては「私も幸せになりたいわぁ…」とため息をつくような女の子でした。そんな彼女はファッション業界に憧れてファッションデザイナーのスタジオへインターンの面接に行くのですが、ふとしたことで彼女は成人だと勘違いされ、トップ・デザイナーのグレイのアシスタントの職をオファーされます。お金が必要な彼女はこれを受け入れるのですが、グレイは人のことなど気にかけない鬼のような女性でした。それでもめげずに彼女は働くのですが…というような話。

設定はとても「プラダを着た悪魔」とか「アグリー・ベティ」とかに似てるんじゃないでしょうか。でもABCファミリーなのでどぎつい描写とかはなく、憧れの業界で頑張る女の子のごく普通な物語になっている。主人公の兄貴が無職のボンクラだいうのが個人的にはツボでしたな。

ジェーンを演じるエリカ・ダッシャーという女の子はエレン・ペイジとスカーレット・ヨハンソンを足して4で割ったような感じで、垢抜けてない雰囲気はよく出てるかな。そして彼女のボスのグレイを演じるのがアンディ・マクダウェルでして、久しぶりに顔を見たかと思ったらこんな番組に出てたのか。彼女のキャラは世界中を飛び回ってるという設定のため主人公とウェブカムを通じて会話するだけで、少なくとも第1話では他の登場人物とじかにかけ合いをするような場面は一切なし。全ての出演シーンを半日で収録したかのようなやっつけ仕事っぷりは他の出演者と一線を画しております。

まあ悪い出来ではないとは思うんだけどね。人畜無害というか。でも自分向きではないよな、といった感じの作品。

「HOUSE OF LIES」鑑賞


ドン・チードルやクリスティン・ベル、リチャード・シフなどいった結構いいキャストを揃えたショウタイムの新作ドラマ。ショウタイムは例によって第1話をポッドキャスト形式でiTunesストアで無料提供してるんだけど、卑猥な言葉をみんなカットしてるのでセリフの2割くらいが聞き取れなかったような。ストリップバーのシーンなんかもモザイク入りまくりで大変なことになってました。あと34分という謎めいた尺長は何だったんだろう。

チードルが演じるマーティ・カーンは敏腕な経営コンサルタントのチームのリーダーで、金と女が好きな彼らはアメリカ各地を飛び回り、見栄を張ったプレゼンを行い、あらゆる手段で大企業との契約を勝ち取ろうとしていた。しかしそこにライバル会社で働くマーティの元妻が絡んできて…というような話。

当然ながらコンサルティングとかプレゼンに関する難しい用語とかノウハウが出てくるわけだが、そんなときは画面が突然フリーズして、マーティンが第4の壁を破って視聴者に説明してくれるという親切な設定になっている。でもこれが逆にうっとうしくて、「俺ら難しいことやってるでしょ?ね?ね?」と言ってるような感じなんだよな。

ストーリーもいちおう不景気で職を失った人たちへの言及とかがあるものの、数百万ドルの年俸を稼いでる連中(と劇中でちゃんと言っている)が契約をとろうがとれまいが、結構どうでもいいことにしか思えないんだよな。第1話には「アリーmyラブ」のグレッグ・ジャーマンが出てたりしてデビッド・E・ケリーの高級弁護士事務所ものに雰囲気が似てなくもないが、脚本はもっと安っぽい感じ。

ドン・チードルにコメディが似合わないとは思わないけど、単なる女たらしのチャラ男などではなく、もうちょっと共感できるキャラクターを演じさせればよかったのに。どうも残念な番組ですな。

「SHERLOCK」シリーズ2開始


前シリーズから待つこと1年半、やっと来たよシリーズ2。

今回も90分×3本というミニシリーズ構成だが、ベースにしている原作が「ボヘミアの醜聞」「バスカヴィル家の犬」「最後の事件」というグレイテスト・ヒッツ的な大盤振舞い!この時点でこんなに有名な作品を使い切ってしまって大丈夫なんだろうか。そしてシリーズ3はやはり「空き屋の事件」で始まるのだろうか。

そういう心配は置いとくとして、第1話の冒頭ではシリーズ1のクリフハンガーが結構あっけなく片付いて、ホームズとワトソンはまた別の事件に巻き込まれていくことに。そして登場するのは当然ながらアイリーン・アドラーなわけだが、ホームズと同等の明晰さを持つ彼女とホームズ(およびマイクロフト)との二転三転する駆け引きが繰り広げられ、息もつかせぬ展開になっていて大変楽しめるぞ。彼らに比べるとワトソンは相変わらず損な役回りだけど、狂言廻し的な存在になって話にアクセントを加えてくれている。来年のいまごろはマーティン・フリーマンは「ホビット」のおかげで大スターになってるのかな。

前シリーズ同様にスマートフォンとテキストメッセージが事件の謎解きに大きく関わっており、例の「宙に浮くテキスト」も大量にでてくるぞ。ただし情報量が多すぎて、これを日本語化するのは結構しんどいかもしれない。あと序盤の「ハイカーの死」の謎解きはちょっとイマイチだったかな。

シャーロックの奇怪な行動と周囲の反応を見ていると、「ドクター・フー」に通じるものが感じられますね。ラッセル・T・デイビスの「大人向けドクター・フー」が「トーチウッド」だったとしたら、これはスティーブン・モファットにとってのそれなのかもしれない。シリーズ2でモファットが脚本を担当したのはこの第1話だけらしいが、残る2話にも大きく期待できそうです。

謹賀新年2012


みなさま明けましておめでとうございます。

昨年は震災を筆頭にいろいろ多くのことがあった年でしたが、まあこうして新年を迎えられているわけで、人間しぶとく生きていけるものだと思うこのごろです。決して楽観論者ではありませんが、やれ日本が終わるだの世界が終わるだの唱えている連中には感心しませんね。震災のボランティアにやってくる多くの人たちを見て、みんなやるじゃんと昨年は思いましたよ。

とはいえ先行きが見えない時代に生きているという実感は明らかでして、自分も仕事が今年は正念場かなあと。まあ養う妻子もいないし家のローンとかもないから根本的には気楽なものですが。健康には気をつけたいところです。

それでは今年もよろしくお願いいたします。