「Finding Carter」鑑賞


最近はABCファミリー化が進んでるような気がする、米MTVの新作シリーズ。

シングルマザーのローリに育てられたカーターはイケてるティーンエイジャーで、母親とも仲良くやっていたが、ある晩に羽目をはずして警察に逮捕されたことがきっかけて、衝撃的な事実が明らかになってしまう。実は彼女はローリの娘ではなく、3歳のときにローリによって誘拐されたというのだ。すぐさま実の家族に連絡が入り、彼らと「再会」するカーター。そこで彼女は自分に両親や祖母、兄弟がいるだけでなく、自分の実の名前が「リンドン」であることを知る。新しい生活に慣れようとする一方で、ローリのことが忘れられないカーター/リンドンは、警察から逃れて失踪した彼女を助けようとするのだが…というプロット。

カーターに(二卵性の)双子の妹がいたり、実の母親が刑事をやっててローリを探し出そうとするあたり、いろいろお膳立てが揃った設定ですな!と思うが、まあいい。でもなんか実の家族がすごく近所に住んでたことになってるんだけど、それで10数年も顔が割れなかったって凄いなローリ。そしてこんな事件があれば当分のあいだカーターは病院でセラピーとか受けさせられそうだけど、そこはご都合主義ですぐさま帰宅し、さらに次の日にはパーティーとか行ってたりして、カーターは意外と環境の変化に慣れてしまってます。

カーターを演じるのはキャスリン・プレスコット。イギリスで「SKINS」に出てた人か。いまやアメリカンなティーンエイジャーもイギリス人が演じるようになってしまった。年取ってからのジョディ・フォスターにすごく顔が似ていない?あとは「LOST」のシンシア・ワトロスなんかが出てます。

さらに母親が同僚と不倫してたり、双子の妹のボーイフレンドがカーターに惹かれたり、ローリが再びカーターの前に現われたりと、今後の展開につながるネタがいろいろ撒かれてます。ティーンものとサスペンスのバランスがちょっと微妙にとれてない気がするものの、めげずに頑張る女の子の物語としては悪くないと思う。

「MATADOR」鑑賞


ロバート・ロドリゲスが所有するヒスパニック向けネットワーク「El Rey」の、「From Dusk Till Dawn」に続くオリジナルシリーズ第2弾。第1話の監督はロドリゲス御大で、クリエーターには最近ハリウッドで微妙な大作を連発しているアレックス・カーツマンとロベルト・オーチーが名を連ねている。

トニー・ブラボーは覆面捜査を行なう麻薬取締局の捜査官だったが、彼の能力に目を付けたCIAのエージェントに誘拐されるように引き抜かれ、怪しいビジネスに手を染めている大富豪の調査を行うように命じられる。その大富豪はLAのサッカーチームのオーナーであったことから、彼に近づくためにトニーは女子サッカーの金メダリストによる猛特訓を受け、チームの入団テストに見事にパスする。「マタドール」(闘牛士)のニックネームをもらってチームに加わるトニーだったが、彼のことを好まない者も何人かいて…というようなプロット。

サッカー選手で秘密エージェントの主人公というと望月三起也のマンガみたいだけど、あんなクールなドンパチがあるわけでもなく、ベタな演出が続くテレノベラ的な内容になってます。ロドリゲスもなんかやっつけ仕事やってんなあという感じ。主人公が運動神経抜群で、ヒスパニックの視聴者が憧れそうなタイプなのにテキーラが飲めないという設定はちょっと面白かった。

主人公のトニーを演じるのはガブリエル・ルナ。大富豪のオーナー役をアルフレッド・モリーナが演じてるのだが、彼がスペイン語訛りの演技をするのってすごく似合ってないね。あとはルイ・オザワが殺し屋役でゲスト出演してたりします。

明確にヒスパニックの視聴者を意識して作られた内容なので、日本での放送は難しいかもしれないな。個人的には「From Dusk〜」のほうが面白かった。

ベルイマン版「ザ・フラッシュ」


AVクラブ」で知ったネタですが、イングマール・ベルイマン風の「ザ・フラッシュ」だそうな。くだらんと思いつつも笑ってしまった。

作者はパトリック・ウィレムスとかいう映像作家みたい。でも残り1分の自己宣伝はいらんだろ。

なお「ザ・フラッシュ」は秋に始まるThe CWのシリーズのやつも結構面白いですよ。

「THE LEFTOVERS」鑑賞


「LOST」で株を上げて「プロメテウス」で下げた感のあるデイモン・リンデロフによる、HBOの新作シリーズ。例によって第1話が公式に公開されてるのでIPアドレスを(以下略)。

10月14日、世界中から人々が突然消え去るという事件が起きる。年齢や性別、人種に関係なく突如として彼らはいなくなり、その総数は世界人口の2%にものぼった。それから3年後、残された人々は喪失感を抱えながらも通常の生活に戻っていたが、その一方では無言を貫くことを信条とする白装束のカルト集団が信者を増やしており、さらには人々の苦しみを取り除くことができるという謎の人物をリーダーとした別のグループが活動を始めており、そのリーダーはこう呟くのだった:「恵まれた時期は終わった」と…というようなプロット。

