「Night of Too Many Stars」第4弾鑑賞


前回からちょうど2年たって行われた、コメディセントラルによる自閉症の子供たちのためのチャリティ・イベント第4弾。司会は毎度のごとくジョン・スチュワートで、大統領選に向けて「デイリーショー」も忙しいだろうに頑張ってるよね。

前回はロサンゼルスから生放送をやってたのに対して今回はニューヨークの「デイリーショー」のスタジオにセットを設置し、ビーコンシアターで行われたイベントの録画を流しながらライブで募金を募るという形式だった。ゲストは相変わらず豪華で、イベントに出たのがセス・ローゲンやスティーブン・コルベアー、ティナ・フェイにエイミー・ポーラーなどなど。そして募金の電話の対応をしたのがトム・ハンクスやジュリアン・ムーア、ポール・ラッド、ジミー・キメルなど。

今回のテーマは「敵同士も仲良くする」ということで、宿敵同士がチャリティのためにステージで共演するといったもの。保守論客のビル・オライリーがリベラル派のクリス・マシューズとヘリウムを吸ってカン高い声で討論したり、スティーブン・コルベアーと熊が一緒に登場したり、糖尿病にかかったシェフのポーラ・ディーンとバターが共演したり。ちなみにバターの中の人はケビン・ベーコンだった(下の動画)。

音楽のパフォーマンスも今回は多めで、カーリー・レイ・ジェプセンとハーヴェイ・カイテルがデュエットしたり、スティングが「ロクサーヌ」の替え歌を歌ったり。当日はトム・モレロとアカペラグループの共演もあったみたいだけど、番組からはカットされていた。ハイライトは自閉症の女の子が弾くピアノに合わせて歌うケイティ・ペリーで、スチュワートも感涙してました。

あとは恒例の芸能人オークションで、ティナ・フェイとエイミー・ポーラーと街に繰り出す権利とか、セス・ローゲンと一緒にトイレに行く権利とかがオークションにかけられてました。みんな2000ドルとかで落札してんだから金あるよなあ。アル・パチーノとクリスマスカードの写真を撮れる権利なんてのもあったが、パチーノが愛想悪すぎ。せっかく募金してもらったんだからもうちょっとサービスすればいいのに。

さすがに4回目ともなると進行とかもしっかりしてきていて、ライブのときに音声が聞きづらかった以外はとてもスムーズに物事が進んでましたかね。こうしてスターが協力して300万ドル以上の募金を集めたというのだから立派なことです。

「HUNTED」鑑賞


「反撃のレスキューミッション」じゃないほうの「STRIKE BACK」(ここちょっとややこしい)に続く、HBOの関連局であるシネマックスとBBCが共同製作したスパイ・サスペンス。クリエーターは「Xファイル」のフランク・スポトニッツ。

民間軍事会社のエージェントであるサム・ハンターはタンジールで要人の救出ミッションに成功するものの、その後何者かの裏切りによって狙撃され、重傷を負ったうえに身ごもっていた子供を失ってしまう。そしてスコットランドに身を隠して回復した彼女は、1年ぶりに職場に復帰する。そこで彼女は自分を裏切ったのが誰なのかを突き止めようとしたのだ。そんな彼女に新たな任務が与えられ、怪しい経歴を持つ大富豪に接近するよう命じられる。そして大富豪の孫の世話係として彼の家に住む事になったサムだったが、謎の暗殺者が彼女の前に現われるのだった…というようなプロット。

女スパイものだからといって「エイリアス」や「コバート・アフェア」みたいな派手なアクションものを期待してはいけないよ。格闘シーンとかはそこそこあるものの、映像の色づかいは地味だし、ブリティッシュな陰気くささが漂う雰囲気になっている。アメリカの視聴者にこういうのは受けるのかなあ。ストーリーも極めて複雑で、スパイの任務に裏切り者が加わり、さらに第三の謎の組織や、主人公が幼いときに誘拐された事件の伏線などがいろいろ絡み合い、裏のなさそうな登場人物は誰もいないという実にややこしい内容となっている。とはいえアクションやサスペンスを前面に出すことで、観ていて飽きない構成にしているのは巧いな。

主人公のサムを演じるのは「エイリアス」にも出てたメリッサ・ジョージで、他にもアドウェール・アキノエ=アグバエなどが出ている。第2シーズンの製作もほぼ決まっているらしくて、今度はドイツが舞台になるらしい。こういう番組はシーズンが終わって話にオチがつくまでは、いい番組なのか悪いのかは何とも分かりませんな。

「MOONRISE KINGDOM」鑑賞


ウェス・アンダーソンの新作だよ。

舞台となるのは1965年、ニューイングランド地方にある小さな島ニューペンザンス。そこにボーイスカウトの一員としてサマーキャンプにやってきた12歳の少年サムは、島に住む少女スージーと出会って2人は恋に落ちる。そして1年のあいだ2人は文通を続け、つぎの夏に駆け落ちをすることを決意する。こうしてサムはキャンプを、スージーは家を抜け出して両者は落ち合い、山のなかでキャンプ暮らしをしようとするものの、彼らがいなくなったことに気づいたスカウト長や島の警察官、スージーの両親たちが後を追いかけてくることに。さらには巨大な嵐が島を直撃し…というストーリー。

