「Battlestar Galactica: Blood & Chrome」鑑賞


言わずと知れた「ギャラクティカ」のスピンオフ作品。本来はれっきとしたシリーズになるはずで2時間のパイロット・エピソードが撮影されたはずなんだが、その後シリーズ化がなぜか見送られ、ミニシリーズになるだのTVムービーになるだのといった噂ののちに結局12分×10本のウェブでのみにシリーズになり、後で2時間ムービーとして再編集して放送されるらしい。

ストーリーは若き頃のコードネーム「ハスカー」ことウィリアム・アダマを描いたもので、第一次サイロン戦争が激化するなか、パイロットスクールをトップレベルの成績で卒業したアダマは最新の戦艦バトルスター・ギャラクティカに配属されるものの、その自信過剰な性格が懸念され、念願のバイパー戦闘機ではなくラプターを使った平凡なお使いミッションをあてがわれる。ふてくされながらも搭乗員を乗せてラプターで出発するアダマだったが、実はそれが極秘のミッションであり、行き先が変わることを告げられる。そして彼らが向かったところではサイロンのレイダー機が襲撃してきて…というのが2エピソードまで行ったところの内容。

悪くはないんだけど地味で話の展開が遅かった前スピンオフ「CAPRICA」の不人気を反映したのか、今回はサイロン戦におけるドンパチを中心にした、派手な内容のものになっている。第一次サイロン戦争が舞台なのでサイロン・レイダーが旧シリーズのデザインになってたりするのがオールドファンには嬉しいかと。若きアダマはまだ肌がスベスベなのですが、いつからアバタ面になるんだろう。

ただTVシリーズの全盛期に比べるとやはり低予算で作られている印象は否めず、ラプター内部を舞台にした密室劇になってるのもセットの予算を浮かすためだったんだろうな。というかその設定は既に別のウェブシリーズ「The Face of the Enemy」でやっちゃってるのですが。当初このシリーズの製作が発表された際はカッコいいコンセプトアート(上のやつ)とかを見て「おおっ!」と思ったのですが、なんか規模が小さくなっちゃいましたね。今後の展開で良い意味で裏切られるといいのですが。

バイパー対レイダーのドッグファイトとかはやはり迫力あるし、もはや名前すらSci-FiでなくなったSyfyチャンネルにおいて数少ない正統派SF作品なんだから、金かけてでもこのフランチャイズはもっと大切に扱っていくべきだと個人的には思うのです。

各エピソードはYouTubeで見られるよ: