オペラ版「ザ・フライ」公開

以前にも書いた、デビッド・クローネンバーグ演出の「ザ・フライ」のオペラがパリで初上演されたとか。作曲がハワード・ショアなのは当然としても、指揮がなんとプラシド・ドミンゴらしいぞ。

公式サイトではプロモ映像が観れるのみだが、ここにあった舞台の映像を観る限り、悪趣味というか悪夢的なところの一歩手前にいるような感じがあってなかなかシュールではある。あの映画から「悲しい愛の物語」というコンセプトを抽出してしまうセンスが凄いよな。

「メトロポリス」の幻のフィルム発見!

大ニュース!1927年に上映されたあとに行方不明になり、この世から失われたものだと考えられていた「メトロポリス」の完全版のフィルムが発見されたらしいぞ!

「メトロポリス」が俺にとっての生涯ナンバー1作品であることは前にも述べたが、80年前もの映画であることや、初公開後に大幅なカットが加えられたことなどから、フィルムの多くの部分が永遠に失われたと思われてたんだよね。それがよりによってブエノスアイレスで発見されるとは。ロマンの尽きない映画だなあ。今までもオリジナル脚本などをもとに復元作業が何度も行われてきたが、それらの最長のものが150分程度だったのに対し、オリジナル版の尺は210分もあるらしい。

あまりにも素晴らしいニュース。これからフィルムの修復作業が始まるんだろうが、公開はいつになるんだろう。ああ早く観てみたい。

ジョージ・タケイ結婚

今のところはこないだカリフォルニア州で承認された同性同士の結婚の許可証を入手しただけで、挙式するのは9月だとか
おめでとうございます。

前にも書いたけど、大戦中に日系人の強制収容所に入れられた経験のある有名人なんてそういませんぜ。俺が「スター・トレック」をはじめて観たのは80年代後半くらいだったけど、あの時点でも日系のハリウッド俳優というのは珍しく、あとはパット・モリタとショー・コスギくらいしかいなかったんだよな。ゲイの日系人という点でも、日本でもっと評価されていい存在のはず。

それにしても毛唐どもはなぜTAKEIを「タカイ」と発音するんだろう。

「クライ・ベイビー」のミュージカル閉演

さいきん開演したばかりのような気がする、ジョン・ウォーターズの「クライ・ベイビー」のミュージカル版が早くも閉演するそうな

こないだのトニー賞で何も受賞できなかったのが直接の原因らしいが、最優秀ミュージカルにノミネートされておきながら、受賞できなかったという理由で閉演するというのはシビアだよなあ。既に支払った制作費をどうにかリクープしようとする映画と違い、ミュージカルは上演すればするだけコストがかかるから打ち切りの度合いが高いということなのか。

「ヘアスプレー」は今でも上演されてるらしいから、これでウォーターズ作品のミュージカル化の流れが途切れないでほしいところです。次は「セシル・B・ディメンティド」か「ポリエステル」あたりでどうでしょ。

「Superstar: The Karen Carpenter Story」鑑賞

こないだボブ・デイランの伝記映画「アイム・ノット・ゼア」を監督したトッド・ヘインズが無名時代に作った、カレン・カーペンターの生涯を描いた短編映画「Superstar: The Karen Carpenter Story」を観た。

これはカレンをはじめとする登場人物の殆どがバービー人形によって演じられているのが特徴で、カレン・カーペンターのお人形劇というのはゲイの監督にはたまらん題材だったろうなあ。ただし内容はまるで明るくなくて、威圧的な母親のもとで育ち、自分の体型を気にして拒食症に陥っていくカレンの姿を、暗くもはかなく描いている。低予算作品ながらセットのデザインとかは凝っていて、話の後半になると人形の姿が痩せていくのが妙にリアルだったりする。初期のデビッド・リンチが作っていたアニメに雰囲気は似てるんじゃないのかな。

内容が内容だけにリチャード・カーペンターが観て激怒したことと、カーペンターズの楽曲の使用について権利料を払ってなかったことでリチャードに訴えられ、いまでは公開禁止になってしまった作品だが、そこは21世紀、Google Videoでちゃっかり観えちゃったりする。俺みたいにカーペンターズのファンでなくても楽しめる小品。