「ファウンテン」監督コメンタリー

今でもたまにラストシーンを再鑑賞している傑作「ファウンテン」ですが、DVDには収録されてなかった監督のコメンタリーがダレン・アロノフスキーの公式サイトで入手可能になっている。映画の開始と同時にMP3ファイルをヨーイドンで開始すればいいらしい。音質はあまり良くないようだけど。監督のコメンタリーをぜひ聴いてみたかった映画なので、これでまた鑑賞してみよう。

「LUCY, THE DAUGHTER OF THE DEVIL」鑑賞

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米カートゥーン・ネットワークはアダルト・スイムの最新作「LUCY, THE DAUGHTER OF THE DEVIL」のパイロットをYouTube経由で鑑賞。こないだシリーズ化が決まったそうだけど、2年前にパイロットができたアニメ作品をいまさらシリーズ化するところが、アダルト・スイムらしきズボラさである、と思う。

話の主人公はサンフランシスコのアートスクールに通う21歳の少女ルーシー。実は彼女は悪魔の娘で、人間の女性がダットサン車と引き換えに悪魔とセックスして生まれたのだった。でも彼女には悪魔としての自覚はまるでなく、父親の小言も無視して自由奔放に暮らしてたのだけど、キリストの再来であるDJと恋仲になってしまったことから父親の悪魔がいろいろ妨害工作をしかけてくる…というような話。

まあ内容は良くも悪くも典型的なアダルト・スイム作品で、シニカルでキツい会話と展開がずっと続くだけ。いいかげんこのスタイルには飽きてきたな。でも3Dアニメの出来はなかなかいいぞ。まあ特筆すべき点はそれだけですが。あんまり次も観たいな、と思うような作品ではない。

ちなみに最近の21歳の若者たちはメディアになんて呼ばれてんの?俺らのころは「ジェネレーションX」とか「MTV世代」とか呼ばれてて、いま20代後半あたりの人たちは「ジェネレーションY」とか呼ばれてたわけですが。最近は若者文化に疎くなってしまってのう。

「GOSSIP GIRL」鑑賞

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CWの秋の新作ドラマ「GOSSIP GIRL」の第1話がiTunesストアで無料配布されてたので鑑賞。

観なけりゃよかった。

ここまで観るのが苦痛だったドラマって初めてかもしれない。要するに「The O.C.」のプロデューサーが作った東海岸版「The O.C.」といった作品で、白人の金持ちのガキどもが乳繰り合ってるのを延々と見せつけられるだけ。CWといえばWBとUPNが合併してできたネットワークだけど、WBの十八番だった「白人のティーン(ただし俳優は20代)たちのヤワなドラマ」という路線はしっかり引き継がれたわけですね。

プロットなんて無いに等しいもんだが、ニューヨークの金持ちの子弟の通う学校に、遠くの学校へ移ったはずの「話題の女の子」が戻ってきた。彼女の帰還はいろんな人に影響を及ぼすことに…といったような内容。話の展開が一昔前の少女マンガみたいで先が読め過ぎ。こういう作品にはつきものの卑劣な女たらしが出てくるんだけど、もう演技がベタすぎて観てらんないの。ちなみにナレーター役は「ヴェロニカ・マーズ」のクリステン・ベルらしいぞ。

弱小ネットワークのくせにニューヨークでしっかりロケをしてるあたりは褒めてあげるが、とりあえずこのようなゴミクズ作品が早い死を迎えることを望みます。内容的には日本人受けしそうな感じもするけど、日本上陸は意地でも阻止したいところです。

「死霊のはらわた」鑑賞

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まだみてなかったので鑑賞。「キャプテン・スーパーマーケット」は先に観てるんだけどね。

徹底的な低予算映画ながら、カメラワークが非常に巧妙なので最初の30分くらいは非常に怖い。最近のCGバリバリのホラー映画なんかよりもずっと怖い雰囲気を醸し出しているんじゃないか。ただし怪物が登場してくるあたりになると、いかんせんメイクがチャチなのでちょっと滑稽な感じがしてしまうかも。まあこのホラーとコメディの微妙なバランスが、「ダークマン」とかにも通じるサム・ライミのセンスなわけですが。あとこの頃のアッシュ(ブルース・キャンベル)って意外と弱々しかったんですね。2度も軽そうな本棚の下敷きになって苦しんでやんの。

ちなみにこうしたゾンビ映画を観て思うのは、主人公って最後には銃(特にショットガン)に頼るんだよね。イギリスが舞台の「ショーン・オブ・ザ・デッド」もそうだったけど、銃規制の厳しい日本だとゾンビに襲われても銃で対抗はできんよなあ。銃の出てこないゾンビ映画というのは作ってみる価値があると思うんですが、もしかしたら既にあるんでしょうか。

「100 BULLETS: ONCE UPON A CRIME」読了

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何度でも言うが現在続いているコミック・シリーズとしては最高の作品である「100 BULLETS」の、最新単行本「ONCE UPON A CRIME」を読了。序文をトム・フォンタナが書いていた。この作品はやはり単行本になってから読む方がいいね。そのほうが何層にも連なった重厚なストーリーをゆっくり吟味しながら読み進められるような気がする。(以下ネタバレあり)

前作は世界を操る13の家系「トラスト」の話にいささかページをとられすぎて少し話がまどろっこしいところがあったが、今回はついに全員が覚醒したミニットメンたちによる駆け引きが読み応え十分で、話が佳境に入ったことがよく分かる。でもやはり俺のいちばん好きだったキャラであるワイリー・タイムズが死んでしまったのは残念なところ。まあ奴だけカッコ良さが際立ってた部分があったので、こうなる運命だったんだろうな。でもブライアン・アザレロのストーリーの巧いところは、フラッシュバックを効果的に使うことで既に死んでいるキャラクターでも現在の話に絡んでくるという点で、我々がワイリーの姿を目にすることはこの先もあるだろう。彼を失ったヴィクター・レイの行動に注目。

そしてストーリーもさることながら、エデュアルド・リッソによるアートも相変わらず素晴らしい。夜の歓楽街の妖しい雰囲気とか、通行人の何気ない仕草とかを描かせたらこの人の右に出るアーティストはそういないんじゃないの。ちょっと前に「スタジオ・ボイス」か何かでアルゼンチンのイラストレーター特集をやってたけど、むしろリッソのような人をちゃんと紹介しないといかんのじゃないかい。

この単行本では第76話から第83話が収録されていて、シリーズ自体は第100話で完結する予定だからあと2冊くらい単行本が出ることになるのかな。これからクライマックスに向かって続くであろう怒濤の展開に期待。

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