「HOUDINI & DOYLE」鑑賞

Houdini & Doyle, Season 1
ITVの新シリーズ。ミニシリーズ扱いになるのかな?

舞台は1901年のロンドン。シャーロック・ホームズを「最後の事件」で葬って、ボーア戦争に関する執筆を行っていたアーサー・コナン・ドイルは、修道院で幽霊による殺人が行われたとの新聞記事を目にし、これこそ心霊が存在する証しだとして警察署にやってくる。しかし一方ではロンドンで公演中のハリー・フーディーニも事件のことを知り、幽霊はトリックだということを示すために警察に来ていた。警察に迷惑がられた彼らはお目付け役として女性刑事のストラッットン刑事をあてがわれ、お互いが正しいことを証明するために事件の調査を始めるのだが…というあらすじ。

コナン・ドイルということで「SHERLOCK」みたいなブロマンスのミステリーものを期待する人もいるかもしれないが、ここのドイルは心霊現象に傾倒しているという設定なので(本格的にハマったのは第一次大戦後だったと思うが)、物的証拠をもって生身の犯人を突き止めるのではなく、何でも心霊のせいにしてしまう人物という設定になっている。しかし当然ながら「殺人は幽霊のせいでした!」というオチにするわけにもいかないので、結局は自分のミスを認めるという損な役回りになっているかな。

対するフーディーニは実際にインチキ霊媒師のデバンカーでもあったから心霊現象にはすべて懐疑的で、あくまでも合理的に事件を捜査していくのに加え、錠前を開けたりするのも朝飯前、というカッコいい役になっている。ほかに実在の人物としてはチャーチルやイェーツなどもチョイ役で出てきてたが、今後はエジソンやブラム・ストーカーなんかも登場するとか。

フーディーニを演じるのが「HOUSE」のマイケル・ウェストンで、ドイル役が「EPISODES」のスティーブン・マンガン。「EPISODES」ってまだアメリカで撮影が終わってないんじゃなかったっけ?あとはあまり有名な役者は出てないみたい。

さすがにドイルが毎回ミスをしているようでは示しがつかないから、あとのエピソードではもっと心霊的な要素が増えてくるのかな?心霊現象にハマったあとのコナン・ドイルって例の妖精写真などであまり評判が良くない印象があるけど、個人的には唯物論者の科学者であるチャレンジャー教授がラストで霊魂の存在を認めることになる「霧の国」とか結構好きなので、うまーくスーパーナチュラルな要素を絡めてほしいところです。

「HUNTERS」鑑賞

Hunters, Season 1
「ウォーキング・デッド」が大ヒットしてイケイケのゲイル・アン・ハードが製作を務めるSyfyの新シリーズ。

退役軍人のフリンはPTSDを抱えつつも、愛しい妻とかつての戦友の娘とともに暮らしていたが、ある日妻が何者かに誘拐されてしまう。彼女を探したフリンは人里離れた一軒家で奇妙な能力を持つ人物に遭遇する。実はハンターと呼ばれる宇宙人たちが地球に侵入しており、フリンの妻は彼らに誘拐されたのだった。アメリカ政府もハンターたちの動向に気づいており、極秘組織ETUを設立して彼らの動向を探っていた。そしてETUに加わったフリンは妻を求めてハンターたちと戦うことになるのだが…というあらすじ。

いちおう原作小説があるらしいけど、非常にベタなエイリアンもののプロットですね。ハンターとの戦いを現実社会のテロリストとの戦いになぞらえて、政治的な要素を盛り込んでるみたいなことを製作陣は言ってるらしいが、それって「ギャラクティカ」がずっと上手く描写していたでしょ。

なおハンターは人間そっくりに化けられるものの、中身は「バカルー・バンザイ」のエイリアンみたいな格好をしていて、「第9地区」のエイリアンみたいにカチカチとした音を立てるほか、音楽(第1話ではなぜかOMDの「Maid of Orleans」)にメッセージを隠して交信を行い、使う武器もソニック・ウェポンという設定になっている。ただフリンの妻を誘拐した以外は具体的に悪いことをしておらず、本当にこいつら怖いのか…?という感じは否めない。

あと全体的に編集が雑というか劇中の時間の経ち方がなんか変で、冒頭はフリンの妻が監禁されてるところから始まり、それから72時間前に戻って、ETUのエージェントがハンターを襲撃して殺すシーンになり、それからフリンが登場して、ETUがハンターを解剖して、あれどこまでが72時間だっけ?という感じ。オーストラリアで無名の役者を使って撮影してるせいか、そもそもフリンが主人公だということ自体が途中まで分からなかったぞ。

アメリカでも評判は押し並べて悪いようだし、あまり長続きはしない作品かと。最近のSyfyは数年前に比べてSF番組をまたいろいろ作っている印象があるのに、どうも評価が高いものが無いのが残念。

「THE LAST PANTHERS」鑑賞

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デビッド・ボウイが生前に楽曲(「★」な)を主題歌に提供したことでも知られる、フランスの犯罪ドラマ。

