「The Fall: The Wonderful and Frightening World of Mark E Smith」鑑賞

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イギリスの名物バンド「ザ・フォール」とその中心人物マーク・E・スミス(以降MES)の、30年近くに渡る歴史を追ったBBCのドキュメンタリー「The Fall: The Wonderful and Frightening World of Mark E Smith」を観る。

MESの強烈な存在感を文章で表すことは非常に難しいんだが、決して派手な性格ではないのに沸々と「負」のエネルギーを放出しているというか、何かとても混沌としたものが潜んでいてブラックホールのごとく皆の気を引いてるようなものか。あのヘンリー・ロリンズが「彼と一緒にエレベーターに閉じ込められるようなことだけは起きて欲しくない」と語ったらしいけど、本当にそんな感じ。ヒットにも恵まれず、バンドのギタリストだった妻にも去られ、メンバーとステージ上で喧嘩してぶん殴られ血まみれになりつつも歌う、尋常ではないほどのバイタリティをもった人なのです。そんな彼の実像が、バンドの元メンバー(何十人もいる)やトニー・ウィルソン、相変わらず小汚いイアン・ブローディー、グラント・ショウビズ(!)、そしてもちろん彼らの大ファンだった故ジョン・ピールなどによって語られていく。

セックス・ピストルズの伝説のマンチェスター・ライヴに触発されて結成されたザ・フォールだが、すぐにMESのワンマン・バンドとなり、テレビ出演とかが殆どなかったにも関わらずカルト的人気を集めていく。そんな彼らがメインストリームの注目を受けることになったケースの1つとして「アイアム・キュリアス・オレンジ」における前衛バレエ団とのコラボレーションが紹介されてるんだが、そのステージの光景が美しいのなんのって。俺は前からこの時の映像を探してるんだけど、フルバージョンのやつってどこかに存在しないのかなあ。

このドキュメンタリーの残念な点は、肝心のMESのインタビューが酒場でクダをまくオヤジのごとく何を言ってるのかまるで分からないことなんだけど、それもまた実にMESらしい(笑)。このまま10年後になってもMESは生命維持装置につながれて小便をちびりつつ、悪態をぶちまけながらステージに上がっていくのだろう。楽しみな未来ではある。

VHSは死んだのか?

米ヴァリエティ誌に「VHSテープの追悼記事」が載っていた。孤独な死を迎えたんだとさ。

おふざけ記事に反論すんのも何だが、俺はちょうど新しいビデオデッキを購入しようかと考えていたわけで、まだまだVHSだって捨てたもんじゃないと思うんだけどね。確かにDVDに慣れてしまうとあのサイズがやたらデカく感じられるし、カセットテープや8トラックに比べて愛着の感じられない無愛想なメディアではあるけれど、まだDVD化されてない映画って意外と多いし、たとえDVD化されていても近所のレンタル屋にVHSしか置いてなかったら、そいつを借りて観れば安上がりだと思うんですけどね。あと最近はDVDが完全に普及したおかげで古本屋なんかでは中古ビデオが200円くらいで投げ売りされてて、そこから意外な掘り出し物が発見できたりするのも面白いといっちゃ面白いんだが。

まあいずれは駆逐されていくメディアなのだろうけど、今の段階で死んだとみなすのは、マーク・トゥエインの言葉を借りるなら「私が死んだという報告は、えらく誇張されたもんです」ということなんじゃないの。

U2とグリーンデイの曲

巷でちょろっと話題になっているU2とグリーンデイの曲って、スキッズのカバーだったのか。スキッズの曲なんて普通「INTO THE VALLEY」しか知らないから、全然気づかなかったぞ。

自分の曲がこんなに有名になることを知っていたら、スチュアート・アダムソン先生も自ら命を絶つことはなかったであろうに。バグパイプのような音作りの彼のギターサウンドは俺のお気に入りなのです。

劇場版「シンプソンズ」新ティーザー

公開されていた

3D映画に見せかけて始まるところはなかなか面白いんだが、肝心の部分が何というか、ここ数年の「シンプソンズ」のダメさを如実に表してるような気がするのです。具体的に何を言いたいかというと、絶頂期(シーズン6あたり)のホーマーだったら鉄球が落ちてくるシーンでも、ワイリー・コヨーテよろしく黙って鉄球を眺めるようなことはせずに何か絶妙なギャグをとばしたもんだし、その後の鉄球に振り回されるシーンだってあんなに長々と同じジョークで笑いをとろうとすることはなく、すぐ別のシーンに移ってたもんなんだけどね。それとも俺の頭のなかで過去のエピソードが美化されすぎてんのかな。

まあティーザーで映画全体を判断するのは無意味だけど、ちょっと出来に不安を感じさせるものになってるかも。こんなのよりも早く「フューチャラマ」を復活させい!

新iPod Shuffle到着

c0069732_2331460.jpgこないだアップルストアに注文した新iPod Shuffleが届く。

ちっけー。大昔のウォークマンのリモコンくらいの大きさしかない。クリップもついていてシャツの襟とか胸ポケットに軽くポチとつけられるのが便利。簡易的なドックでデータのやり取りをするので、前のiPod ShuffleみたいにUSBメモリとして使う気軽さはなくなったが、とにかく重宝しようっと。

刻印サービスはあれこれ悩んだ末に「もてんとすべからず振られじとすべし」という江戸の川柳(?)にしたんだが、もっと洒落たのにすればよかったかな。いかんせん文字が小さいのでまず誰も気にしないだろうけど。

ちなみに到着時にはケースと中身が実にいい具合に「冷蔵されて」いたんだが、あれは何だったんだろう。クール便で配達されたわけでもないし。案外熱に弱いものだったりして。