「SHAMELESS」鑑賞


ショウタイムの新作ドラマ。イギリスで8シーズンも続いている人気シリーズのリメイクらしいが、俺はそんなドラマがあったことを知らなかったよ。

シカゴの郊外を舞台に、始終飲んだくれて仕事もせずに生活保護で暮らし、妻にも逃げられたオヤジのフランク・ギャラガーと、彼の6人の子供たち(娘2人息子4人)が貧しいながらも愉快に暮らして行こうとする姿を描いた内容になっていて、第1話では長女にボーイフレンドができたり、次男がゲイであることが知られるなんて展開が起きていた。

名優ウィリアム・H・メイシーがフランクを演じるほか、ジョーン・キューザックが出ているなどキャスティングはなかなか豪華。長女のフィオナを演じるのがエミー・ロッサムでそのボーイフレンド役がジャスティン・チャットウィンって…「DRAGONBALL EVOLUTION」のブルマと悟空じゃないかよ!日本人には不安を抱かせる配役ではあるが、ここではきちんとしたシリアスな演技を見せてくれるぞ。2人のセックス・シーンもあるので、「悟空とブルマがXXX」などと脳内で変換したい方はどうぞ。

第1話ということもあり話の展開が少し詰め込まれすぎている感じがしなくもないが、貧しき庶民の生活をうまく描いた、よく出来た作品になっていると思う。ストーリーはイギリスのやつをたどる形になるのかな、それともオリジナルのものになるのかな?性的にちょっときつい描写もあったりするので日本での放送は期待できないかもしれない。

そしてやはりウィリアム・H・メイシーの演技が毎回観られるというのは羨ましいですね。酔っぱらいながら啖呵を切る演技なんかは実に巧い。これに出たことで映画作品への出演が減ってしたらちょっと嫌だけど。

「OFF THE MAP」鑑賞


ABCの新作ドラマで、「グレイズ・アナトミー」のプロデューサーによるジャングル版「グレイズ・アナトミー」。

ちょっと暗い過去を持つ3人の若き医師見習いたちが、新天地を求めて南米の僻地にある医療施設にやってくるものの、そこはろくな医療設備や薬も揃っておらず、即興での手術が求められるような大変な場所だった。おまけに現地の住民との意思疎通もうまくいかず苦労するばかり。それでも彼女たちはそこでの経験を通じて成長していくのだった…というような話。

「グレイズ」同様に、一見すると医療ドラマのようだけど実はメロドラマでしたという作品。ワイルドなイケメン医師(シャツの着替えシーンあり)を筆頭に、彼の相棒である賢い黒人医師や母親的存在の女性医師、ちょっとビッチっぽい美人医師といったありがちな面子が揃っていて、彼らと3人の医師見習い(メリル・ストリープの娘もいる)のくんずほぐれつな人間関係が延々と描かれて行くであろうことは想像に難くない。

大自然の描写は美しいし(ただし撮影場所は南米でなくハワイらしい)、それなりに医療行為のシーンもあって、輸血用の血液が無いからココナツの液で代用したり、患者を思い出の場所に行かせたいからといって救急ヘリの出発を遅らせたりしてるんだけど、それって医者としてやって良いことなのかね。あと英語を話さない現地の住民たちを「なんか野蛮で不気味だけど、真面目に治療してあげれば心が通じる人たち」というように描いていたのはあまり好きになれなかったな。

個人的には「グレイズ・アナトミー」のどこが面白いのか全く理解できませんが、あれを好きな人ならこちらも好きになるんじゃないですか。本国での評判は悪いようなので長続きするかは微妙なところだけど。

「Bob’s Burgers」鑑賞


フォックスの新作アニメ・シリーズ。米iTunesストアでは「ファミリー・ガイ」のエピソードと抱き合わせという珍しい形で第1話が無料提供されてたんだけど、そこまでしないと観てもらえないと考えてるのか?

