「TORCHWOOD」鑑賞

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「ドクター・フー」のスピンオフ作品「TORCHWOOD」がついにこないだ英国BBCで放送開始された。

トーチウッドとは何ぞや?というのが昨シーズンの「ドクター・フー」の全体的なテーマだったわけだが、これはドクターを含めたエイリアンの脅威から地球を守るために創設された秘密組織で、それって本来はUNITの業務じゃないかと思うんだが、あちらよりもさらに極秘の組織らしい。「ドクター・フー」ではロンドンにあるトーチウッド第1支部が登場したが、このシリーズの舞台となるのはウェールズのカーディフにある(何とローカルな…)第3支部。そこのリーダーを務めるのは、これまた「ドクター・フー」に登場したキャプテン・ジャックことジャック・ハークネス。ただしあのときの彼とはずいぶん性格設定などが異なっており「彼は何者か?」というのがシリーズを通じた謎になるようだ。そして彼の指揮のもと、トーチウッドのメンバーたちは今日もエイリアンから地球(もしくはカーディフ)を守っていくのであった…というのが話のおもな設定。

ここまで読めば分かるかもしれないが、作品の内容は要するにイギリス版「メン・イン・ブラック」もしくは「Xファイル」といった感じであまり斬新さはない。実質的な主人公である女性警察官グウェンが、ふとしたことからトーチウッドの存在を知り、彼らを追っていくうちにメンバーとして加わることになるという第1話の展開も非常に典型的。いちおう製作側は「大人向けのドクター・フー」という売り込みをしているみたいだけど、同性同士のキスシーンとか色情狂のエイリアンが出てくる程度じゃあまり感心しないのよ。「ドクター・フー」は真剣な状況におけるドクターのエキセントリックな行動が最大の魅力だったわけだが、こちらは話を真剣に作りすぎてるきらいがあるのが欠点か。そのくせメンバーが無断でエイリアンの備品を自宅に持ち帰ってたり、目の前でエイリアンを本部から脱走させてしまったりと「あんたら本当にプロなの?」と思うようなポカばっかりやってるのも減点もの。

そして個人的にいちばんマイナスだったのは、グウェン(上記写真左)が「ドクター・フー」のローズ同様にとってもドブスだということ。目だけ変にパッチリしてて下ぶくれ気味で、歯並びが悪いところはローズそっくり。いくらイギリスとはいえもうちょっと可愛い女優がいるだろうに。製作者の趣味か?

まかりなりにも天下の「ドクター・フー」のスピンオフ作品だから今後も見続けるだろうけど、もうちょっとクオリティの向上に期待したいところです。

「EXTRAS」シーズン2鑑賞

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WOWOWがこんど「エキストラ:スターに近づけ!」という相変わらずセンスのカケラもない邦題で放映する、リッキー・ジャーヴェイスのシットコム「EXTRAS」のシーズン2を観る。

シーズン1との大きな違いは、今まではジャーヴェイス演じる主人公がタイトル通りセリフも無きエキストラだったのに対し、シーズン2では人気のある(しかし批評家には酷評されている)シットコムのレギュラー役を獲たことで、彼が徐々に有名になっていくのが特徴になっている。。特にシーズンの前半ではもっと真剣な役を演じたいと感じる彼の葛藤、後半はプチ有名人となった彼が経験する気まずいシチュエーションの数々が話の軸になっていた。ドラマ色が強い番組であることは前にも書いたけど、このシーズンでも他の有名人と対等に扱ってもらえない主人公の悲哀や、未ださえないエキストラを続ける親友のマギーの姿なんかが結構真面目に描かれてた。

