「NASHVILLE」鑑賞


テルマ&ルイーズの脚本家によるABCの新シリーズ。ロバート・アルトマンの同名映画とは関係ないよ。

カントリー歌手のレイナ・ジェイムスはナッシュビルのレコード・レーベルから出したアルバムがトリプル・プラチナムに輝くほどのスーパースターだったが、最近は時代の変化についていけずに人気も落ち目になり、ツアーのチケットを売るのにも苦労していた。そんな彼女に出された提案が、若手の人気シンガーであるジュリエット・バーンズとのジョイント・ツアーだった。ジュリエットは成功するためなら手段を選ばない少女であり、レイナのギタリストを引き抜こうと画策していた。その一方で地元の有力者であるレイナの父親は、さらに権力を手中にするためにレイナの夫を市長選へと立候補させる…というようなプロット。

カントリーミュージックの世界を舞台にしていることから、登場人物が歌うオリジナルの曲に加えてカントリーの名曲がふんだんに使用され、音楽をTボーン・バーネットが担当しているという豪華さ。歌を前面に押し出したドラマという点では「SMASH」に似てなくもないが、あっちよりもドラマと歌の融合がずっと自然で、バーでたまたま見かけた無名の歌手の才能に驚く、なんていうよくあるシーンもクサくならずに巧みな演出がされていた。

主人公のレイナを演じるのが「FRIDAY NIGHT LIGHTS」のコニー・ブリトンで、彼女の座を狙うジュリエットを演じるのがヘイデン・パネッティーア。パネッティーアっていかにも毛唐めいた反捕鯨運動とかやってて大嫌いなのですが、そのビッチそうな性格がビッチな役にずっぱりハマっていることは否めない。他にもパワーズ・ブースやエリック・クロースにロバート・ウィズダムといった役者が脇を固めているぞ。ちなみにみんな歌は自分で歌ってるんだろうか。

音楽業界の裏側とか政治とか男女関係といったドロドロしそうなネタを扱っているものの、観ててしんどくなるわけでもなく結構楽しめる出来になっている。あちらの批評家の評判も良いみたいだし、しばらくは続く番組になるんじゃないですかね?題材的に日本受けはしないかもしれないが。

「ARROW」鑑賞


The CWの新シリーズで、DCコミックスのスーパーヒーロー「グリーン・アロー」をベースにしたもの。同じくThe CWの「ヤング・スーパーマン」にもグリーン・アローが出てたけど、あれとは別物だよ。

オリバー・クイーンは大富豪のボンクラ息子だったが、父親とクルージングに出た際に嵐に見舞われて遭難し、ただ1人生き残って無人島に漂流する。そこで生き延びるために弓矢を始めとするサバイバルの技術を身につけた彼は、5年後に救出されて故郷へと戻る。そして彼は島での経験を活かし、弓矢を操るヒーローとなって街にはびこる悪と戦うのだった…というプロット。

コミック版のグリーン・アローはヒゲをたくわえたスケベな親父というイメージが強いが、こちらはThe CWなので当然ながらイケメンの若者が主役を演じている。無人島に5年いても肌とか歯がとってもキレイですな。他にも舞台が「スター・シティ」から「スターリング・シティ」となっていたり、ヤク中の相棒「スピーディ」がヤク中の妹のニックネームになっていたりと、原作に大幅なアレンジが加えられている。登場人物にはダイナ・ランスのほかにマーリンやドレイコン、デッドショットなどといった原作のキャラが出てくるみたい。クロック・キングが出てこないかのう。

どことなくチープなアクション・シリーズという意味では「ヤング・スーパーマン」(あるいは「THE CAPE」に良く似ているけど、内容は少し暗めのものになっていて、主人公が無人島の秘密を抱えていることが示唆されるほか、弓矢で容赦なく人を殺していたりもする。クリストファー・ノーランのバットマンと比較する声もあるようだけど、クオリティが違いすぎるだろ。

良くも悪くも典型的なThe CWの作品なので、「ヤング・スーパーマン」や「ニキータ」が好きな人なら楽しめるかも。コミックファンはデニス・オニール&ニール・アダムス版やマイク・グレル版の渋いグリーン・アローを期待してはいけません。せいぜいチャック・ディクソンやJ・T・クラルが担当してたころに相当する凡庸な出来。

「Chicago Fire」鑑賞


NBCの新シリーズ。

内容はタイトルそのまんまで、シカゴの消防士たちの活躍を描いたもの。火災によって命を落とした同僚に対するトラウマとか、タフな女性救命士とか、早く一人前になりたいルーキーとか、消防隊とレスキュー隊とのライバル関係とか、タフな署長とか、薬物に溺れる奴とか、まあ消防士ドラマとしてはベタな要素がいろいろ詰まってます。いかにも「ちゃんとシカゴで撮影してんだぜ!」と言わんばかりにシアーズタワー(今はウィリス・タワーって言うのか)がやたら背景に映るほか、市長のラーム・エマニュエルまでもがカメオ出演していた。

