エミー賞発表

まあ全体的に妥当なところか。

個人的にはあんま興味ない番組とか、観たことない番組ばっかが受賞したという感じ。「デイリーショー」と「コルベア・レポー」の師弟対決は「デイリーショー」に軍配が上がり、アラン・アルダとウィリアム・シャトナーのジジイ対決は今度はアルダが勝った、なんてどうでもいいことですか。

TVムービー部門でケリー・マクドナルドが受賞したのはいいな。「アレステッド・ディベロップメント」も最後になんか受賞して欲しかった。「ギャラクティカ」が完全に除外されてるのはSFドラマへの差別だよなあ。

「THREE MOONS OVER MILFORD」鑑賞

アメリカの夏は再放送が多いと昨日書いたけど、地上波に比べてケーブル局は夏のあいだも比較的多く新シリーズを流していて、こないだ紹介した「PSYCH」などもその1つ。最近はそうした作品の宣伝手段としてITMSが注目されているらしく、ここ数週間のあいだにずいぶん多くのシリーズの第1話が無料で配布されている。まあ1話をタダでみせて興味を引き、その後の話は課金するというのは妥当なビジネスモデルだわな。

というわけで、これまた無料で配布されてたABCファミリー・チャンネルの新作「THREE MOONS OVER MILFORD」の第1エピソードを観てみる。タイトルにある「3つの月」というのは、小惑星がぶつかったことで3つに分裂してしまった月のこと。いずれは月の破片が地峡に落下して世界の破滅をもたらすということで、主人公が住む小さな町ミルフォードの住民たちは真面目に生きるのをやめてしまい、心のおもむくままに暮らすようになるのだった…。というのが話の主なプロット。

こうして書くとSFっぽく思えるかもしれないが、実際は「ギルモア・ガールズ」の模造品といった内容。皆が自分勝手に暮らしている町で、子供2人と普通に生きていこうとする母親(エリザベス・マクガヴァン)の奮闘ぶりを描いてるんだけど、砕けた月なんて設定は10分もすればどうでもいいものに思えてしまうし、登場人物が世界の終わりにかこつけてギャーギャー騒いでるさまは非常にうっとうしい。それに主人公が小ジワの多いオバさんだというのもイマイチ。当初主人公役にはシェリリン・フィンが予定されてたらしいけど、彼女だったらもうちょっと綺麗だったろうに。

生半可なアイデアを軸にして映像化しても、あんま面白くならないことが実によく分かる好例のような作品。

「WHO WANTS TO BE A SUPERHERO?」鑑賞

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アメリカのドラマのシーズンは基本的に秋から春にかけてなので、夏のあいだは再放送番組で枠が埋まってるのが普通なんだが、ここ最近は新作のリアリティ番組が再放送番組に交じってずいぶん放送されてるような気がする。数年前の「サバイバー」の大ヒットに起因してるものなんだが、俺はこのリアリティ番組ってやつが大キライで、ひどく安っぽいクオリティや何者なんだか分からない司会者、恥知らずの参加者たちといった、実に頭の悪そうな視聴者向けに作られた内容にはガマンならないのです。まだ「30 Days」みたいなメッセージ色の強いやつならいいんだけどね。

そんなことを言いつつも、Sci-fiチャンネルの新リアリティ番組「WHO WANTS TO BE A SUPERHERO?」の第1エピソードを鑑賞してみた。なぜこんなのを観る気になったのか?まあiTMSで無償提供されてたのが最大の理由なんだが、参加者それぞれが独自のスーパーヒーローになりきり、多くのミッションを乗り越えて優勝を目指すというコンセプトにも興味をもったのでございます。しかも彼らにミッションを告げるのはアメコミ界の大御所スタン・リー御大その人で、優勝者はリーが執筆するコミックの主人公になれるほか、Sci-fiチャンネルのTVムービーにも主演できるらしい。すげえ待遇だなあ。

んで番組には「キャプテン・ビクトリー」とか「モンキー・ウーマン」といったコスプレ姿の男女12名が参加するわけだが、20代から30代が大半で10代が1人しかいないというのが、彼の国のコミック読者の年齢層の高さを物語っているかな。なかには仕事を辞めてまで参加した人もいたらしい。彼らが与えられるミッションは、町中で誰にも気づかれずにヒーローへと着替えるとか、犯罪者と会話して更正させるとか、猛犬のいる庭を駆け抜けるとか、それってスーパーヒーローと関係あんの?というようなものばかり。もちろん番組の最後には、もはやリアリティ番組の恒例となった脱落のお仕置きが待っている。