遊園地の近くでバーガー屋さん(隣は火葬場)を経営するボブの一家を主人公にしたコメディで、マヌケだけど気のいいボブを筆頭に、口うるさい妻のリンダや性格の暗い娘のティナ、いたずら好きの息子ジーン、活発な娘のルイーズたちが、客の不入りや当局の衛生検査などにもめげずに店をやりくりしていく姿を描いた内容になっている。

会話のテンポとかは結構よくて、意外と楽しめるところがあったりしたんだけど、いかんせん「シンプソンズ」や「ファミリー・ガイ」、あるいは「サウスパーク」が既に通った道をたどっているだけという感想は否めず。なんでフォックスのアニメ作品の家族構成はこうも似てるんだろう?あと幼児虐待や人肉食といったブラックなジョークも出てくるんだが、それで笑いをとりに行こうとするのって芸がないんじゃないの。

コメディ・セントラルやアダルト・スイムみたいなところだったらある程度人気がでたかもしれないが、地上波ネットワークではたぶんすぐに打ち切られるであろう程度の作品。「フューチュラマ」や「キング・オブ・ザ・ヒル」といった偉大な先人たちを超えるようなものでは決してないな。

「EPISODES」鑑賞


「ジョナ・ヘックス」のプロデューサーの1人として大金を損したであろうマット・ルブランクが本人役で出演するコメディ。アメリカとイギリスの合作になるのかな?「フレンズ」のプロデューサーも関わってるみたい。

イギリスで人気番組のプロデューサーをしているショーンとビバリーの夫妻は、その人気番組をアメリカでリメイクしないかと誘われ、意気揚々とハリウッドへやってくる。しかし彼らの要望は能天気なスタジオの重役にことごとく却下され、主人公にもイギリス版と同じ役者を起用せず、マット・ルブランクを使うように命じられてしまう…というような話。

いちおうルブランクが主人公のはずなんだけど、第1話では殆ど出演してなかったな。でもリチャード・グリフィスがゲスト出演してたぞ。イギリスとアメリカのカルチャーギャップやショウビズ界の裏側を描いた内容や、ラフトラックがなくて気まずい雰囲気のシーンで笑いをとろうとする手法とかは、ここ数年のテレビ番組で何度も観たなあ…といった感じで目新しさは無い。テレビ業界の話という点では「EXTRAS」に近いものがあるかな。マット・ルブランクってこういうちょっとヒネった作品じゃなくて、もっと単純なシットコムに出たほうがいいんじゃないかと思うんだけど、どうなんだろうね。

話が進むにつれてもっと面白くなっていくようだけど、個人的にはもういいや、といった程度の作品。

「THE AMERICAN」鑑賞


アントン・コービンが監督した、ジョージ・クルーニー主演の映画。

プロの殺し屋で武器職人でもあるジャックはスウェーデンで何者かに命を狙われたことでイタリアに逃亡し、知人の手を借りてカステル・デル・モンテという小さな村に潜伏することになる。そこで彼はライフル銃の製作にとりかかるほか、クララという娼婦と恋仲になる。しかし彼には危険が迫っていた…というような話。

サスペンスなんだかアクションなんだかメロドラマなんだか、いまいち何をやりたかったのかよく分からない作品。いちおう銃撃戦とかカーチェイスがあるんだけどアクション映画というわけでもないし、ユーロピアンなアート映画としては世俗的すぎるというか何というか。どうもストーリーが起伏に乏しく、ダラついた感じがするんだよな。加えて音楽はヘルベルト・グレーネマイヤーという人気歌手が始めて映画音楽を担当したものらしいが、どうも扇情的というか大げさな感じがして好きになれなかったよ。

ストーリーには原作があるらしいけど、良心の呵責に苛められる殺し屋とか、心優しい娼婦なんてのは他の映画で山ほど目にしているので新鮮さはなし。仏頂面で黙々と仕事をする主人公を演じるジョージ・クルーニーの演技は悪くないんだが、あくまでも「演技しているクルーニー」にしか見えなかったぞ。もっと無名の役者を起用したほうが話のリアリティが増したんじゃないの?ストイックなキャラクターのようで風俗通いだけはマメに行っているというのもよく分からんし…。その一方で娼婦のクララを演じたヴィオランテ・プラチドは非常に美しいですよ。「ゴッドファーザー」でマイケル・コルレオーネの最初の妻を演じた女優さんの娘らしいが、大胆な脱ぎっぷりを披露してくれてます。

なお写真家のコービンが撮った映画ということもあって、夜の路上とかイタリア山地の風景とかの映像は非常に美しい。コービンの写真ってセピア色のものとかピンボケした人物写真のイメージが強かったんで、このような風景映像が撮れるのは意外だったけどね。それがやはり大げさな音楽によって台無しにされてるのが残念なところです。あとイタリア語が話されるシーンにおける英語字幕がものすごく小さかったんだけど、なんだあれ?

もっとアートハウス・シネマ的なものを目指せば良かったんだろうけど、代わりにテレビ東京で昼間にやりそうな程度の作品になってしまったのが惜しいな。