機内で観た映画2014(後半)

またちょっと海外出張したので、行きと帰りの機内で観た映画の感想をさくっと。「ヒックとドラゴン2」も」あったんだけどね、さすがにあれは大画面で観るべきと思って我慢しました。

「Rio 2」:人妻(というかトリ妻)が幼なじみと再会して不倫する…みたいな話の流れになったのは驚いたが、主人公と妻の故郷のトリたちと、その故郷の採伐を狙う人間たちが出てきて話が散漫になってしまっているのに加え、歌のシーンも詰め込んでるので無駄に尺の長い映画になってしまっている。グロリア・ゲイナーの「恋のサバイバル」を使ってる映画って、まずロクなのがないよな。

「CHEF」:フィールグッド映画としては決して悪くないものの、話は凡庸。主人公のシェフが自滅して、なぜフードトラックで再起を目指すことになったかのくくりがきちんと描かれてないんだよな。拘束時間が明らかに1日か2日のスカヨハとダウニーJr.とダスティン・ホフマンが後半には登場しないこともあり、前半の自滅と後半の再起のバランスが全くとれてない感じをうける。

「22ジャンプ・ストリート」:前作のようにオリジン話に時間を割くこともなく、そのまま話に突入していってノリのよい展開が楽しめる。舞台が大学になったのも、さらに幅の広いコメディができるようになってプラスになっているかと。メタなジョークもたくさんあって面白いのだが、あれは観る人がどこまで分かるかにもよるな。前作よりも面白い出来かも。

「トランスフォーマー/ロストエイジ」:マイケル・ベイってもはや普通の映画作りって放棄してしまってるんだな、ということがよく分かる作品。アホのような数のプロダクト・プレースメントを別としても、プロットとヒロインが前作と殆ど大差ないとか、夕方と昼間の時間軸が合ってないとか、高速度でアスファルトに投げ出されたヒロインが傷一つ負ってないとか、マーキー・マークが発明家を演じているとか、オプティマス・プライムがラスボスを背後から斬りつけておいて誇りがどうだのと言ってるとか、普通の人なら「それ、変じゃない?」と思う展開が盛りだくさんなのですもの。相変わらずキメのシーンが作れない演出でそれらの展開がダラダラと続き、観たあとにはただ疲労感が残るという。中国からお金が欲しいのならパンダの種付けでもやってなさい。

「THE FLASH」鑑賞


今期のアメコミ原作の新シリーズ第2作目。放送局はThe CW。

原作のライターを長年務めたジェフ・ジョンズが脚本に関わっていることもあり、第1話は手堅いオリジン話になっている。主人公の母親がリバース・フラッシュに殺されたという設定って、ジョンズが考案したものだっけ?主人公が雷にうたれて薬品棚に突っ込んだことで驚異的なスピードを身につける設定は原作と同じだが、そもそもその雷はS.T.A.R.ラボの実験が暴走して生じたものであり、主人公以外にもメタヒューマンを多数生み出すことになった、という話になっている。第1話の悪役はウェザー・ウィザードでした。

主役のバリー・アレンを演じるのは「glee」のグラント・ガスティン。妻殺しの疑惑で投獄されている彼の父親を、90年代のシリーズでザ・フラッシュを演じたジョン・ウェズリー・シップが演じるという粋なキャスティングもされてます。The CWの番組ということもあり主人公の年齢が少し若めに設定されていて、彼の父親代わりの刑事を演じるのがジェシー・L・マーティン。彼のシーンだけどうしても「ロー&オーダー」っぽくなるのはご愛嬌。彼の娘がアイリス・ウエストで、よって原作と違って黒人の設定になっている。あとS.T.A.R.ラボの実験を企画した博士の役をトム・カヴァナーが演じてるのだけど、彼っていままでニコニコ笑ってる役が多かったので、シリアスな役はちょっと向いてないかも。

「アロー」の主人公がお約束といった感じでちょっと登場したり、コミックの(必ずしもフラッシュとは関係ない)キャラクターがあちこちに出演してたりと、かなりコミックを意識した内容になっていくのかな?まあ「アロー」よりもSFっぽいキャラクターが出しやすいということかな。ファイアーストームなんかも登場するらしいぞ。

「とにかく速く走れる主人公」というネタでどこまで話を引っ張れるか分からないけど、次も観たくなるような出来であった。でもフラッシュが走るたびに周りの車のガラスが割れてるので、街の住人にとっては迷惑なヒーローだと思う。

知られざるアメコミ原作のTVシリーズたち

この秋は「コンスタンティン」「ザ・フラッシュ」「ゴッサム」「iZombie」といったアメコミが原作のTVシリーズが次々と放送開始されて、既に放送中の「アロー」や「エージェント・オブ・シールド」といった作品に加わることになる。さらには「スーパーガール」や「プリーチャー」などのTVシリーズ化も予定されているわけで、アメコミファンにとっては面白い時代ではあるのですが、コミックがTVシリーズになった例って過去にも沢山あるわけで、そのすべてが成功したわけではないんだよな。というわけで過去に放送されたものの(たぶん)よく知られてないアメコミ原作のTVシリーズをいくつか挙げてみる:

「THE TICK」
これはよく知られているほう。ベン・エドランドのコミックが原作のコメディで、アニメ版もあったな。アマゾンが復活させようとしてるなんて話も最近ありましたね。


「BIRDS OF PREY」
DCコミックスのTVシリーズの黒歴史的な作品。バットマンが去ったあとのゴッサムシティを護ることになった女の子ヒーローたちの物語なのだが、速攻で打ち切られていた。


「SABLE」
マイク・グレルの「John Sable Freelance」が原作。絵本作家のヒットマンの話だっけ?7話しか製作されなかったが、レネ・ルッソが出ている。


「NIGHT MAN」
マリブ・コミックスの同名コミックが原作。シンジケーション番組(日本のローカル局番組みたいなもの)なので全体的にチープだな。しかし44話も製作されたのか!


