「TRANSPARENT」鑑賞


なんかハズレが多い米アマゾンのオリジナルシリーズのなかで、唯一高い評価を得ている作品。

ロサンゼルスに住むサラとアリとジョッシュの3人の兄弟はそれぞれの家族や仕事に没頭していたが、離婚してから一人暮らしをしている父親のモートにある日突然呼び出される。ガンの告知でもされるのかと心配して実家に戻った3人だったが、モートが話したことは他愛のない話だけで、彼女たちは安心して家に帰る。しかしモートは実はトランスジェンダーの男性であり、自分が女性として生きていくことを3人に伝えようとしたのだった…というようなプロット。

30分番組でコメディ扱いされてはいるものの、内容はかなりダウナー系の家族ドラマであった。トランスジェンダーである父親に加えて、3人の子供たちもみな複雑なセクシュアリティを抱えていることが示唆され(長女が元レズビアンとか)、そこらへんがいろいろ絡み合ってくるのだろうけど、第1話を観た限りではずべてが消化不良という感じであった。見せ場になるかと思った父親のカミングアウトのシーンさえもないのだもの(子供たちに告白することができず、最後に長女にバレる)。でも全体的に高い評価を得ているようなので、今後の展開は面白くなるのかな…?

モートを演じるのは「アレステッド・ディベロップメント」のジェフリー・タンバー。齢70にして女装して頑張ってます。あとは知った顔だとジェイ・デュプラスなんかが出ている。露骨に裸が出たりするので、もし日本で放送されるとしても修正が必用になるだろうな。アマゾンのオリジナルシリーズは概してアダルトな内容のものが多い気がするのだけど、地上波局の番組との差別化を意識的に狙ってるのかな?

もしかしたらネットフリックスの番組に対抗して、何かしらの賞を受賞しそうなくらい高い評価を得ている作品なのだが、内容が暗すぎて個人的にはあまりピンときませんでした。

「GOTHAM」鑑賞


フォックスの新シリーズで、「バットマン」のゴッサムシティを舞台にした前日譚的な作品。

バットマンことブルース・ウェインの両親が射殺されるシーンから始まるものの、いわゆるオリジンものではなく、若き日のブルースのまわりの人物たちを描いた犯罪ドラマになっている。主人公はまだ若手刑事であるジェームズ・ゴードン(ヒゲなし)で、彼の相棒がハーヴェイ・ブロック。他にもセリーナ・カイル(後のキャットウーマン)とかオズワルド・コブルポット(ペンギン)とかエドワード・二グマ(リドラー)とか、コミックの登場人物の若かりしバージョンがいろいろ出てきます。普通に計算するとバットマンのヴィランはみんな彼より10歳から20歳くらい年上なのか、ということになるけどそこにツッコむのは野暮でしょう。

コミックを知ってるといろいろニヤリとさせられるキャラクターが出てくるわけだが、知らなくてもそれなりに楽しめる内容になってるんじゃないかな?汚職がはびこる街のなかで、孤軍奮闘するゴードンを主人公にした刑事ドラマとして観ることもできるかと。あとは各キャラクターがゴードンにどう絡んでくるかだな。正直なところブルース・ウェインは当分登場しない方が面白くなるかもしれない。

第1話の監督はスタローン版「ジャッジ・ドレッド」のダニー・キャノン。ゴードン役を演じるのがベンジャミン・マッケンジーで、ブロック役がドーナル・ローグ。ブルースの執事アルフレッドをショーン・パートウィーが演じてるのだが粗野なコックニー親父という性格になっていて、彼がいちばん原作と違うかも。あと番組のオリジナルキャラとしてフィッシュ・ムーニーという暗黒街のマダムをジャダ・ピンケット・スミスが演じていて、彼女がかなり重要なキャラクターになってくるのかな?

これからもサラ・エッセンとかハーヴィー・デントといったキャラクターも登場してくるらしいが、どのくらい原作に沿った形になるのだろう。別にコミックや映画とリンクしてるわけでもないし、好き勝手やっても構わないと思うけどね。レネー・モントーヤとかクリスプス・アレンも登場してるので、いっそザ・クエスチョンとかスペクターとかも出して何でもありな展開にしてくれると面白そうなのだが。

「Madam Secretary」鑑賞


CBSの新作シリーズ。

エリザベス・マッコードは元CIAの肩書きを持つ大学教授で、同じ大学に務める夫と2人の子供とともに牧場で暮らしていた。しかし合衆国国務長官を乗せた旅客機が南米で墜落してしまい、それを受けた旧知の仲である大統領から直々の依頼をされて、エリザベスは新しく国務長官に着任する。しかし直属の上司である首席補佐官とはウマが合わず、悶々としているところにアメリカ人の若者2人がシリアで拉致されたという情報が入ってきて…というようなプロット。

主人公を演じるのはティア・レオーニ。あとはキース・キャラダインが大統領を演じていて、ビビ・ニューワースなどが出演している。プロデューサーとしてモーガン・フリーマンが関わっている。

まあ主人公は明らかにヒラリー・クリントンを意識してるんだろうけど、これが作られてた頃はすでに国務長官はジョン・ケリーになってたと思うので、クリントンへのベタな応援というよりもあくまでも元ネタと考えればいいのかな?この番組に限らず、政治ネタを扱った今年の新シリーズはみんな中東問題をテーマにしているようで、(第1話の時点では)どれも「イスラム国」の台頭を予測できなかったあたり、時事問題をTVシリーズに練り込むことの難しさが伺える。HBOの「ニュースルーム」みたいにあえて過去のニュースに専念するのも手ではあるのだが。

