「最前線物語」鑑賞

71ppc87pfql_ss500_gif.jpg

サミュエル・フラーの代表作(だよな?)である「最前線物語」を鑑賞。最近は158分の長尺版が出たらしいけど、今回観たのは従来の113分バージョン。

「大きな赤の1番」こと第1歩兵師団の第二次世界大戦における姿が、いくつもの小話として描かれていく作品で、全体的な統一感にこそ欠けるものの、フラーの経験に基づいた戦闘描写が非常に細かく凝っていて見応えがある。なかでも迫力があるのはやはりノルマンディー上陸の戦闘で、鉄条網を破るために兵士たちが順番通りに爆弾筒を抱えて進もうとするものの、ちょっと進むたびに狙撃されてバタバタ倒れていくさまは、あまりにも人が死ぬのでまるでドリフのコントか何かを観てるような気になってしまう。波打ち際の死体の腕時計(どんどん血まみれになっていく)によって上陸作戦が長引いていることを伝えるという演出もなかなか巧いね。

出演者には「帝国の逆襲」に出たばかりのマーク・ハミルなどもいるけど、やはり1人で映画を食ってしまっているのがベテラン軍曹を演じるリー・マーヴィン。敵の裏をかいてドイツ軍兵士をナイフでサクサク刺し殺していく一方で、強制収容所にいた子供を気遣うなどといった、奥の深いキャラクターを寡黙にうまく演じきっている。

ちなみに作品を通じて部下たちが軍曹に軽口を叩きまくってるんだけど、これは現実でもそうだったんだろうな。日本軍だったら即座に上司に処刑されてそうなものですが。

「フラッシュ・ゴードン」鑑賞

flashgordon.jpg

Sci-fiチャンネルの最新オリジナル番組「FLASH GORDON」の第1話がiTunesストアで無料配布されていたので鑑賞する。これは名前のとおり、コミックから始まってTVシリーズや映画にもなったSFの古典的傑作「フラッシュ・ゴードン」の最新のリメイク作品なんだが、アメリカではすでにボロクソに叩かれているようで、確かになんかものすごくダメな作品になっていた。

そもそも「フラッシュ・ゴードン」って大宇宙を舞台にした血湧き肉踊る冒険活劇のはずなのに、なんか微笑ましいくらいにチマチマした内容になってしまっているのが痛い。主人公のフラッシュ・ゴードンはいい年して母親と暮らしているヤサ男という設定で、地元のボウリング場(トホホ…)に出現したエイリアンの謎を追ううちに空間ゲートを通ってモンゴ星に到着するわけだが、そんな状況になっても元カノのヒロインと痴話ゲンカを繰り広げるような、とてもじゃないがヒーローとは言い難い奴になってしまっている。そしてモンゴ星の支配者、情け容赦なき皇帝ミン様といえば従来は狂ったモンゴル人のような容貌が印象的なキャラクターだったのに、今回のミン様はベンチャー企業の若社長のようなショボい格好になっていて、全然怖くないでやんの。しかも娘がいるんだけど、こいつがスポイルされたすげー生意気な女で、地球に来ても自分に似合う服がないと言って文句ばかりたれてやんの。これのどこがSF活劇なんだよ!ロケットも宇宙船も出てこないし、空間ゲートを通って異星に行く話だったら「スターゲート」のほうが100倍は面白いぞ。というか大昔の白黒のシリアル映画のほうがまだ観てて興奮できたと思う。ダメ作品!打ち切れ!

fuckoff.jpg

これがかつてのミン皇帝様。怖いね〜!

16.jpg

んでこれが今回のミン。俺でもケンカに勝てそう。

トニー・ウィルソン死去

まだ57歳だったのか。マンチェスター出身のバンドの大半が何かしらの形でこの人に関わっていて、ジョイ・ディビジョンやニュー・オーダーなどを世に送り出した功績は確かに偉いんだが、その一方でいわゆる「マッドチェスター」シーンの立役者でもあり、実のところ俺はあまり良い印象を抱いてない人だったんだよね。マッドチェスター最盛期のときにイギリスに住んでたけど、サイケな服を着てエクスタシーをキメてクラブで踊ろうぜ〜!という雰囲気はどうしても好きになれなかったな。うむ。彼の自伝的映画「24アワー・パーティー・ピープル」はそこそこ面白かったけど。

「EUREKA」鑑賞

eureka.jpg

iTunesストアで1年くらい前に無料ダウンロードしてた、Sci-Fiチャンネルのオリジナル・シリーズ「EUREKA」のパイロット版をやっと観た。60分を超えるテレビ番組ってなかなか観る気になれなかったんだよな。でもそれなりに面白い番組だった。

連邦保安官のジャック・カーターは、娘を載せて田舎道を走っている際に事故に遭い、「ユリイカ」という名の町にたどりつく。そこは一見のどかな田舎町だったが、実は大きな秘密が隠されていた。ユリイカの住民たちはすべて、アインシュタインの助言によりトルーマン大統領によってアメリカ中から集められた天才科学者(とその子孫)であり、町では想像を絶する発明と実験が日常的に行われているのだ。そんな町の保安官として働くことになったカーターは町で起きるさまざな珍事件を解決していく…というのが主なプロット。ハードSFではなくコメディ・タッチの作品で、「メン・イン・ブラック」に通じるところがあるかな。

Sci-Fiチャンネルのオリジナル・シリーズとしては「ギャラクティカ」に遠く及ばないとはいえ、「DRESDEN FILES」よりかは面白い佳作。