このようにドラマ色が強い一方、声を出してゲラゲラ笑える場面も多くて、特にスティーヴン・マーチャント演じる能無しのエージェントのボケっぷりが最高に面白いんだけど、大半のネタは主人公が直面する気まずい状況(昔の恋人に罵倒されるとか、舞台でゲイの役を演じさせられるとか)を中心にしたものになっていた。そしてこれらを観ててふと気づいたんだけど、この笑いのとり方って同じHBOの「CURB YOUR ENTHUSIASM」(邦題忘れた)にそっくりなんだよね。周囲の人の勘違いや多少の悪意から主人公が気まずい状況に置かれるまでの描写がかなり似ているし、主人公がちょっとした有名人だという点も同じ。ジャーヴェイスは以前から「CURB」およびラリー・デイビッドのファンであることは公言しているし、オリジナルの要素が満載の「EXTRAS」を単なるパクリ作品と呼ぶわけにもいかないんだが、個人的にはこういう主人公の苦境を笑うようなジョークってあまり好きじゃないんで、あまり面白いと思わないネタもそれなりにあったかな。

あとシーズン1同様にいろいろな有名人が本人役で毎回登場するんだが、その殆どが横柄(オーランド・ブルーム、クリス・マーティン)もしくはスケベ(ダニエル・ラドクリフ、ロバート・デ・ニーロ)という典型的な「意外な素顔の有名人」を演じていて、どれも似たり寄ったりで厚みのないキャラクターになってしまっているのが残念なところ。妖怪のようなスティーブン・フライは相変わらず良かったけど。あと、身体障害者関係のネタがどことなく多いのもなんか気になる。

ジャーヴェイスの名を一気に高めた「THE OFFICE」は2シーズンとクリスマス特番で神のような領域に達したシットコムだったけど、残念ながらこの「EXTRAS」はシーズン2が終わっても迷走状態を続けているような感じが否めない。製作が既に決まっているシーズン3での健闘にとりあえず期待しましょう。

「NIGHT OF TOO MANY STARS」鑑賞

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コメディ・セントラル初(?)のライブ・イベント「NIGHT OF TOO MANY STARS」を観る。これは自閉症の子供たちへのチャリティとして企画されたもので、司会役のジョン・スチュワートを筆頭にアダム・サンドラーやリッキー・ジャーヴェイス、スティーブ・カレル、スティーブン・コルベアー、ウィル・フェレル、デビッド・クロスといった有名コメディアン(およびジミー・ファロン)が総出演するという、なかなか豪勢な番組。何故かジョン・マッケンローもチャリティ電話の受付係として出てた。

最初はまずジャック・ブラックの歌から始まり、スチュワートの司会を絡めながら多くのコメディアンがステージに登場したり、ビデオ出演をしてネタを披露していく。特に面白かったのはネコ語を話すスティーブ・カレルや、ちょっとだけ出演したクリストファー・メローニあたりかな。「カザフスタンからの生中継」としてビデオ出演したボラート・サグディエフ(サシャ・バロン・コーエン)も笑えた。逆にイマイチだったのはマーティン・ショートやマイク・マイヤーズといったSNL系の人たち。ジミー・ファロンは相変わらず何をやっても全然面白くない。あとミュージカル・ゲストとして出演したエルビス・コステロが意外なコメディのセンスを発揮していた。

チャリティ番組だけに途中で自閉症に関するメッセージが何度も紹介され、どことなく行儀のいい雰囲気もあったけど、ほとんどの出演者はお構いなしにキツいジョークをかましていて全体的にはとても面白い番組だったと思う。ただし俺はこれをiTunesストアからダウンロードしたんだけど、このバージョンは放送時にあったジェリー・サインフェルドやベン・スティラーのネタが何故かカットされてるらしい。むしろジミー・ファロンの映像を全てカットしてサインフェルドのネタを載せてくれればいいのにね。

しかしボラートのネタって人種差別スレスレというか、あれが誰も知らないカザフスタンなんかじゃなく出っ歯の中国人とかアフリカの土人とかだったらテレビに出してもらえんよなあ。非常に面白いからまあいいけど。

「HEROES」鑑賞

まだスィープス(視聴率調査月間)にもなっていないのに、早くもアメリカでは秋の新作ドラマのいくつかが打ち切りになってきていて、9月のはじめに注目されてた作品が2〜3話で打ち切られたりするのは何か空しいものがあるかな。これって別に今に始まった話ではないんだけど、NBCの「THE OFFICE」だってシーズン1は散々たる視聴率だったのに現在はヒット作品になったことを考えてみても、もうちょっとネットワーク側は新作ドラマにチャンスを与えてあげてもいいんじゃないのと毎年思うわけです。

