「暗闇のスキャナー」一部鑑賞

リチャード・リンクレイターによる、フィリップ・K・ディック原作の映画「暗闇のスキャナー」の最初の20分ほどが無料で公開されてたので早速観てみる。 なかなか原作に忠実そうな出来。あの原作には70年代の刑事映画(「フレンチ・コネクション」とか)みたいな雰囲気が似合うかなと思ってたけど、ロトスコーピングによるアニメーションもそんなに悪くなさそうだ。全体的にどことなく不気味な感じがするのがいい。スクランブル・スーツが原作そのままなデザインになっているのはアニメの強みか。いかにもマンガ的な「空想ふきだし」には賛否両論あるだろうけど。ロリー・コクレーンが、同じくリンクレイター作品の「バッド・チューニング」とほとんど同じようなヤク中を演じてた。あと相変わらずロバート・ダウニーJr.は演技うまいなあ。

ちなみに「スキャナー」はサンリオ文庫版を前に読んだんだけど、その後に創元から出た山形浩生の訳のやつはヒドかった。なんかとりあえず口語訳にすればいいじゃん、みたいな調子で全編が訳されてんだよね。相変わらず本人は自信満々で、こんど浅倉久志訳が出たのには文句タレてるみたいだけどさ。

著作権はいろいろあるのですよ

下の「ローマの休日はパブリックドメイン」という判決をうけて、「じゃあパラマウントの正規版をリップして販売すれば大儲けじゃん」なんて考えてる人がどうもいるみたいだけど、著作権はそんなに単純なものじゃないのでありますよ。 映画そのものが著作権フリーだとしても、字幕の翻訳者や吹替えの声優さんたちには別途の権利があって、それぞれにロイヤリティが発生するはずだし、日本映画だったとしてもDVDのメニュー作りやチャプター分けにはそれなりの権利が付随する(はず)なので、そういうのをリップして売るのは立派な犯罪行為なのです。

一番無難なのはarchive.orgあたりにある映画をダウンロードしてDVDに焼いて販売することだろうけど、字幕付けはどうすんのとか、そもそも利益を出せるのかといった問題があると思うんだけどね。世の中そう簡単に金儲けできるもんじゃありませんぜ。

廉価DVD:著作権の保護期間満了と販売認める

まあDVDの適正価格っていくらよ、という問題は難しいものがあるんだろうけど、消費者の意見としては「安ければ安いほどいい」というのが大半なんじゃないのかな。そもそもパブリック・ドメインって「何十年も著作権を保護して稼がせてあげたんだから、そろそろ幅広く提供できるようにして、人類の文化のために貢献させましょうよ」というような大義を持ってるものだと思うんだけど、どうなんだろう。今回の判決における「1953年12月31日」と「1954年1月1日」は違うよ、というのも当たり前といえば当たり前の意見だし。 んで唯一バカみたいなのが、ここで引用されてる「キネ旬」の人の「安価なDVDが出回ることは、映画界にとって歓迎すべき決定ではない」とか「正規版の側には、映像のクオリティーを高めたり、メーキングや関係者のインタビューなど付加価値を高め、より魅力的商品を作る努力をしてほしい」といった、あまりにも短絡的な意見。業界人ならもうちょっと深くつっこもうよ。そもそもキネ旬って、老舗という立場にアグラをかいて、卒倒しそうな駄文を載せてる雑誌という印象しか無いんだけど、あんたらこそ映画を普及させる努力をなんかしてんの?

「スパイダーマン3」ティーザー

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相変わらず期待が持てそうな出来。 やはりあの黒コスチュームはヴェノムが関連してるみたいだ。今回はグリーン・ゴブリンにサンドマン、ヴェノムと3人のヴィランを相手にすることになるんだろうか。ディラン・ベイカー演じるコナーズ先生も再び出るらしいから、リザードまで登場したりして。