「Harold & Kumar Go to White Castle」鑑賞

数年前にアメリカで公開されてカルト的人気を博したストーナー(ラリパッパ)・コメディ「Harold & Kumar Go to White Castle」を観た。

これはニュージャージーに住む韓国系のハロルドとインド系のクマーが、マリファナをキメてハイになったあと「腹がへったぜ!」ということでアメリカ最古のファストフード・チェーン「ホワイト・キャッスル」まで遠路はるばる車をとばすものの、道中でさまざまなトラブルに見舞われ…といった内容の作品。日本でいえば船橋に住む在日韓国人とイラン人がドムドムハンバーガーを食べに出かける、といった感じになるのかな。

主人公ふたりが白人のにーちゃんだったらフォックス・サーチライトあたりが好きそうな人畜無害のコメディになっていただろうけど、黒人やヒスパニックといったメジャーなマイノリティ(なんだそりゃ)ですらないコンビを主人公にしたことで、人種差別のテーマがかなり前面に出されているのがポイント。銀行員のハロルドは上司に「アジア人は数字が好きだろ」といって大量の仕事をおしつけられ、クマーは「(シンプソンズの)アプー」呼ばわりされながら、白人のゴロツキどもに一晩中迷惑することになるのだ。まあでもシリアスな部分は殆どなくて、基本的には脳天気コメディなんですけどね。

有名人のカメオ出演としてアンソニー・アンダーソンとかクリストファー・メローニとかが出てるけど、一番強烈なのは天才少年ドギー・ハウザーことニール・パトリック・ハリス。ハロルドたちの車に乗り込んでくるなり「バーガーよりもプッシー食いにいこうぜ!イェー!」といった感じで暴走し、裸のおねーちゃんたちをはべらせる熱演ぶりを見せてくれる。あの人ゲイなのによくやるよなあ。

この作品がカルト的ヒットになったことで続編の製作が決定。今度はクマーがテロリストに間違われてグアンタナモに送られた2人が、そこを脱走してブッシュ大統領の自宅に迷い込む・・・というかなり期待できそうなプロットになるらしいぞ。

「HOT FUZZ」のDVDあげます

アマゾンに注文した「HOT FUZZ」のDVDがなかなか届かなかった件は以前にも書いたが、要するに8月初頭に注文したやつは遺失物扱いになって、あらためて9月の初めに頼んだやつがこないだ到着したわけだ。そしたらその数日後に8月に注文したやつが今さらになって届きやがって、何なんだよもうといった感じなのです。包装が通常のアマゾンのとは少し違ってて、どうもドイツ経由で送られたものらしい。だからこんなに遅れたのかな。もしや2重課金されないかと思って心配だったけど、どうやらそれもなさそうなので、1枚の値段で2枚ゲットしてめでたしめでたし。でも実のところ2枚持ってても意味ないんだよね。周りの人にあげるにしてもリージョン1だから観れる環境を持ってる人がいないし。ヤフオクとかに出品しようかと思ったけど手続きがめんどそうなので、いっそのことこのブログを観ている方にプレゼントしやす。送料だけ別途振込みにしようかとも考えたけど、それも手続き面倒そうだし普通郵便なら500円くらいだろうから俺の負担でいいや。でも海外への発送はご容赦を。とりあえず希望する方は「kingink.biz(あっとまーく)gmail.com」まで、受け取り希望の旨を記したメールを送ってください。このブログに対する感想などつけてくれると嬉しいかも。適当なところ(2週間くらい?)で締め切って、独断と偏見で1人選んだうえ、その方に通知のメールを送るので、その後で住所氏名なぞを教えてください。ハズレの方にはお知らせなしよ。なおリージョン1のDVDなので、市販のプレーヤーではまず観れません。鑑賞する方法は各自で考えること。それによりプレーヤーなどに支障が出ても当局は一切関知しないのでそのつもりで。それではメール待ってます。

※11/3追記:プレゼントは締め切らせていただきました。

「HOTEL CHEVALIER」鑑賞

アメリカで今週末公開されるウェス・アンダーソンの「The Darjeeling Limited」のプロローグ的短編映画「ホテル・シェヴァリエ」がiTunesストアで公開されてた。

プロローグといっても物語の導入の手助けになるような内容ではなく、パリのホテルを舞台に男女(ジェイソン・シュワルツマンとナタリー・ポートマン)の語り合いが描かれてるだけ。この前にもう一つプロローグが必要じゃないの?と思ってしまう。ポートマンのずいぶんヒワイな姿が拝めますんで、そっちのほうが価値がある(?)短編かもしれない。

ちなみにウェス・アンダーソンといえば「オニオン」の記事で「彼の作品はかなり型にはまっている」というのを読んだばかりなんだけど、この作品も無表情の会話&凝ったセット&60年代のブリティッシュ・ミュージックとまあアンダーソンらしさが満載の内容になっていた。まああの監督の場合それがいいんだけどね。

「Categories」の表記が文字化け中

なんかWordpressのアップデートの関係で、ページ右側の「Categories」が何故か文字化けしております。皆様のブラウザのせいではないのでご注意を。
いちおうマウスを上に持ってきたときにステータスバーの表記を見れば、どこに何があるのかは分かるかな。記事を投稿するときに、どのカテゴリに入れるのか確認できない点が最大の問題であったりする。

※9/28 直りました。

「捜索者」鑑賞

ジョン・フォード&ジョン・ウェインのコンビによる「捜索者」を鑑賞。ジョン・ウェインってあんまり好きじゃないんだけど、この映画についてははいい評判をよく目にしていたので。

最初は頼れるタフガイだったウェインが、コマンチェ族への憎悪のあまり、彼らに「汚された」自分の姪を殺そうとするあたりから、観る人に「もしかしていちばんヤバいのはインディアンでなくウェインじゃないか?」と考えさせる展開は見事。ただし重厚なテーマが根底にあるだけに、ところどころに出てくるコメディ・タッチの描写がえらく気になってしまうんだよな。インディアンのカミさんとか、結婚式での殴り合いとかを省いていればもっと傑作になったと思うんだが、どうよ?やはり50年代の活劇大作ってこういう娯楽的要素を含まないといけなかったのかしらん。フォード作品の最高傑作の1つとして語られる映画だけど、俺は「駅馬車」とか「怒りの葡萄」のほうがずっと好きだな。

それにしてもこの作品のヴェラ・マイルズといい、「静かなる男」のモーリーン・オハラといい、フォード映画に出てくる気の強い女性たちは本当に魅力的ですね。芯は強いんだけどアバズレじゃなくて、ワガママそうで実際は淑女といった感じで非常に美しい。時代の流れのなかで、ああいった女性たちは姿を消していってしまいましたね。あとタイプとしては正反対のヴァンプ的女優だけど、マレーネ・ディートリッヒがジョン・ウェインの腕にもたれてタバコに火をつけてる写真をベルリンの映画博物館で見たことがあって、その美しさとウェインのダンディさにえらく衝撃を受けたことがあったっけ。