「OUTLAW」鑑賞


ジミー・スミッツ主演の、NBCの新作法廷ドラマ。

主人公のサイラス・ガーザはアメリカの最高裁判所の判事でありながらも女好きでギャンブル中毒という型破りな性格で、その保守的なスタンスから左派には嫌われていた。しかしACLUのメンバーと夜をともにし、リベラルな思想を持っていた彼の父親(昨年に交通事故で死去)のインタビュー映像を観たことから、サイラスの思想は一夜にして180度転換し(いやホントに)、リベラルな男になって最高裁判事の座を辞職、自身の弁護士事務所を立ち上げて、法の誤った裁きを受けた人々を助けていくのだった…というような話。

なんかハリウッドのリベラルたちの幻想が詰まったような設定だよなあ。主人公が右派の最高裁判事だという設定を知ったときはかなり型破りな作品になるかと期待したのですが、そのあと話がどんどんせせこましくなって普通の法廷ドラマになってしまうのが残念。これはやはりデビッド・E・ケリーあたりにまかせて、独自の裁きを下す判事の話とかにしてほしかったんだが。「アウトロー」の題名が泣いているぞ。

法廷ドラマとしても出来は凡庸で、ありがちな展開にありがちな音楽がかぶさっている感じ。メロドラマの要素が多いのも話をつまらなくしていて、無実の罪で収監された死刑囚(なぜか演じるのはRZA )が妻と一緒に「俺は無実だ!」と嘆願するシーンなんかはクサくって観てらんない。第1話の監督は「ホテル・ルワンダ」などで知られるテリー・ジョージだが、あの人ってもっと演出巧くなかったっけ…?

ジミー・スミッツは好きな役者だけど、落ち着いた印象を与える人なので、こういう破天荒なタイプの役は向いてないような気がする。本国でも評判はずいぶん悪いようなので、たぶんシーズン途中で打ち切られるんじゃないでしょうか。