アメリカ政府という組織において主人公ひとりをいかに目立たさせるかというのも難しいところで、第1話では国際問題になりかねないアメリカ人の誘拐事件を、主人公の「個人的なツテ」を使って秘密裏に解決するあたり(しかも交渉相手に金を振り込むだけ!)は確かに主人公の有能さを強調しているものの、毎回こんな個人プレーに走らせるわけにもいかんだろうなあ。前の国務長官の墜落死にはどうも陰謀が隠されているらしいというプロットも投げ込まれているものの、全体的には政治ドラマとしては生ヌルい出来という印象が否めない。

「FOREVER」鑑賞


ABCの新作シリーズ。

ヘンリー・モーガンはニューヨークで働く検死医だったが、彼には大きな秘密があった:実は彼は200年以上前に生まれており、医者として奴隷船に登場していたところを船員に狙撃されて海に投げ込まれたのだが、謎の理由によって甦り、不老不死の身になってしまったのだ。それ以来彼は、自分がなぜそのような力を身につけたのかと、死ぬことができる方法を探るため長年にわたって研究をしていたのだが、彼に興味を抱いたニューヨーク市警の女刑事に招かれて彼女の事件の捜査を手伝うことになる…というようなプロット。

ニューヨークにおける不老不死の男性が事件を解決してく物語って、2008年の「New Amsterdam」とそっくりだな。あちらは短命に終ってしまったけど、こちらはもっと長続きできるのだろうか。役者はどうしても年をとっていくわけで、不老のキャラクターをTVシリーズで演じさせるのは無理があると思うのだけど。「スター・トレックTNG」でもアンドロイドのはずのデータが後半ではしっかり老けてたし。

このようにファンタジックな要素があるものの内容は比較的ストレートな捜査もので、主人公は200年にわたる知識と不死の身をもって犯罪に立ち向かうためかなりのチート状態。毒殺に使われた毒を試すために自分で注射して死んでたりします。死ぬとマンハッタン橋のふもとの川に全裸で復活するという設定なのだが、前の死体はどうなってしまうのかとか、国外で死んでもニューヨークで復活するのかといった説明は第1話ではされていなかった。よく死んでよく復活する主人公という点では「トーチウッド」のジャック・ハークネスに通じるものがあるな。

その主人公を演じるのは眠そうな顔をしたヨアン・グリフィズ。演技はまだしもナレーションが棒読みっぽいな。あとは「ロー&オーダー」のアラナ・デ・ラ・ガーザとか「アバター」のジョエル・ムーアなんかが出演してます。例によって主人公と同じ能力を持った謎の黒幕の存在が示唆され、後々の展開への伏線が張られているものの、本国での評判はまちまちのようで、番組がどのくらい長生きできるかはかなり不明なところですな。

「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」鑑賞


むろん2Dな。上映中なので感想を簡潔に。

おれコズミック系のアメコミってあまり好きではなくて、DCも「リージョン・オブ・スーパーヒーローズ」などは殆ど読まなかったのです。よってこの作品の原作にも疎かったので(90年代初頭に出てた前のチームのやつは読んでた)、観る前はある程度の不安があったのだけど、前知識など無しに十分楽しめるスペースオペラでした。「グリーン・ランタン」がすべて間違えたところを、すべてきちんと押さえているというか。

ストーリー自体はかなり王道を行っていて、ならず者たちが反目しあいながらも友情を培っていき、団結して悪を倒し、かつて自分たちを見下していた人たちからも賞賛を受けるというもの。決して目新しさはないものの、変にひねくり回さずにストレートな演出をしていることでちゃんと話に起伏をもたせている。CGのキャラクターの演技にも涙するのってそうあることじゃありませんぜ。まあ女性キャラ同士がタイマン勝負するあたりは、さすがに使い古されすぎてる気がしましたが。

監督のジェームズ・ガンはB級で知られるトロマ・ムービーの出身で、トロマの社長のロイド・カウフマンがしっかりカメオ出演してるあたりは自分のルーツに忠実ではあるな。その微妙にセコいセンスが今回のドタバタ演技にうまくマッチしていて、「スパイダーマン」のサム・ライミもそうだったけどB級ムービー出身の監督ってアメコミ映画によく合うんじゃないだろうか。それ考えるとやはりエドガー・ライトが「アントマン」降板したのは残念だよなあ。

主演のクリス・プラットも、下手すれば痛いだけのダンスシーンなんかを絶妙に演じていて、二枚目半のキャラがよく似合っている。「Parks and Recreation」のボンクラがこんな主役をはれる時代が来るなんて想像もつかなかったよ。ゾーイ・サルダナやバティスタもいいけど、それ以上にCGの仲間が良かったな。あとカレン・ギランはあそこまでメークをコエテコテにするなら別にスキンヘッドにしなくても良かったのでは。そして眉毛が見えないとリー・ペイスは誰だか分からなかった。対して残念だったのは、サノスがあまり強そうに見えなかったことか。

というわけで爽快に楽しめる夏休み映画(九月だけど)としてはうってつけの一作ではないでしょうか。これから他のマーベル映画との絡みが強くなっていくのだろうけど、普通に娯楽柵として独自の路線を進んでいっても良いような気がする。