笑って健康ゲラゲラTIME

インターネット放送局「あっ!とおどろく放送局」の1コーナー「笑って健康ゲラゲラTIME」に、今月は知人であり高田馬場のカレー屋「ラージプート」でおいしいおいしいチャパティつきの(ナンじゃないよ)カレーを作っておられた宮崎弘子さんが出演しておられます。彼女のカレーに対するこだわりは非常に熱いものがあります。興味がある方はぜひ見てみてくださいませ。

しかしインターネット放送局って、どのくらい需要があるものなんだろう。「あっ!とおどろく放送局」はどうも複数の会社が共同で運営してる試験的なチャンネルのようだけど、番組製作費は相当安いんだろうなあ。地上波テレビ局のニッチを攻めて行かなければならないのだから、あんなテレビ埼玉みたいな番組構成じゃなくてもっと偏ったものにしないとキツいんじゃないか、と思うのは素人意見でしょうか。いつでも自分の見たい番組が見れるのは便利だろうけど。生きる屍と化したBS民放よりは成功のチャンスがあるかしらん。

「シン・シティ」を観た

明日(4/1)の公開日が待ちきれないので、夜の先行公開で「シン・シティ」を観る。9時半の回を観ようとしたら既に売り切れだったので10時のやつにすることに。それだけ皆の期待度が高い作品なんだろう。10時の回も場内は観客で一杯だった。客層はコミックのファンというよりも普通の若者グループやカップルが多かったかな。本編開始前に「エピソード3」の予告編が流れてダース・ベーダーが一瞬だけ登場したら、皆が一斉に拍手してたのが面白かったっす。

そしてついに姿を現した劇場版「シン・シティ」。ロバート・ロドリゲスが監督組合を脱退してまで作ったこの映画は原作に徹底的に忠実に作ることを目的としており、原作者のフランク・ミラーが共同監督としてクレジットされているほどである。白と黒のコントラストが強烈な原作そのままに、映画のヴィジュアルもまた灰色を省いた白黒を使い、赤や青といった原色を効果的にワンポイントで入れたりしている。画面構成も原作に近いものになっており、ストーリーやセリフはほとんどそのまんま。原作のファンとしては嬉しい限りの大サービスといった感じか。「コンスタンティソ」を作った連中に見せてやりたい。

ただコミックをそのまま持ってくれば同じ雰囲気を保てるというと必ずしもそうではないわけで、そういう意味では損をしてるような箇所がいくつかあったと思う。特に話のペースが急ぎ気味だったかな。あと原作は極度のバイオレンスをブラック・ユーモアと美しいスタイルのアートが中和しているようなところがあったけど、映画では暴力描写だけが際立ってしまっているのが残念だった。電気イスのシーンなんか原作はもっと美しくまとまってると思うんだが。

■映画は3つの長編と1つの短編からなる一種のオムニバス形式をとっているので順に感想を述べる:

「THE CUSTOMER IS ALWAYS RIGHT」:原作は短編で、映画ではブックエンド形式をとっている。原作は未読だが可も不可もない出来上がりじゃないでしょうか。

「THAT YELLOW BASTARD」:これまたブックエンド形式。老刑事役のブルース・ウィリスがいい。ジェシカ・アルバも(意外ながら)良かった。YELLOW BASTARD役のニック・スタールは外見が原作そのままなのはちょっとアレかと。

「THE HARD GOODBYE」:ミッキー・ロークが山ほどメイクをして久しぶりに元気な姿を見せてくれている。殺人鬼役のイライジャ・ウッドも意外なくらい役にはまってた。さらにはルトガー・ハウアー御大も登場ときては喜ぶしかあるまい。ただすいぶんペースが忙しい話になっているような気がした。ここらへんが、自分で読む速度を調節できるコミックスと映画の大きな違いなんだろう。前述したように暴力描写がちょっとキツいのが難点か?
ちなみに司祭を演じるのはフランク・ミラー。

