「SONS OF ANARCHY」鑑賞

いろいろ海外ドラマを見ているつもりでも、いかんせん数が多いために1度も観たことがない作品は多々ありまして、特にケーブル・ネットワークの作品がそうなんだけど、FXでやってる「SONS OF ANARCHY」というシリーズの評判が良いのでとりあえず第1話を観てみたのです(本国では現在シーズン2が放送中)。

これはカリフォルニア北部の町を拠点とするバイカー・ギャング「サンズ・オブ・アナーキー」たちの姿を描いたもので、武器の密輸などに手を染めて暮らしている彼らは、メキシコ系のギャングたちや町に覚醒剤を流行らせようとする白人至上主義者たちの脅威から町を守り、自分たちのライフスタイルを貫こうとしていた。しかしギャングのリーダーの義理の息子であるジャックスは、自分の子供が生まれたことや、ギャングの創始者だった実の父親の手記を発見したことなどから、ギャングとしての生き方に疑問を抱くようになる…というのが大まかなプロット。

あっちのバイカー・ギャングって日本の暴走族なんかよりももっと組織力が強くて、むしろ日本の暴力団のようなネットワークを持ってたりするわけだが、このサンズ・オブ・アナーキーも全国に組織があるギャングということらしい。単に犯罪組織を美化するような内容にはなってなくて、2代にわたって続くギャングの概念とか理想が、周囲の変化の波にさらされていく様を描いている。あとシェイクスピアの「ハムレット」をベースにしているらしくて、他界した父と残された母親、その母親と結婚した義理の父などに主人公のジャックスがいろいろ苦悩させられるという物語にもなっている。

なお主人公の母親役は「フューチュラマ」のリーラことケイティ・セーガルで、義理の父親はヘルボーイことロン・パールマン。当初は義理の父をスコット・グレンが演じる予定だったらしいけど、やはりパールマンのゴツい体のほうがずっと画面上で存在があるよな。ギャングの皆が来ているレザー・ジャケットもなかなかカッコ良い。必ずしも次の話をすぐに観たくなるような作品ではなかったけど、非常に出来のいいシリーズであることは間違いない。

「THE PRISONER」鑑賞

「マッドメン」や「ブレイキング・バッド」を世に出して今をときめくAMCによる、60年代のカルトTVシリーズ「プリズナーNo.6」のリメイク。

砂漠の真ん中で目を覚ました男性。彼は何者かに追われていた老人が息を引き取るのを見届けたのち、砂漠のなかにある町へと辿り着く。その町はただ「ヴィレッジ」と呼ばれており、すべての住民は名前の代わりに数字で呼ばれていた。そこで「6(シックス)」と呼ばれるようになった男性はヴィレッジからの脱出を試みて車を走らせるものの、彼を迎えたのはあてもなく続く砂漠だった。再びヴィレッジに戻ってきたシックスだが、どうにかして脱出することを画策する。そんな彼の姿を監視するのは、ナンバー2と呼ばれる謎の老人だった…というのが大まかなプロット。第一話を観た限りではオリジナルのプロットとさほど大きな違いはないみたい。

ただオリジナルはスパイものとかSFものの範疇を超えて哲学的なレベルにまで達していたような奇跡的な作品であったわけで、あれをどうリメイクしたってあの域に達するのは不可能なんじゃないかと。よってさほど面白い内容ではなかったし、あちらの批評家にも不評なようだ。

気になった点をあげると、まずヴィレッジがデカい。「村」ではなく「町」の大きさになっているため、オリジナルにあった閉塞感がなくなっている。それとナンバー6を演じるジム・カヴィーゼルが、ごく普通の男性といった雰囲気しか出していない。オリジナルのパトリック・マクグーハンが演じたナンバー6はもっと裏があるというか、「政府のエージェントとして怪しいことををしてたんじゃないのか?」と思わせるような存在感が強烈だったんだけどね。今回のナンバー6も彼がヴィレッジに来るまでの経歴はそれなりに謎めいたものにされているものの、以前の生活の姿をフラッシュバックで見せているのは余計だろう。

そんなナンバー6を苦しめるナンバー2を演じるのはガンダルフことイアン・マッケランで、相変わらず素晴らしい演技を見せてくれるものの、オリジナルだとナンバー2は何人も入れ替わりで登場する役回りで、じゃあその上にいるナンバー1っていったい何者よ、というのが大きな謎になってたんだけど、今回はマッケランの存在感が圧倒的すぎてナンバー1の存在が薄れてしまっている。というかナンバー1については言及もされなかったような。

オールドファンには嬉しいローヴァー(脱走者を捕獲する白い風船)もいちおう出てくるし、今後の展開はどうなるんだろうという気にはなる作品ではあるものの、やはりオリジナルには遠く及ばない出来であった。

