「DEALBREAKER」鑑賞

グウィネス・パルトロウがメリー・ウィッグモアなる女優と共同監督した「DEALBREAKER」という短編映画を観る。ずっと前にこれまたiTunesストアで無料ダウンロードしたやつで、まだ観てなかったのです。

なんかハリウッドで有名な女性たちが集まって作った4本の作品のうちの1つらしく、「グラマー」誌がスポンサーについてるところが実にハイソでイヤミな感じがして嫌なんだが、出来も本当にそんな感じだった。内容は30歳のニューヨーカーが今までつきあってきたダメ男の数々について語るというもので、本当にそれだけ。「やっぱり男ってダメよねー」というありきたりなエピソードが羅列されてるだけで、しかも「セックス&ザ・シティー」のパクリらしきものもあるらしい。

あと実質9分くらいの作品なのにクレジットが3分もあるんだが、製作に関わってるスタッフの多いこと多いこと。短編映画に金をかけるなとはいわないが、もっと少人数でパッパと作れなかったのかね。短くてどうでもいいシーンとかに、やけに金のかかったセットとか使ってんだもん。これって日本のアイドルが小説とか写真集だすようなもので、ハクをつけたいんだけど才能がついてってないから周囲が大勢で助けてるようなもんじゃないすかね。

唯一のとりえがあるとすれば、ハル・ハートリー作品の常連だったビル・セージがチョイ役で出てることくらいか。あと主演の女優さん、30にしては小ジワが多いな…と思って調べてみたら1966年生まれだった。10歳もサバ読むんじゃねえ!怒るよ!

「FRISKY DINGO」鑑賞

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カートゥーン・ネットワークの「Frisky Dingo」なる作品がiTunesストアで無料配布されてたので観てみる。

なんじゃこりゃ。大人向けのシュールなアニメを集めた「アダルトスイム」レーベルの1作品で、「SEALAB2021」と同じ製作者が作ってるらしいけど、良くも悪くも典型的なアダルトスイム作品になってる感じ。内容はキルフェイスというガイコツのような悪党が、地球を軌道からずらしてたいように突入させてしまう巨大なロケットを建造したものの、予算が足りなくて完成しなかったため、部下たちを酷使して自分の計画のマーケティングに務める…といったようなもの。こんな説明で分かりますでしょうか。

過去のアニメのパロティだった「SEALAB2021」や「ハーヴェィ・バードマン」よりも「ベンチャー・ブロス」にテイストは似てるかな。キルフェイスの無理な要求に四苦八苦する部下たち(普通の人間)の光景は、ちょっと「オフィス」っぽくもある。部下たちのデザインはトレースかロトスコーピングを使ってるらしく、やけにリアルな顔立ちになってるのが特徴。チープなストーリーに比べてアニメーションの出来はやたら良かったりする。

これにラップとコーンフレークが好きなキルフェイスの息子とか、引退間際のスーパーヒーローとかが関わってきて、さらに話はシュールなものになってくらしい。ネット上では絶賛されてるみたいだけど、こういう作品が理解し難くなってきてるのって、俺も年なのかなあ。

ロバート・アルトマン死去

個人的にはお気に入りというほどの監督ではなかったかな。観たことあるのは「MASH」「ザ・プレイヤー」「ポパイ」「ショート・カッツ」くらいのもんだけど。「ザ・プレイヤー」は劇場まで観に行ったけど、あまりピンとこなかった記憶がある。

でも「ゴスフォード・パーク」とか「Tanner ’88」とか気になる作品はそれなりにあるので、こんど追悼代わりに観てみることにしよう。

「STOCKSTOCK 5」開催

ずっと前にも書いた、著作権フリーの映像を切り貼りして1つの短編映像を作るという映像コンテスト「STOCKSTOCK FILM FESTIVAL」がまた開催されるらしい。

俺が参加した2年前のときは参加費15ドルを払うことでミニDVテープが送られてきて、そこから映像をキャプチャして編集し、またテープに入れて送り返すという仕組みだったけど、去年はそれがCDロムでの納品がOKになり、今年は素材をホームページからダウンロードして、つくった映像をYoutubeかどこかにアップロードするという方法になったらしい。こうして振り返ってみると、ここ2年の間にネット上での映像のやりとりというのが急速に普及したのがよく分かるね。自分とこのサーバーにアップするんじゃなくて、他人様のサービスを使って映像公開するところが、実に小規模というか何というか。今回は参加費が無料(寄付を求められるけど)ということなので、また参加してみてもいいかもしれない。でもH.264のデータって編集しやすいもんなのか?

あと過去の作品の再掲載を募ってるらしいので、むかし入賞した作品をアップしてみようかな。今となっては非常に稚拙な出来の作品なのですが。

「3lbs」鑑賞

c0069732_23422735.jpg11月も半ばになると、アメリカのどの放送局も人気のない新作ドラマをバシバシと打ち切って代わりにミッドシーズン用のドラマを持ち出してくるわけですが、そのなかの1つ「3lbs」がiTunesストアで無料配布されてたので観てみる。

つまんね。

タイトルの「3lbs」というのは人間の脳の重さのことで、要するに医療ドラマなんだが、既にアメリカの大半の批評家が述べてるように、かなり露骨に「ハウス」をパクった作品になっている。体内の病状がCGで表されるとこや、スタンリー・トゥッチ演じる脳外科医の主人公が、天才的な観察眼を持っているものの無愛想な性格のために患者の家族に信用されないところなんかも「ハウス」そっくり。使われてる音楽までが似てる。「ハウス」は主人公の毒々しさがヒュー・ローリーの絶妙な演技に中和されてるところがあるけど「3lbs」の主人公はただ単に無愛想な感じで、そのくせ彼をとりまく病院のスタッフたちの描写はやけにメロドラマチックで、なんかソープ番組を見てるような気になってしまう。それに「ハウス」には患者の病気の原因を突き止めるというミステリー風のプロットがあるけど、こちらは肝心の手術シーンが省略されてて、どういう趣旨の作品にしたいのかさっぱり分からない。

ちなみに主人公自身が脳に不治の病を抱えてるらしいことが示唆されるんだが、そんな伏線がきちんと表面化する前に打ち切られるんじゃないすか、この作品。