物語の発端はマルセイユ。伝説の宝石泥棒グループ「ピンクパンサー」の一員だったミランは新たな仲間と組んで宝石店へ強盗に入り、ダイヤモンドや高級時計を奪うことに成功する。しかし警察から逃走する際に仲間が6歳の少女を誤って射殺してしまったことから、仕事の依頼主に宝石の買取を拒否されてしまう。仕方なしにミランたちは別の買い手を探してジェノヴァやベオグラードなどを転々とすることになるが、フランスの刑事やイギリスの保険調査員もまた彼らを追っていた…というようなあらすじ。

冒頭こそ手の込んだ強盗劇を見せられるものの、だんだんとミランたちの計画が崩れていき、あとは自分の過去と向き合う人間ドラマみたいになっていきます。ミランが過去にパンサーの仲間たちといろいろあったこととか、保険調査員がかつて国連軍の兵士であり、ベオグラードで何かトラウマとなる出来事を経験していたらしいことなどがフラッシュバックなどで示唆されるのだが、これらは今後の話で明らかになっていくのでしょう。

保険調査員を演じるのがサマンサ・モートンで、彼女の辛辣な上司にジョン・ハート、フランスの刑事に「預言者」のハール・ラヒムと、キャストは比較的豪華か。国際的なキャストが揃ってる反面、英語とフランス語(あとセルビア語?)のセリフが入り混じるので話を追うのがちょっとしんどかったりする。

色あせたトーンの映像のなか、暗い話がずっと続いていくのはいかにもヨーロッパのドラマだなあと。でも欧米の評判は良いようだし、2話以降の展開が気になるような出来ではあった。

「THE DETOUR」鑑賞

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「デイリーショー」出身のジェイソン・ジョーンズが主演するTBSの新シリーズ。同じく「デイリーショー」出身でジョーンズの奥さんのサマンサ・ビーがジョーンズとともにプロデューサーを務めてるわけですが、彼女は彼女でTBSの「Full Frontal with Samantha Bee」のホストもやってるので、夫婦揃ってTBSで番組を持ってるわけですね。

ジョーンズ演じるネイトは家族想いだがどこか抜けたところのある父親で、妻と娘と息子を連れてフロリダへ家族旅行に行くはずだったのが、飛行機代が払えないということで彼の独断でペンシルバニア州をボロな車に乗って突っ切ることに。しかし案の定車が故障し、さらに地元の住民たちとのトラブルに見舞われて…というあらすじ。

一家のママさんを演じるのは「Justified」のナタリー・ジー。ケーブル局の番組ということもあり通常のシットコムに比べて際どいネタもあり、間違って子供がストリップクラブに入ってしまうなんて展開もあります。その一方で最近のネット配信向けの「Difficult People」や「Casual」みたいな、ギャグの少ないダウナー系のコメディよりかは典型的なシットコムに近い感じ。

これアメリカの田舎をずっとうろつく内容になるのかな?ロード・トリップ系のコメディといえば、映画ではそれこそ「ロード・トリップ」とか「お!バカんす家族」とかいろいろあるけど、テレビシリーズでは聞いたことがないな。しかも早くもシーズン2の製作が決定したらいく、今後もずっと旅を続ける話になるのかしらん。

ジョークは比較的凡庸で、そんなに面白いという訳ではないものの、ジェイソン・ジョーンズの体を張った演技がやはり面白いのですよ。「デイリーショー」のときはイランやインドやロシアに赴き、現地の人々の白い目を無視して(ゴルバチョフには本気で怒られていた)アホな特派員を演じていた彼ですが、コメディの演技がここまで上手いとは思わなかったな。

個人的には健闘してもらいたい番組。「デイリーショー」絡みの番組はどうしても評価が甘くなってしまうのです。

「Wynona Earp」鑑賞

Wynonna Earp, Season 1
Syfyの新シリーズ。IDWから出版されているボー・スミス(DCで「ガイ・ガードナー」とか書いてた人ね)の同名コミックが原作らしいが、すまんおれ原作の存在知らなかったよ。

舞台となるのはアメリカの田舎町パーガトリー。伝説の保安官ワイアット・アープが開拓したというこの町に、彼の子孫であるワイノナ・アープが叔父の葬式のため数年ぶりに帰郷してくる。実はワイアットが法のもとに処刑したという77人の悪者たちが悪魔となって蘇っており、「レヴェナント」と呼ばれている彼らを倒せるのはワイアットの子孫だけなのだが、すでに戦いで父親と姉を失ったワイノナは自らの運命を嫌って町を離れていたのだ。しかし帰郷しているあいだに町が悪魔に狙われ、妹が誘拐されたことを知った彼女は、悪魔を倒せるワイアットの銃「ピースメーカー」を抱え、悪魔たちから町を守ることを決意するのだった…というあらすじ。

ワイノナの味方には彼女の妹や政府の超常現象部門のエージェント、あと蘇ったドク・ホリデイ?なんかがいるのだが、レヴェナントを倒せるのはアープ家の年長者でワイアットの銃でのみ、とか微妙にややこしい設定があるみたい。ワイノナもケンカが強いんだか弱いんだかよく分からないし。

カナダで低予算で撮影された典型的なSyfyのアクション番組といったところですが、全体的なノリは意外と悪くない。出演者も比較的無名の人ばかりなものの、主演を務めるメラニー・スクロファーノも役にはまってるのではないかと。まだ荒削りなところが多い印象は否めないが、もっと洗練してくればそれなりに楽しめる番組になるかもしれない。