「EXILE」鑑賞


BBCの全3話のミニ・シリーズで、主演は「ライフ・オン・マーズ」のジョン・シムとジム・ブロードベント。

性格に難がありロンドンでの職を失ったジャーナリストのトムは、10数年ぶりに地方の実家へと帰ってくる。そこには同じくジャーナリストだった父親と妹が暮らしていたが、父親はアルツハイマーにより息子の顔も分からない状態で、彼の面倒を妹が長年見ていたのだった。トムには10代のときに父親が保管していたファイルを覗き見たことで彼にひどく殴られ、それがきっかけで家を飛び出したという過去があり、いったいそのファイルには何が隠されていたのか彼は探ろうとする。しかしそれによって地元の有力者にまつわる大きな陰謀が明らかになっていき、さらにトムは自分に関わる秘密を知ることになる…というようなスリラー。

いかにもイギリス的な、どんより曇った天気の下でどんより話が進んでいく作品で、観終わったあともあまりカタルシスのようなものは得られなかったりする。陰謀の謎解きもちょっと都合のいい展開が続いたりして、例えば精神病院にまつわる謎がでてきたときに、トムの彼女の母親がそこで長らく働いていたことが判明して彼女から手がかりを得たりするのはちょっと安直なんじゃないかなあと。事件の黒幕との対決も結構あっけなかったし。

あとはシムとブロードベントの演技に期待するしかないのだが、前者は酒ばっか飲んでるし、後者はアルツハイマーという役柄のため他人とのかけ合いが皆無でちょっと肩すかし。「トロピック・サンダー」の「Never go full retard!」ってのはこういうことかと実感しましたよ。むしろ父親の面倒を見ることで青春時代をすべて無駄にした妹の演技の方が悲哀が出ていて良かったな。

全体の作り自体は手堅いので観ていて飽きるような作品ではないし、視聴者の評判も良いようなのだけど、人気俳優を2人起用し、アルツハイマーという題材を扱っていながらも比較的平凡な内容になってしまったのが残念。

「BODY OF PROOF」鑑賞


こないだ始まったABCの医療ドラマ。

ミーガン・ハントは世界的な神経学者であったが、交通事故に遭ったことで手に障害が残り、医師として現場で活動することができなくなってしまう。そこで彼女は検死官となり、殺人事件の被害者の遺体からさまざまな手がかりを見つけ出し、事件を解明していくのだった…というような話。主演はダナ・デラニーで、「ザ・ワイヤー」のソニア・ソーンとかセブン・オブ・ナインことジェリ・ライアンなんかも出てるぞ。

主人公が無愛想なんだけど天才的な医者という設定は「ハウス」そのまんま。体に障害があるというのも似てるな。でもこちらの主人公は疎遠になった娘とよりを戻そうとしてたりして、ちょっとウェットなところもあったりする。あとは「CSI」とか「クロッシング・ジョーダン」あたりの検死ドラマと似たり寄ったりで、目新しい所は何もなし。警察はマヌケな推理ばかりを繰り返して主人公の引き立て役になっているし、怪しそうな人物が実は犯人ではなかったという展開がCM3回分くらい繰り返されて最後に意外な犯人が逮捕されて終わり、というパターンは以前に何百回と見せられたぞ。こういうお決まりの展開が好きな人もいるのは承知してますけどね、俺の好きなドラマではないな。

55歳のオバさん(でも異様に若く見える。ジェリ・ライアンのほうが老けて見えるくらい)を主人公に持ってきたことは讃えるが、個人的にはどうでもいいや、といった感じの番組。

「英国王のスピーチ」鑑賞


遅ればせながら。なんかとても無難な映画だなあという感じ。「事実に基づいた物語」「英国皇室のドラマ」「ハンディキャップに打ち勝つ主人公」といういかにもアカデミー賞向けの題材に、エグいキャンペーンを行うことで知られるワインシュタイン・カンパニーが加わればオスカー映画のいっちょあがり〜といったところか。

世界で最も演技が巧い役者だと思うジェフリー・ラッシュとコリン・ファースのやりとりが面白いことに救われて、彼らの会話シーンが大半という構成にも関わらず中だるみしない出来になっているものの、どうも話の展開にメリハリが無いような?主人公の吃音症のもとになった幼少時のトラウマ的経験についても会話のなかでさらっと説明されるだけだし、戦争を目前にして国民に訴えかける義務をもった彼の決意とか、彼の症状の改善に向けたブレイクスルー的発見みたいなものもあまり描かれていなくて、比較的淡白な内容になっていたような。

特に兄のエドワード8世は後にナチスと組んで王位の奪還を画策したほどの稀代のボンクラであることは周知の事実であるわけで、兄との確執をもっと深く描いても良かったような気がする。また献身的な妻を演じるヘレナ・ボナム=カーターもいい演技をしてるのだけど、我々にとってのクイーン・マザーというのはハイヒールと厚化粧をして130歳くらいまで生きたオバさんというイメージが強いので、頭のなかでそのイメージとボナム=カーターの姿が錯綜してしまったよ。

アカデミー賞を穫ったこと自体は驚かないけど、これが昨年ベストの映画かといったらそうではないわな、といった作品。

「Fight For Your Right Revisited」鑑賞


言わずと知れたビースティ・ボーイズの新譜にあわせて作られた短編映画。監督はメンバーの1人であるアダム・ヤウク。

ストーリーはあって無いようなもので、イライジャ・ウッドとダニー・マクブライドとセス・ローゲンが演じるビースティ・ボーイズがビール飲みながらニューヨークの路上で乱痴気騒ぎを広げているうちに、ウィル・フェレルとジャック・ブラックとジョン・C・ライリー演じる未来の彼らと遭遇し、ダンス・バトルを繰り広げるというもの。いつの間にか小便のかけ合いになってしまう展開がアレですが。

とにかく出演者が豪華で、上記の6人のほかにウィル・アーネットやテッド・ダンソン、キルステン・ダンスト、スーザン・サランドンなどといった有名俳優がわんさかとカメオ出演している。たぶん近くのスタジオで撮影している人たちに片っ端から声をかけたんだろう。知ってる顔がどれだけいるかを数えながら観るのもいいかも。カウベルを叩くウィル・フェレルなんていう懐かしいネタも入ってるぞ。