んでNBCといえば「STUDIO 60」が全ネットワーク中の新作ドラマで最も出来がいいとされ、大ヒット間違いなしとされてたんだけど、いざ放送が始まってみるといまいち人気がなく、シーズン1で打ち切りになるんじゃないかという噂が絶えないみたい。何がヒットするかというのは、実際に放送開始にならないとまるで分からんもんだね。

そして大方の予想を裏切ってヒットしてるのが、同じくNBCの「HEROES」というシリーズで、これは名前の通り「スーパーヒーロー」としての能力に覚醒した人々の姿を描いたSF風の作品。アメリカ各地(および日本)において、自分が特殊な能力を持っていることに気づく人々が出現する。彼らはなぜそんな能力を持つことになったのか?彼らの運命はどう絡み合っているのか?そして彼らをつけ狙う男の正体は?というのが作品のとても大まかな設定。俺が見た第1話では多くの人物が登場するだけで、あんまり話は進展しなかったのですよ。

肝心の「ヒーロー」たちの顔ぶれは、驚異的な治癒能力をもったチアガール、予知能力のある画家、空飛ぶ政治家(笑)などなど。文章にすると面白おかしいけど、それぞれが戸惑いつつも自分の能力に目覚めていく描写はよく出来ている。ここらへんはM・ナイト・シャマランの「アンブレイカブル」に似てるかな。

そして我らが日本からは、時間と空間をねじ曲げることのできるオタク系サラリーマンが登場。でも日本語がとっても変な日系人俳優使ってやんの。社員がスーツ姿でラジオ体操やるシーンといい、こういう日本の描写って「ガン・ホー」あたりから全然進歩してないよな。日本のアニメとかじゃなく「スタートレック」や「Xメン」にやたら詳しいのも実にアメリカン(俺もそうだけど)。せめて日本語話せる役者使えよ!

番組自体はアメコミの読者層を狙ってるらしく、実際にタイアップのアメコミも出版されてるらしいけど、個人的にはあまりピンとこなかったかな。話がどうも散漫すぎて方向性がないというか、「次の話も観てみたい」という気にさせてくれないんだよね。「ロスト」の成功の影響で今年は「謎めいたSF風のドラマ」がずいぶん放送開始になったようだけど、とりあえず「HEROES」はまあいいや、といった感じ。でも早くもフルシーズン製作されることが決まったらしいので、話の進展が面白そうになったらまたチェックしてみよう。

「ギャラクティカ」が裏でモメてるそうな


シーズン3が好調に開始し、現在最良のテレビ番組としての座を固めつつある「BATTLESTAR GALACTICA」だが、シーズン開始前にウェブサイト用に独自に製作されたミニ・エピソードをめぐって会社と製作者がモメてるそうな

なんでも配給会社のNBCユニバーサルが「ミニ・エピソードは宣伝素材だ」としてライターたちにギャラ(厳密には印税)を払わないことにしたのに対し、ロン・ムーアが猛反発してミニ・エピソードの提供をボイコットすると言ってるらしい。これって古くはテレビやビデオが登場したときもそうだったけど、新しいメディアが出てくると必ず印税とか二次使用料とかでモメごとが起きるんだよね。今後はiTunesストアでダウンロード販売されてる作品なんかについても、印税に関する議論は活発化してくんだろう。

でも「ギャラクティカ」って大ヒットしてNBCユニバーサルにそれなりの利益をもたらしてるわけで、こんなことでモメて本シリーズの製作に影響することがあれば結局は会社が損することになると思うんだけどね。この作品がここまでヒットしたのはムーア(長髪がムサい)」の技量に負うものが多いんだから、ちゃんと印税くらい払えばいいのに。

追記:シーズン3のエピソード4は今までのなかでも最高の出来の1つ。ギャラクティカの度肝を抜く救出作戦がカッコ良すぎ。すげー。