「シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ」鑑賞

cpkf2a1
公開中なので感想をざっと。いちおうネタバレ注意:

・よく油を差された機械のごとく、多くのキャラクターが登場しながらもきちんと各々の見せ場を作って、展開も分かりやすくしながらストーリーを進めていく手際は、さすがにマーベルの長年の経験が活かされてますね。ルッソ兄弟は前作「ウィンター・ソルジャー」でもアクションと政治性をうまくブレンドしていたわけで、どこかしらアラの目立った「ウルトロン」以上にアベンジャーズっぽい作品になっているかと。

・と言いつつもやはりキャラクターが多すぎるのでは。以前からの登場人物に加えて新しいのもたくさん出てきて、それなりに事前勉強みたいなものが求められるため、これで初めてマーベル映画を観た観客はどこまで楽しめるのだろう?

・ソーとハルクという巨頭ふたりを登場させなかったことで各チームの戦力的なバランスがとれたのは正解だったが、ビジョンも手持ちぶさたな扱いをされていたような。今後「インフィニティ・ウォー」に向けてさらに多くのキャラクターが出てくるわけで、そこらへんの交通整理はきちんとやっておいたほうがいいだろう。

・原作は911テロと愛国法の誕生というアメリカの情勢を反映させた色が強かったが、こちらは事件の発端となるテロがラゴスで起きたのは、ブラック・パンサーのワカンダに絡める必要があったからだろうか。でもアフリカのテロなんてアメリカ政府はろくに気にしないと思うのよね。

・題名に「キャプテン・アメリカ」とついているだけあって基本的にはキャップ側のチームに寄ったつくりになっているが、明らかに厄病神であるバッキーを最後まで守るキャップの動機にいまいち納得ができず、最後の展開には少しモヤモヤするものを感じたのは俺だけでしょうか。

・スパイダーマンの出演は予想してたよりもよかった。トム・ホランドは若き日のトビー・マクガイアを彷彿とさせていい感じ。ビリー・エリオットのミュージカルにも出てたそうだが、ジェイミー・ベルにも似てますね。その一方でマリッサ・トメイのMILFなメイおばさんはヤバい。ピーターよりも精神的に不安定そうなキャラクターにしてどうするんだよ。今からでも遅くないからキャスティングしなおすことをお勧めします。

・ブラック・パンサーがアフリカ訛りの英語を話すのが違和感あったな。確かによく考えれば不自然ではない設定なのだが、完璧な英語(や他の言語)を話せる知的なキャラクターという印象を抱いていたので。あとすべてのアメコミ映画に言えることだが、マスクを外しすぎではないか。

・変装から爆破から拷問まで、すべてひとりでコツコツとやっていくあの悪役は、ご苦労さまでした。

・全体的にはとてもよくできた作品であり、「ウルトロン」の後のフェーズ3の展開を活性化させることに成功している反面、やはりフランチャイズ疲れのようなものを感じてしまうのよな。上映前に「ローグ・ワン」の予告編を観て思いましたが、これから何年にもわたって公開される関連作を随時チェックしていくことを考えると、期待よりも疲労のようなものをなんとなく感じてしまうのです。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です