WEST WING GOES LIVE

最近の「ザ・ホワイトハウス」こと「THE WEST WING」では、アラン・アルダ演じる共和党候補とジミー・スミッツ演じる民主党候補が次期大統領の座を目指して熱戦を繰り広げているわけだが、こないだ両者の討論会のエピソードが生放送で放映された。 ドラマの生放送というと、前に「ER」がやって日本でもビデオで出てたりするけど、今回も「ER」同様に東海岸用と西海岸用の2つが放映されたらしい。ただそれなりに動きのあった「ER」に比べて、「WEST WING」のほうは1つの会場で両候補がひたすら議論してるのを映すだけだから、あまり生放送の醍醐味みたいなのは感じられなかったかな。

このエピソードでは予算や雇用問題、自然保護など数多くのトピックについて両者が意見を衝突させたわけだが、ジミー・スミッツが比較的よく台詞をトチってたのに対し、アラン・アルダのほうは貫禄たっぷりの台詞回しをしていたと思う。ただしストーリー自体がアルダ寄りのものだった(スミッツが典型的なリベラルの主張を述べていたのに対し、過激なんだけれども一理ある意見をアルダは狙いすまして出していた)ので、スミッツのトチりも演出上のものだったのかもしれない。

何となく今の感じでは共和党候補のほうが有利のような気がするけど、リベラルさで名を馳せた番組だから、共和党が勝利するとは思えないのです。今後の展開はどうなることやら。

我が国 日本

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www.archive.orgで公開されている、パブリック・ドメイン入りをした作品の数々がなかなか面白い。ダウンロードが遅い・カテゴリ分けが半端・画質が悪いなどのデメリットを差しおいても、フライシャー兄弟の「スーパーマン」、「3バカ大将」「ローレル&ハーディ」をはじめ、ロジャー・コーマンの初期の作品やオリジナル版「ナイト・オブ・ザ・リビング・デッド」なんかまでが置いてあるのが非常に素晴らしい。 でもこうした傑作群はもっといい画質のやつがDVDで入手できたりするわけで、このサイトでしか手に入らない有象無象の作品のほうが実は価値があるのでしょう。

よって今回観たのは「MY JAPAN」という、第2次大戦におけるアメリカのプロパガンダ・フィルム。日本の脅威を一般市民に知らしめるためのものなんだけど、どう見ても白人にしか見えないナレーターが日本人のフリをして「贅沢なあなたたちアメリカ人と違い、我々は質素な食事で暮らしていけるから戦争になっても恐れるものはないのです。ハッハッハ」などと怪しいアクセントで語るのが、実に胡散臭くていい感じ。そして最後に、お決まりの「軍事公債を買ってアメリカを勝利に導こう!」といったメッセージが流れて終わり。

でも日本人に対するアメリカ人のイメージって、この頃も現在もあまり変わってないような気がする。

The Ultimate Star Trek Collection

アマゾンで発売中。値段は2500ドルでDVDは全部で212枚、ぶっ通しで観ても3週間以上かかるとか。アニメ版が入ってないから「Ultimate」じゃないだろう、という意見は置いとくにしても、いまさらこんなの買う人いるのかね。 買うにしても、どうせ数年もすればブルーレイ・ディスクのセットみたいのが発売されるだろうから、それまで待ったほうが得策のような気がする。

「THE COLBERT REPORT」 放送開始

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コメディ・セントラルの看板番組「THE DAILY SHOW WITH JON STEWART」(日本じゃCNNでやってんだって??)のスピンオフ番組「THE COLBERT REPORT」がこないだ始まった。番組のホストは「デイリーショー」の人気特派員の一人だったスティーブン・コルベアー。「COLBERT」を「コルベアー」と発音するのにひっかけて、番組名も「コルベアー・レポー」と発音するのが正しいんだとか。 基本的な内容は「デイリーショー」と同じで、政治風刺が主体の構成なんだけど、「デイリーショー」ではジョン・スチュワートが地のままでリベラル寄りのホストをしているのに対し、「レポー」ではコルベアーが「横柄で自己中心的な右寄りのホスト」というキャラクターを演じている点が大きく違う。どうもフォックス・ニュースの保守コメンタリー番組「オライリー・ファクター」なんかのパロディになっているらしいんだけど、幸か不幸かフォックス・ニュースはまともに観たことがないので分かりません。

番組の大まかな構成は、まず前半に「THE WORD」という、その日のキーワードを取り上げて論じるというセグメントがあって、後半は「デイリーショー」同様にいろんな分野からのゲストが登場してコルベアーと語る、というもの。「ゲストを常に論破する」というのがコルベアーの趣旨になっているため、度肝を抜くような質問を相手に投げかけてるのが面白い。普通なら怒りそうな質問を、ほとんどのゲストがうまく受け止めてるのを見ると、事前に何かしら打ち合わせをしてるのかな。

役になりきったコルベアーが右寄りのトンチンカンなコメントを発し続ける、というのが番組の基本的なスタイルであるため、その過激な発言に観客がちょっと驚いて、そのあとジョークだと理解して笑うことが多く、「デイリーショー」に比べると観客のレスポンスがいまいち悪い感じがする。あと特派員のレポートなどが多い「デイリーショー」に比べて「レポー」ではコルベアーが最初から最後まで喋りっぱなしなんだけど、ベテランのコメディアンにしては台詞の言い間違いが結構多いのが気になるかと。まあ始まったばかりの番組なので、徐々にこなれていくでしょう。

100 BULLETS vol.8: THE HARD WAY 評


そいでもってもう1冊はブライアン・アザレロ&エデュアルド・リッソのクライム&ミステリー作品「100 BULLETS」第8巻。個人的には現在月刊ベースで発行されているシリーズの中では間違いなく最高のものなんだけど、この巻に収められているストーリーも非常に出来がすばらしく、読んでて背筋がゾクゾクしてくる。 ニューオリンズ(洪水前だよ)を舞台に、様々な登場人物の思惑が交差し、暴力が暴力を呼ぶプロットが陳腐にならないまま展開していき、一方では今までの謎のいくつかが解明されながらも、さらに大きな陰謀の渦へとストーリーが巻き込まれていく流れが実にいい。また過去と現在の出来事が錯綜しながら起きていっているのに、話がまるで複雑にならず読者の興味をかき立て続けるスタイルをとっていることも特筆すべきだろう。

ストーリーもさることながら、アルゼンチン出身のアーティスト、エデュアルド・リッソのアートがまた相変わらず見事で、ニューオリンズの街の雰囲気や登場人物の不穏な内面なんかを完璧に描き出している。

前巻は中規模のストーリーが2つ収録されていたせいで、やや散漫な感じがあったものの、今回は大きなストーリーがガツンと1つあってとても引き締まった内容になっている。最重要人物の一人が意外な死を迎えるラストも衝撃的だ。

やはり現在のアメコミの中では最高のシリーズ。買え。