「リトル・チルドレン」とかの原作者であるトム・ペロッタの小説を原作にしたもので、ペロッタも脚本に関わっているほか、第1話の監督はピーター・バーグが務めていた。なんかよく分からん謎があって、登場人物がたくさんいて、彼らの過去と謎が徐々に語られていくさまは「LOST」的なのですかね?ただしHBOの番組ということもあってちょっと表現にクセがあり、音楽の使い方なんかはアートシネマっぽいところもあったな。人々が消え去るさまはキリスト教の「携挙(rapture)」をベースにしたものだろうが、第1話を観た限りではスピリチュアルな内容ではなく、また失踪の原因を探るようなSFものでもなく、残された人々たちの葛藤を描いた話になっていた。

主人公となるのはアイオワ(かな?)の町の警察署長を務めるケヴィン・ガーヴィーで、彼の家族は誰も失踪こそしなかったものの見事に崩壊しており、妻はカルト集団に入信し、息子は別のグループのリーダーの手下となり、唯一残った娘はグレているという状況。そんな彼を通じて、日常にじわじわと忍び寄ってくる狂気が描かれていく。

ガーヴィーを演じるのはジャスティン・セロー。「マルホランド・ドライブ」の彼か。あとはリヴ・タイラーとかクリストファー・エクレストンとか、意外とビッグネームが出演しているのだけど第1話ではほとんど出演しておらず、今後どう話が発展していくのか全くわからんなあ。しかし本国のレビューは概ね好調なようなので、とりあえず今後の展開もチェックしていくようにします。

「The Final Member」鑑賞


70分ほどの短いドキュメンタリー。しかし面白かった。

舞台となるのはアイスランドの小さな漁村フーサビク。ここには世界で唯一の「ペニスの博物館」があり、元教師のシギ・フヤターソン(Hjartarson)が40年近くに渡って蒐集した、ありとあらゆる哺乳類のペニスの標本が、ハムスターからマッコウクジラまでびっしりと飾られていた(つうかみんな骨があるのね)。しかしそんなシギのコレクションにも、1つだけ欠けている標本があった。そう、ホモ・サピエンスこと人間の生殖器(以下、チンコと呼ぶ)である。自分が死ぬ前にどうにかコレクションを完成させたいと願うシギは標本のドナーの募集をかけ、同じくアイスランド人のパール・アラソンより、自分が死んだら標本を献上するとの約束をもらう。しかしそれに対抗して名乗り出たのがアメリカ人のトム・ミッチェルで、「エルモ」と名付けられたチンコ(oh…)を持つ彼は、「世界初の標本となるのはアメリカ人だ!」という考えを持ち、「エルモ」の頭に星条旗のイレズミを施し(oh…)、さらには彼が死ぬ前にエルモを切り取って(!)献上することをシギに提案する。ミッチェルの強引な態度には気乗りしないシギだったが、それでもコレクションを完成させたい意欲は強かった。果たしてコレクションは揃うのか?そして誰のものが献上されるのか?…という内容。

いちおうチンコのタブーの歴史などについても言及され、「遺体に腎臓が1つ欠けてたって誰も気にしないのに、チンコが欠けてたら笑い者にされてしまう」などと語られたりもするものの、あとは献上に関するシュールな展開がひたすら続いていく。カリフォルニアで牧場を営むミッチェルは、エルモ(いちおう「セサミ・ストリート」が出てくる前に妻によって名付けられたらしい)について瞬き1つせずに淡々と語るサイコな人で、エルモの飾られかたについても綿密なプラン(「鏡をつけて下部も見られるようにしよう」)を立てていて、しまいには「エルモを主人公にしたコミックを作ろう!」と考えてケープをまとったエルモが正義のために戦うコミックを企画したりしてるのだが、誰が読むんだよそんなの!エルモのエンバーミングにも興味を持ってイタリアの医師にも相談したりするのだが、女医さんが「これは国際的なオペレーションであり、標本が縮む前に処理をして迅速にアイスランドに届けなければなりません」などと真面目に語るのが非常にシュールであった。

一方のパール・アラソンは若い頃にアイスランドの僻地を冒険した有名人で、300人もの女性と関係した性豪であり、96歳になっても昔の女性の写真を眺めながらニタニタ笑ってるようなスケベ爺さん。しかしシギが「標本は最低でも5インチ(約13センチ)あること!」という方針を持っているため、加齢によってどんどん縮んでいく彼のチンコが、果たして5インチあるのか?という謎が話にスリル(?)を与えている。もうちょっと若い時にサイズを測るため石膏型をとろうとするものの、担当者が素人だったため見事に失敗する映像などは抱腹絶倒ものですよ。シンシア・プラスターキャスター(知ってる?)に頼めば良かったのに。

出てくる人たちは男女を含めてチンコについて真剣に語っており、それが題材とのギャップがすごくて笑いを禁じ得ないわけだが、シギ自身が病気によって体調を崩したため、どうにか生きているうちにコレクションを完成させたいと願う姿が、意外にも後半になって話にペーソスを与えている。なおミッチェルも「自分は性欲と決別したいんだ」と真面目に語るシーンがあるものの、誰もあなたの言うことは信じてませんから!エルモのコスプレ写真なんか送るなよ!

題材が題材だし、モロに見えているシーンもあるので日本ではまず公開されないだろうが、観ていて非常に楽しめるドキュメンタリーであった。みんなも5インチ以上あったら標本にして飾ってもらおうぜ!