前作「ファンタスティック Mr.FOX」は人形アニメだったので1つの転機になるかな?と思いきや、今回も実にアンダーソン的な作品でございました。メガネ君の初恋というテーマは「天才マックスの世界」を連想させるし、どこか心に陰のある大人たちがいろいろ出てくる点は「ロイヤル・テネンバウムス」に通じるものがあるかな。あの特徴ある色遣いも使われていて実にアンダーソン的。とはいえ今回はなんと16ミリで撮影されていたり、サントラにブリティッシュ・ロックが使用されていないなど目新しい要素もそれなりにあるのだが。

ストーリーは比較的ストレートで、夏休みの課題図書として読まされたような、ジュブナイル向けの冒険小説のスタイルをかなり真面目に踏襲している。少年の主人公が少女に出会い、冒険を繰り広げる夏の物語、といった感じか。とはいえノスタルジアに耽っているわけでもなく、デッドパンなユーモアが随所に散りばめられていたり、登場人物のペーソスが編み込まれていたりといろいろヒネリがあるんだけどね。

サムとスージーを演じる子役たちの脇を固めるのが、アンダーソン作品の常連であるビル・マーレーやジェイソン・シュワルツマン。さらに今回はブルース・ウィリスやエドワード・ノートン、フランシス・マクドーマンドにティルダ・スウィントンといった役者たちが出演してかなり豪華なアンサンブル・キャストを構成しているぞ。みんな手堅い演技でクセのあるセリフを読み上げていて、アドリブとかが入り込む余地はなかったんだろうなあ。

文字通り箱庭のような場所を舞台に、観客不在でストーリーが粛々と進んで行くさまは万事がピッチリと決まりすぎていて、こういうのが合わない人も少なくはないだろう。とはいえアンダーション作品の集大成とも言えるくらいに彼のスタイルが凝縮された作品でもあるわけで、今後は彼の代表作の1つに挙げられることになるんじゃないだろうか。

ちなみにタイトルの「MOONRISE KINGDOM」は最後のシーンで一瞬だけ表示されるので、お見逃しのなきよう。

「Emily Owens, M.D.」鑑賞


これまたThe CWの新作シリーズ。

医学部を卒業したばかりのエミリーはデンバーの病院に勤務することになり、学生時代から好きだったウィルと同僚になって心がときめくものの、高校時代にイジメられた元同級生がいることを知ってゲンナリする。そして厳格なベンダーリ先生のもと、彼女は一人前の医師になるための第一歩を踏み出すのでした…というようなプロット。

なんか医者もののクリーシェがぎっしり詰まった作品。軽傷だと思った患者が突然容態悪化したり、患者が行方不明になったり、医者同士の恋愛とか競い合いとかがあったり、そこらへん既に「グレイズ・アナトミー」とかでやってるよなあという感じ。病院は高校と同じような人間関係があるよ、というアングルが目新しいといえば目新しいのですが、第1話の後半ではもうそんな話が出てこなくなってるし。

主演は「Off The Map」のマミー・ガマー…って要するにメリル・ストリープの娘。ここらへんはコネがどのくらい効いてるんだろう。演技力というのは当然遺伝するものではないので、母親並みの演技力を求めてはいけません。なんかホウレイ線の目立つ顔だなあ、と思ったらもう29歳なのか。ウィル役の人は35歳らしいし、童顔とはいえ新卒の人たちを演じるのはちょっと無理があるかもしれない。

なんかもうちょっと頑張らないと生き残れそうにない番組か。いっそのこと奥の手としてメリル・ストリープを出演させるとか…。

「Beauty and The Beast」鑑賞

The CWの新シリーズ。80年代にリンダ・ハミルトンとロン・パールマン主演でやってたシリーズのいちおうリメークという扱いになるらしい。

キャサリンは学生時代に母親が謎の男たちに殺され、自身も命を狙われたところを野獣のような存在に救われた過去を持っていた。それから9年が経ちニューヨーク市警の警部となった彼女は、とある殺人事件の現場で動物と人間が合わさったようなDNAが検出されたことに疑いを抱く。それを調査するうちに、彼女はヴィンセントという男性と出会う。ヴィンセントはアフガンにおいて軍の人体実験を受け、野獣並みの感覚と運動能力を身につけたのだが、それによって政府に追われているのだという。そして過去にキャサリンを救ったのも彼であった。自分の母親を殺した男たちと、ヴィンセントを狙う者たちとの間に何かしらの接点を感じたキャサリンは、こうしてヴィンセントの助けを借りながら真相を明かそうとするのだった…というような設定。

まあ要するにコンセプトは「美女と野獣」で、80年代のやつではロン・パールマンがライオンのようなメークをして「外見は醜いけど心は高貴な野獣」を演じてたのですが、そこはイケメン大好きなThe CWのこと、今回の野獣は外見もしっかり美形になってます。頬に傷があったり、激高すると「エンジェル」みたく凶暴な顔つきになったりするものの、基本的にはイケメン。ここらへんは「トワイライト」の要素が多分に入ってるよなあ。

キャサリンを演じるのは「ヤング・スーパーマン」のクリスティン・クルック。東洋の血が入った彼女のルックスは俺結構好きだな。アクションシーンはなんかモタついてますが。そしてイケメンのヴィンセントを演じるのはジェイ・ライアンというニュージーランド出身の役者らしい。あとは有名な役者などは出ていないような。

「AV CLUB」では最低点の「F」がつけられるなど批評家の評判は悪いようですが、これってみんな80年代のやつと比較してるのかな。個人的には可も不可もない、典型的なThe CWの番組だと思いましたが。うまく全米の腐女子の心の琴線に触れることができれば、ちょとは長続きするシリーズになるのではないかと。