やっと観てきた.評判通りの素晴らしい出来。キャラクターの立ち方が半端じゃなかった「ダークナイト」には劣るかもしれないが、2時間半の長尺を飽きさせずに最後まで観させるクリストファー・ノーランの手腕は凄いものがあると思う。 自分が何を伝えたいのかをきちんと把握している監督の映画はやはりいいですね。この作品については既にいろいろなことが語り尽くされていると思うので、今さら自分がどうこう言うのもおこがましいのですが、いくつか感想を箇条書きすると:
・夢の設定とかにはいろいろツッコミが入れられそうなのだが、何も言うまい。自由落下している人の夢の世界が無重力状態になるなら、寝返りをうった人の夢の中は天地が逆になるのかな?
・ディカプリオは前作「シャッター・アイランド」とキャラがかぶっている点で損をしている。眉間に皺を寄せて顔を洗うような作品ばかり出たりせず、インディーズのコメディとかに出てたまにはガス抜きすればいいのにと切に願う。
・渡辺謙はあと2倍くらい英語が上手くならないと、「無口な役」とか「半分気絶してる役」とかから抜け出せないような気がする。特に日本人にとって鬼門であるthの発音をマスターしないといかんな。
・トム・ハーディが「ネメシス」の時からえらく顔が変わっていて誰だか分からなかった。もっともあの人は「BRONSON」でもっと過激な肉体改造に挑んだ前例があるのだが。
・トム・ベレンジャーは最初ブライアン・コックスかと思った。久しぶりにこの人が出てる映画を観たな。
・あの皆が接続する機械は「ブレードランナー」のヴォイト=カンプ・テスト用のマシンへのオマージュだろうか。
「ダークナイト」のときもそうだったけど、あまりにも作りが手堅すぎてこういう雑多な感想しか思い浮かばなかったりする。でもさ、映画のなかではあんな面倒くさいミッションを遂行してたけど、他人のアイデアを拝借して、本当に自分のアイデアだと心の底から思い込んでしまう人ってよくいないか?そういう意味ではおれ何度もインセプションした経験があるよ!