主演は「ハウス」のチェイスとこジェシー・スペンサーで、「ハウス」のときと話し方が変わってないような気がするんだが、オージー訛りはまだ残ってるんだろうか。他には同じく救命ドラマ「TRAUMA」に出てたテイラー・キニーなどが出演している。

第1話はキャストの紹介と派手な火災シーンに殆どの時間が費やされており、今後どんな番組になっていくのかは判断がつきかねるな。災害に立ち向かい人命を救助する男たちの活躍は確かに迫力があるし見応えがあるんだけど、第1話並みの予算を今後もかけられるとは思わないし、「サード・ウォッチ」や「TRAUMA」といった過去の救命ドラマも迫力こそあったもののさして長続きしなかったので(「レスキュー・ミー」はケーブル局の番組なのでとりあえず省く)、この番組もどれだけ続くかは未知数だな。「ロー&オーダー」のディック・ウルフがプロデューサーということもありNBCは何かしらのテコ入れをしてくるだろうけど…。

「Made in Jersey」鑑賞


CBSの新作法廷ドラマ。

ニュージャージーに住むイタリア系の大家族出身のマルティナはニューヨークの高級法律事務所の新人として働いていたが、とある殺人事件の凶器を見抜いたことから事務所のボスに気に入られ、別の殺人事件を担当するように命じられる。それは大学教授を殺害した嫌疑をかけられた女生徒の弁護で、彼女の無実を確信したマルティナは警察顔負けの行動力で事件の捜査にあたるのだったが…というのが第1話のプロット。

気が強いチャキチャキのジャージー娘のマルティナを演じるジャネット・モントゴメリーはイギリス人…っていいのかそれ。アメリカ人を起用するわけにはいかなかったんだろうか。他にもパブロ・シュライバーやステファニー・マーチといったテレビ界の常連が出演しているほか、法律事務所のボスをカイル・マクラクランが演じており、ゲスト扱いでマルティナの母親をドナ・マーフィーが演じていた。

内容はかなりありきたりな法廷ドラマで、若手の女の子が事件解決に奮闘するさまは「リーガルに恋して」あたりとダブりまくっている感じ。ケバい服を着たマルティナの家族の描写とかもそんなに面白くないし、むしろイタリアンをステレオタイプ気味に描いてるんじゃないだろうか。

あとね、観てて思ったけど主演のジャネット・モントゴメリーって演技が下手なんですよ。全部のセリフに力が入っているために話し方に緩急がなくて耳障りなほか、相手のセリフが終わるのを待って自分のセリフを言おうとする行為がバレバレなために演技が自然体でなく堅苦しいというか。ステファニー・マーチとのかけ合いは学芸会レベルでしたぜ。

本国での評判もあまり良くないみたいだし、この調子ではあまり長続きしないんじゃないでしょうか。カイル・マクラクランは好きな役者なんだけど、最近はどうもTVシリーズに恵まれていないようなのが残念なところです。

「VEGAS」鑑賞


これがTVシリーズ初出演となるデニス・クエイドを筆頭に、マイケル・チキリスやキャリー・アン・モス、「テラノバ」のジェイソン・オマラなどキャストが結構豪華なCBSの新シリーズ。第1話の監督をジェームズ・マンゴールドが務めていた。

舞台は1960年のラスベガス。ラルフ・ラムは郊外の牧場で働くカウボーイだったが、街にはカジノが乱立し近代化の波が彼に周りにもやってきていた。そしてカジノの儲けを狙ってマフィアの大物ヴィンセント・サヴィーノが到着するなか、大戦中の上官であった市長によってラムは保安官に任命され、汚職うずまく街に法と秩序をもたらそうとするのだったが…というような話。

「LOST」ライクな番組にとって代わって、最近はこういう「マッドメン」ライクな60年代ドラマが毎シーズン出てくるようになりましたね。マイノリティの役者の出演が少ないという点ではあまり歓迎したい風潮ではないのだが。でもラスベガスのセットとかはよく出来てるよ。明らかにグリーンスクリーンの前で撮ったようなショットもチラホラあったけど。ちなみに主人公とかは実在した人物をモデルにしてるらしい。

マフィアのボスと保安官の対立を描いた重厚な政治ドラマになるのかと思いきや、第1話では知事の娘の殺人事件が焦点になってたりして、比較的刑事ドラマに近い内容になっていた。ボスを演じるマイケル・チキリスが意外と物わかりのいい人として描かれていて、あまり怖くないんだよな。やはり地上波ネットワークだと過激なことはあまり出来ないのかしらん。そしてガンコ親父を演じるデニス・クエイドは一時期のハリソン・フォードによく似て来たなあ。キャリー・アン・モスは熟女の色気が出てていいのだが、どのくらい重要な役になるのかがよく分からず。

全体的に悪い出来ではないんだが、ただのレトロな刑事ドラマで終わるのか、それ以上のものになるのかは今後のエピソードに期待したいところです。