「THE AFTER」鑑賞


以前に「ゾンビランド」とか作ったのに続いて、米アマゾンのインスタントビデオがパイロット版をまた10本くらい製作して公開しているのであります。前回のやつの中では「Alpha House」などがいちおうシリーズ化されているものの、地上波局の番組と肩を並べて賞を次々と獲得しているネットフリックスのオリジナル番組に比べて、アマゾンのはいまひとつパッとしないのは何故なんだろうね。「この10本のうち、投票で人気が高かったものをシリーズ化します」というスタイルはやめて、数本に絞ってがっちり宣伝すればいいと思うのだが。

そしてそのうちの1本がこの「THE AFTER」。ジジは夫と子供を東海岸に残してロサンゼルスにやってきた女優で、今日もオーディションに勤しんでいたが、乗り合わせたエレベーターが停電によりダウンしてしまう。他の乗客と協力して脱出したジジたちだったが、いつの間にか外部では未曾有の混乱が起きていた。原因不明の停電・断水によって街がパニックに陥るなか、ジジたちは救急車を奪取して仲間の1人の邸宅へと避難する。しかしそこにも暴徒があらわれ、さらには謎の言葉を話す不気味な生物も姿を見せて…というプロット。

監督と脚本は「Xファイル」のクリス・カーター。最近は何やってんだろうと思ったらこんな仕事をしていたのか。役者の演技がどことなくぎこちない気もするが、暴徒が街にあふれるシーンとかは大掛かりなセットとエキストラを使って、ネット番組とは思えない規模で撮影してますよ。ただこういうパニックの描写って映画でもテレビ(「ウォーキング・デッド」や「フラッシュ・フォワード」とか)でも最近よく見かけるので、今さらやってもなあ、という感は否めない。

エレベーターに閉じ込められた客の誕生日がみんな一緒だったり、謎の生物の体にあったマークと同じイレズミをしている客がいたりと、それなりに謎めいた設定もあるものの、あまりそっちに焦点があたってなくて「じゃあ次はどうなるんだろう」という気になれないのが残念。あと主人公にフランス人の役者を起用したのは何故だろう?訛りがきつくてセリフが聞き取りづらいのですが。

「Xファイル」ってSFの部分の描写がヌルくて個人的には好きな番組ではなかったが、これもどうも中途半端な内容になっているな。でもクリス・カーターのネームバリュー(あれば)でシリーズ化されるかな?日本のアマゾンもちゃんとこういうのを流せばいいのに。