「THE BIG FAT KILL」:個人的には一番好きな原作。ドワイト役にクライブ・オーウェンが見事にハマっていた。デボン・アオキもちょっと背が高いことを除けばミホ役を好演。途中で出てくる傭兵の集団がアイルランド人だったとは知らなんだ。原作だと非常に印象的な恐竜のシーンが短かったことが残念かな。あと同じフランク・ミラー原作の「マーサ・ワシントン」シリーズに出てくる軍隊のマークが(原作通り)ちょこっとフィーチャーされてた。
タランティーノが監督してるという車中のシーンは、個人的には間延びしててダメ。

そして全体的な感想としては、満足できる出来なんだけれども、コミックを映画化する場合どの程度まで忠実であればいいのかを良くも悪くも示した作品になっている。コミックと映画というのはやはり違う媒体なんだなあと変なところで感心してしまった。とりあえず観に行く前に原作にざっと目を通しておくことをお勧めします。

ちなみに聞いた話ではロドリゲスはコミックの全てのエピソードを映画化したがってるという話なので、続編があるとすれば「FAMILY VALUES」や「A DAME TO KILL FOR」あたりが来るか?

THE YES MEN

WTO(世界貿易機関)などのメンバーになりすまし、世界中のテレビや講演会で珍妙な言動を繰り広げる社会派イタズラ集団「イエス・メン」の活動を追ったドキュメンタリー「THE YES MEN」をDVDで観た。監督は「素晴らしき映画野郎たち」のクリス・スミスら3人。マイケル・ムーアもちょこっと出てる。

イエス・メンの中心メンバーとなるのはビデオゲーム「シムコプター」にパンツ姿の男たちがゾロゾロ登場させるプログラムを書いていたアンディ・ビクルバウム(仮名)と、G.I.ジョー人形とバービー人形の声を入れ替えて店に置いてくるという活動をしていた「バービー解放戦線」のマイク・ボナーノ(仮名)の2人。彼らはまずインターネットで「www.gwbush.com」というサイトを立ち上げ、ジョージ・W・ブッシュの公式サイトをおちょくることに成功する。それからWTOの公式サイトを完全にコピーしてパロディ化したサイト(見比べてみよう)を立ち上げるのだが、そのあまりのそっくりさにダマされた世界中の人々から講演会の招待を受けたことをきっかけに、彼らはWTOの職員になりすまして滑稽なプレゼンテーションを行い、先進国の利益ばかりを追求するWTOの偽善ぶりをコケにしていくのだ。

まず最初の講演会で「イタリアやスペインにおけるシエスタ(昼寝)の廃止」および「売買できる投票権」のプレゼンテーションに成功した彼らはフィンランドに向かい、第三世界の労働者をモニター上で管理する「遠隔奴隷制」と資本家の娯楽時間の確保を両立させる新発明「マネージメント・レジャースーツ」を発表する。金ピカのボディースーツの股間から巨大な棒形の風船が生え、その先にモニターがついてるこのスーツのデザインはかなりマヌケ。しかも講演会で背広を破り捨てて突然そのスーツ姿になるのだから最高に笑える。こんなプレゼンテーションをやってれば普通は追い出されるか警察を呼ばれそうなものだけど、なんと観客たちはイエス・メンの説明をまるで疑おうともせずに拍手までしてしまうのだ。これは人がWTOなどの巨大団体の言うことをそのまま信じてしまうことのいい証明だろう。特典のコメンタリーによると、このプレゼンテーションに文句を言った人は1人しかいなかったとか。

こうして誰にも疑われることなくフィンランドを後にしたイエス・メンの次なる活動場所はアメリカの大学。ここでハンバーガーの有効的なリサイクルについて学生たちにプレゼンを行うのだ。彼らは人体は食物の栄養の20%しか摂取しないことを説明したのち、先進国の人々が食べて「排泄した」ハンバーガーをリサイクルし、発展途上国の人々に与えるという、これまたとてつもない案を発表する。事前に腹の空いた学生たちにハンバーガーを配っておいてからこんな発表をするのが笑える。若い学生が相手だということもあってプレゼン後はかなりの論議が巻き起こるものの、ここでも誰も彼らが偽者だと気づく人がいないのが興味深い。