「DOCTOR WHO: THE WATERS OF MARS」鑑賞

10代目ドクターが主人公のさらなる特番。今回ドクターが到着したのは2059年の火星。そこには人類初の基地が設置され、10人ほどのクルーが生活を送っていた。しかし火星の氷河を溶かした水を口にしたクルーが病原菌のようなものに冒され、体から水をしたたらせるゾンビのような怪物へと変化してしまう。そして水を媒介して次々と他のクルーたちが怪物になっていくなか、残された者たちは火星を脱出しようと必死に駆け回るなか、彼らの運命を既に知っているドクターは、時間の掟を守って歴史には干渉せずに基地を去ろうとするのだが…というのが大まかなプロット。

密閉された基地のなかでクルーが化け物になっていく、という展開はシリーズ2の「The Impossible Planet」そっくり。撮影とか脚本はしっかりしているしSF番組としては相変わらず出色の出来なんだけど、特番ということで大きな展開を期待していると弱冠の肩すかしをくらうかな。むしろ面白かったのは終盤、時間の掟を破ったドクターが勝ち誇った直後にその代償に直面するあたりで、近づいてくる自らの死を感じ取るようになった彼の姿が興味深い。

まあ今回は良くも悪くも次のクリスマス特番へのつなぎのような話であったわけで、ジョン・シム演じるザ・マスターが復活し、10代目ドクターの死が描かれるであろうクライマックスへの期待は高まるばかりなのであります。

「V」鑑賞

俺くらいの世代の人だと、80年代に日テレでやってた「V」のミニ・シリーズを熱心に観てた人も多いんじゃないでしょうか。あの頃のテレビの影響力は大きかった。「V2」はビデオ屋でレンタルするのが面倒で観なかったけど。そしてこれはABCによるそのリメーク。

第一話の展開はまあ典型的な異星人訪問ものをなぞっており、世界各地の都市に突如あらわれた異星人(ビジター)たちの巨大宇宙船は下部が巨大ディスプレイになっていて、そこに友愛のメッセージが各国の言語で放映されるという実に素晴らしい気配りをみせてくれる。宇宙船を見て『「インデペンデンス・デイ」みたいだ!』と言う奴がいるんだけど、あれ観てたら普通は宇宙船の下には行かないよな。

もちろんビジターたちが友愛の人たちでないことは最初からバレバレなわけで、彼らが怪しい目的を持っていることと、前回同様に人間の皮をまとったトカゲであることは比較的早めに明らかにされる。しかもビジターたちは昔から地球に侵入しており、政府や金融機関を乗っ取っていたことが明かされるんだけど、それじゃ「訪問者」じゃなくて「間借人」じゃん。そんなんだったらもっと人間をフヌケにしてから宇宙船を送り込めばいいのに。彼らの正体を知った人間側のレジスタンスが倉庫で会合を開いたり、それをビジター側が襲撃する描写などは「ゼイリブ」そのまんま。地球侵略に反対するビジターたちによるレジスタンスも存在するという設定は面白かったけど。

物語に登場する人間たちはシングルマザーのFBI捜査官とその反抗的な息子(とそのデブでマヌケな相棒)や、ビジターの訪問によって信仰心が揺らぐ神父、ビジターへのインタビュー権を手にするジャーナリストなどなど。全体的に話が型にはまっているような気がして、あまり続きを観たいという気にはならなかったかな。せめてレジスタンス側にマイケル・アイアンサイドがいればなあ。でも視聴率はずいぶん良かったみたいなので当分シリーズは続くんじゃないでしょうか。

というかビジターたちの服がグレーを基調としているためか、

俺には彼らが「ギャラクシー・クエスト」の人たちに見えてしまうのです。

「BEING HUMAN」鑑賞

昨年から始まったBBCのドラマ。吸血鬼のミッチェルと狼男のジョージ、幽霊のアニーがブリストルにある家に同居して、なるべく普通の人間らしい生活を送ろうとするのですが、彼らの忌まわしい過去や仲間の怪物たちがそれを邪魔することになって…というようなファンタジー色の強い作品。

これをコメディとして紹介しているサイトもあるんだけど、第1話を観た限りでは笑えるところはあまりなくて、むしろ現代社会で怪物として生きることの苦悩を描いたストレートなドラマになっていた。全体的な雰囲気は「トーチウッド」に近いものがあるかな。禁欲生活を送る吸血鬼とか生前の恋人を懐かしむ幽霊とかといった描写にはあまり目新しさを感じないけど、まかりなりにもBBCだけあって特殊効果とかも含めて手堅い作りにはなっている。もうちょっと怪物もののクリーシェを打破するような内容になってても良かったんだけどな。

本国ではシリーズ2が製作中のほか、アメリカでもリメイクされることが決まったらしいので、とりあえず今後もっと面白くなることに期待。