「HARSH REALM」
これ日本でもVHS出てたね。J.D.ハドナルの同名コミックが原作だが、仮想現実が舞台であることを除けば内容は別物だったとか?しかしきちんとしたクレジットが与えられてないとかでハドナルはフォックスを訴えてましたね。そこそこ面白い作品だったので短命に終ったのが残念。

あとはマーベルの「ジェネレーションX」などもあったけど、あれはTVムービーだけで終ったんだっけ?とまあこのように長続きしなかったTVシリーズも過去にはたくさんあるのだけど、今度の新シリーズには健闘を期待したいところです。

「TRANSPARENT」鑑賞


なんかハズレが多い米アマゾンのオリジナルシリーズのなかで、唯一高い評価を得ている作品。

ロサンゼルスに住むサラとアリとジョッシュの3人の兄弟はそれぞれの家族や仕事に没頭していたが、離婚してから一人暮らしをしている父親のモートにある日突然呼び出される。ガンの告知でもされるのかと心配して実家に戻った3人だったが、モートが話したことは他愛のない話だけで、彼女たちは安心して家に帰る。しかしモートは実はトランスジェンダーの男性であり、自分が女性として生きていくことを3人に伝えようとしたのだった…というようなプロット。

30分番組でコメディ扱いされてはいるものの、内容はかなりダウナー系の家族ドラマであった。トランスジェンダーである父親に加えて、3人の子供たちもみな複雑なセクシュアリティを抱えていることが示唆され(長女が元レズビアンとか)、そこらへんがいろいろ絡み合ってくるのだろうけど、第1話を観た限りではずべてが消化不良という感じであった。見せ場になるかと思った父親のカミングアウトのシーンさえもないのだもの(子供たちに告白することができず、最後に長女にバレる)。でも全体的に高い評価を得ているようなので、今後の展開は面白くなるのかな…?

モートを演じるのは「アレステッド・ディベロップメント」のジェフリー・タンバー。齢70にして女装して頑張ってます。あとは知った顔だとジェイ・デュプラスなんかが出ている。露骨に裸が出たりするので、もし日本で放送されるとしても修正が必用になるだろうな。アマゾンのオリジナルシリーズは概してアダルトな内容のものが多い気がするのだけど、地上波局の番組との差別化を意識的に狙ってるのかな?

もしかしたらネットフリックスの番組に対抗して、何かしらの賞を受賞しそうなくらい高い評価を得ている作品なのだが、内容が暗すぎて個人的にはあまりピンときませんでした。

「GOTHAM」鑑賞


フォックスの新シリーズで、「バットマン」のゴッサムシティを舞台にした前日譚的な作品。

バットマンことブルース・ウェインの両親が射殺されるシーンから始まるものの、いわゆるオリジンものではなく、若き日のブルースのまわりの人物たちを描いた犯罪ドラマになっている。主人公はまだ若手刑事であるジェームズ・ゴードン(ヒゲなし)で、彼の相棒がハーヴェイ・ブロック。他にもセリーナ・カイル(後のキャットウーマン)とかオズワルド・コブルポット(ペンギン)とかエドワード・二グマ(リドラー)とか、コミックの登場人物の若かりしバージョンがいろいろ出てきます。普通に計算するとバットマンのヴィランはみんな彼より10歳から20歳くらい年上なのか、ということになるけどそこにツッコむのは野暮でしょう。

コミックを知ってるといろいろニヤリとさせられるキャラクターが出てくるわけだが、知らなくてもそれなりに楽しめる内容になってるんじゃないかな?汚職がはびこる街のなかで、孤軍奮闘するゴードンを主人公にした刑事ドラマとして観ることもできるかと。あとは各キャラクターがゴードンにどう絡んでくるかだな。正直なところブルース・ウェインは当分登場しない方が面白くなるかもしれない。

第1話の監督はスタローン版「ジャッジ・ドレッド」のダニー・キャノン。ゴードン役を演じるのがベンジャミン・マッケンジーで、ブロック役がドーナル・ローグ。ブルースの執事アルフレッドをショーン・パートウィーが演じてるのだが粗野なコックニー親父という性格になっていて、彼がいちばん原作と違うかも。あと番組のオリジナルキャラとしてフィッシュ・ムーニーという暗黒街のマダムをジャダ・ピンケット・スミスが演じていて、彼女がかなり重要なキャラクターになってくるのかな?

これからもサラ・エッセンとかハーヴィー・デントといったキャラクターも登場してくるらしいが、どのくらい原作に沿った形になるのだろう。別にコミックや映画とリンクしてるわけでもないし、好き勝手やっても構わないと思うけどね。レネー・モントーヤとかクリスプス・アレンも登場してるので、いっそザ・クエスチョンとかスペクターとかも出して何でもありな展開にしてくれると面白そうなのだが。