それから最後に彼らはオーストラリアの講演会に向かい「WTOの解散」を宣言するものの、このネタはちょっと規模が大きすぎて不発に終わったかな。それでもこの話を信じて議会で取り上げた議員がカナダにいたらしい。そしてこれ以降は彼らはWTOから手を引き、標的を別の団体に移していく。

イエス・メン本人たちに言わせると、彼らのやってることはWTOなどの団体が貧しい国々をいかに苦しめているかという真実の姿を人々に見せるための「アイデンティティ訂正」であるらしい。直接WTOを批判しているわけではなく、職員の姿を借りてコケにしているわけだから「批判」よりも「中傷」の色合いが強いかもしれないが、テレビの討論や観客との質疑応答をうまくこなしてしまう姿を見ると、WTOの活動について実によく勉強していることがすぐ分かる。単なる愉快犯だったらあそこまで出来ないでしょ。
しかし講演会の内容がメディアとかに大きく取り上げられてるのに、WTOがまるで気づかなかったのは何故なんだろう。ちなみに以前にWTOがシアトルで会議を開いた時に起きた大暴動は、実はデモ隊の後ろに潜んでいた私服警官がわざと起こしたものだという話を聞いたことがあるが、その一方ではイエス・メンのような連中がWTOに潜んで活動してるわけだ。

この映画の完成後もイエス・メンはいろんなところから講演の依頼を受け続け、最近ではダウ・ケミカルのスポークスマンになりすましてBBCに出演したらしい。今後はどんなところに彼らは出現するのだろう?

Eccleston quits Doctor Who role

放送前に映像がネット上に流出したにも関わらず、新「ドクター・フー」第1エピソードの視聴率はずいぶん好調だったらしい(やはり流出は宣伝目的だったのか?)。

おかげでBBCは早くも第2シーズンの製作にゴーサインを出したらしいが、主演のクリストファー・エクレストンが降板することが決定したようだ。理由は他のプロジェクトに関わったことと、ドクターのイメージに固定されることを懸念したためらしいが、エクレストンなんていろんな劇場作品に出演してるわけだし、ドクターの役が足かせになることはないと思うんだが。

後任の役者はデビッド・テナントとかエディー・イザードとかが噂されているらしい。イザードのドクターはちょっと見てみたい気がする。しかしこんなにすぐドクターが代わっていたら、彼の命がいくつあっても足りないだろうに。

COUNTDOWN TO INFINITE CRISIS

DCコミックスの今年(来年?)の大イベントである「INFINITE CRISIS」の予告編的作品「COUNTDOWN TO INFINITE CRISIS」が発売されていたので早速購入。80ページで1ドルという、赤字覚悟の大安値だった。この話から4つのミニシリーズが同時期に始まり、それぞれが6号まで出版され、そこからやっと「INFINITE CRISIS」が始まるという、なんとも壮大というか気の長いコンセプトになってるらしい。

それで肝心の内容はというと、これはちょっと…といった感じだった。比較的マイナーなヒーローである「ブルー・ビートル」がストーリーの語り手だというのは個人的には嬉しいのだけど、最後に明らかにされる黒幕は何かショボいし、とても気の滅入る終わり方もどうかと。あくまでも予告編ということで、数多くの謎をばらまき読者を欲求不満にさせるのが目的なのは分かるけど、個人的にはこれから先の話の展開への興味がそがれるような内容であったのが残念。

それでもDCコミックス史上で最大のイベントであった「CRISIS ON INFINITE EARTHS」の続編と宣伝されてる「COUNTDOWN TO INFINITE CRISIS」がどんな話になるのかは興味津々なんだけどね。