近所の映画館へ「End Of The Century: The Story Of The Ramones」を観に行く。タイトルからも分かるようにラモーンズの伝記映画である。役者がそれなりにきちんとセリフを発声するフィクションと違って、ドキュメンタリーはコメントする人がモゴモゴ喋ってる場合が多く、字幕がないと結構理解に苦しむ場合があるのだけど、今回もそんなものだった。特に低い声で話すジョニー・ラモーンと、グチをたれまくるボケた老人のごときディー・ディー・ラモーンが何言ってんのか分からなくなることがあったのが痛い。
クリスマスパレード
ダウンタウンでクリスマスのパレードがあるということで出かけてみる。ダウンタウンを斜めに横断するような形でフロートや鼓笛隊、仮装した子供たちが延々と練り歩き、最後にサンタが登場するという形式のパレードだった。パレードの出し物はやけに多く、全部が通過するのに30分以上はかかったんじゃないだろうか。クリスマス・シーズンに突入するということで11月にパレードをするらしいが、12月だったら寒くてやってらんないというのもあるんだろう。このパレードに限った話ではないが、トロントにはとても子供が多いような気がする。でも大家さんの話ではカナダ人の出生率は下がっており、人口が増えているのは移民の子供のおかげだという。日本も出生率の低下が問題になって久しいが、移民をもっと受け入れないと将来ろくなことにならないんじゃないか。
ノー・マンズ・ランド
日本でDVDをリッピングしていた映画「ノー・マンズ・ランド」をやっと観る。コメディかと思ったらラストはとても後味の悪い映画だった。それなりにいい出来なんだけど、アカデミー賞をとるほどのものだろうか。ずっとパソコンの画面を見てたらさらに頭が痛くなる。
ボランティア考
仕事を見つける代わりにボランティアでもしようかと思ってボランティア・センターを訪れる。しかし金曜日は半日で閉まってしまうのだった。いちおうセンターの人と話はできたのだが、「うちの情報は全部ウェブサイトに載ってるわよ」とつれない返事。ウェブでいちいち検索するよりも壁に貼ってある募集要項を見る方が楽だからいちいち来たのだが。
その後はダウンタウンのコミック屋で立ち読みをしてくる。いいコミックがいろいろ出ているのだけど、カナダ価格はやけに高いんだよなあ。単行本になってから日本でアマゾンから買った方がずっと安上がりなので、とりあえずカナダにいる間は立ち読みに徹することになるだろう。ちょっと情けない。
メディア考
市がやっている無料の英会話クラスに参加してみる。生徒のメンツは中国人が4人、韓国人が1人。みんな英語がまるで話せないので、授業(皆で話すだけだが)のレベルは残念ながらとても低かった。あまり通う意味はないかな。それでもみんな職を持っているらしい。移民の資格があると職探しも楽なのだろうか。ちなみにみんな英語名を持っていたりする。俺もマーマデュークとかホレイショとか名乗ってみようかな。
トロント・サン紙の特集記事が「衰退するカナダの映画業界」だったので早速読んでみる。大衆紙なので大げさな書き方をしているが、要するにアメリカドルに対してカナダドルが強くなったので、映画の仕事がアメリカから来なくなったということらしい。これはカナダに着いてから皆が口にしているような気がする。別にカナダの景気がいいわけじゃなくてアメリカの景気が悪いからカナダドルが強いわけだが、ブッシュの再選のおかげでこの状況はあと4年は変わらないような気がする。うーむ。
夜はカナダの映画の歴史についての特番を見る。時代順でなくテーマごとに紹介していく内容なので理解しにくい部分もあったが、ハリウッドの黎明期にはメリー・ピックフォードなどのカナダ人が大きく関わっていたとか、政府の助成金を使ってクローネンバーグが「シバーズ」を作ったらポルノまがいの最低映画だと酷評されたとか、そんな話が面白かった。前から見たいと思ってるイヌイット映画「氷海の伝説」の監督もカナダ人なんですね。
さらに夜遅くにはデビッド・レターマンの番組にハワード・スターンが出ていた。前にも書いたように規制を嫌って衛星ラジオへ移行することへのアピールに徹していたが、「連邦通信委員会の規制は異常だ。俺は言いたいことを言えるようにするため、有料放送へ移る」なんてことを堂々とテレビで言える有名人は日本にいないよな。もちろん不適切な発言をすればいいってものじゃないけど。あとWOWOWのような有料放送でも規制がそれなりに厳しいのも問題だろう。HBOなんかは表現が自由であるからこそ内容の優れた番組を作れてると思うのだが。