番組の出来そのものは他のリアリティ番組と大差ないとはいえ、参加者たちがそれぞれギミックを抱えているのが面白い。次のエピソードも観たいな、と思うくらいの内容ではあった。それにしてもスタン・リーって80歳を越えてるってのに、いつ見ても矍鑠としてるね。

「30 DAYS」シーズン2-1鑑賞


「スーパーサイズ・ミー」で一躍有名になったモーガン・スパーロックのリアリティー・シリーズ「30 DAYS」のシーズン2第1話がiTMSで無料配布されてたので鑑賞。このシリーズを観るのはこれが初めて。この番組のコンセプトは「スーパーサイズ・ミー」同様に、とある環境に人を30日間置いてその変化を見るというもので、前シーズンではイスラム教徒の家に住むことになったキリスト教徒とか、老化防止のためにホルモン剤の投与を続ける人なんかが登場したらしい。 そして今回のテーマは「不法入国者」。メキシコとの国境を監視し、不法入国者に目を光らせる団体「ミニットメン」の1人であるフランク・ジョージ氏が、10年以上前にメキシコから不法入国したゴンザレス一家と30日を過ごすというもの。面白いのはフランク自身がキューバからの「合法入国者」であり、スペイン語もペラペラだという点。不法入国者はアメリカに害をもたらしていると固く信じる彼は、狭い家に皆が7人がひしめきあって暮らし、わずかながらの賃金で汚い仕事をして糊口をしのいでいるゴンザレス一家の実情や、故国の両親に会いたくても会えない両親の悩み、貧しいながらも大学に通って一家を助けたい娘の願いなどを知ることになる。さらにはメキシコの彼らの実家にまで足を運び、そこで人々がどんなに悲惨な環境で暮らしているかを目にしていく。

まあアメリカにおける不法入国者の問題って非常に複雑なものだし、フランクも最後まで理念を変えることはないんだけど、アメリカ経済の底辺が最低賃金以下の給料で働く彼らの労働力に支えられているのは間違いないだろう。中国が人権的にはムチャクチャやってんのに、安い労働力があるからってアメリカが仕事を与え続けてるのと似たもんかな。違うかな。最近は不法入国者に厳しい法案が通過されたらしいので、彼らをとりまく状況も変わってくるのかもしれない。

今シーズンの「30 DAYS」はこの他にもアウトソーシングや監獄、中絶といった社会的テーマを扱っていくらしい。中絶のエピソードはどんなものになるかぜひ観てみたいな。

「AQUAMAN」鑑賞

ずっと前にアクアマンがTVシリーズ化されるかもしれないと書いたけど、本当に制作されてしまった。でもパイロットが作られたのみで、結局シリーズ化はされないみたい。んでそのパイロット版(別名「MERCY REEF」)がiTMSで販売されていた。失敗したパイロット版を有料で売るなよワーナー。 主人公を演じるのはジャスティン・ハートリーとかいうハンク男優で、共演者はルー・ダイアモンド・フィリップスにヴィング・レイムズと少し豪華。ついにTVシリーズの脇役にまで落ちたかフィリップス。フロリダで養父と暮らすアーサー君は、水中を猛スピードで泳げること以外はごく普通の青年だった。しかしある日、半魚人のような女性に襲われたことから自分の出生の秘密を知る。実は10年前に行方不明となった彼の母親は海底王国アトランティスの王女であり、彼は皇族の血を引いた人間以上の存在だったのだ。そんな彼にさらなる刺客がせまる…。というのが主なストーリー。コミックスにおけるアクアマンのオリジン(いくつもあるけど)をうまく脚色できてるかな。政府のエージェントや美人パイロットなんかも出てきます。

「ヤング・スーパーマン」のプロデューサーが制作しただけあって、全体的な雰囲気は「ベイウォッチ版ヤング・スーパーマン」といったもの。白人の美男美女が(しかも今回は水着で)多数登場するというのはワーナーの得意とするスタイルすね。でも主演のハートリーは「クラークス」のジェフ・アンダーソンに似てるせいか、なんかマヌケそうな感じ。そしてキャストは全般的に演技ヘタ。というかヴィング・レイムズってあんなにセリフまわしが辿々しかったっけ?

それでも決して悪い作品ではないし、「水中で暮らせるだけ」という設定が災いしてか、コミックスにおいても扱いの難しいアクアマンをうまくTVにもってきた手腕は賞賛に値する。iTMSでの売れ行きもトップを走ってるようだし、もしかしたらミッドシーズン用の作品として復活するかも?でもハートリーは「ヤング・スーパーマン」にグリーン・アローことオリバー・クイーン役で準レギュラー出演することが早々と決まったそうな。金髪の役者は人気があっていいね。

個人的には実写版ブラック・マンタがぜひ見てみたかったのです。